【週刊暗号資産ニュース 2019年9月6日 第10号】 ヨーロッパのSTO市場動向

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【週刊暗号資産ニュース 2019年9月6日 第10号】 ヨーロッパのSTO市場動向

 

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・今週の暗号資産市場情報
・ARYZE(デンマーク)STOで2900万ドルの資金調達へ
・Smartchem(リヒテンシュタイン)STOで2,425万ユーロの資金調達へ
・StartMark(ドイツ)5,000万ユーロ規模のSTOを実施
・SBI北尾CEO・STO自主規制団体を2020年4月に認定へ
・マクロミルポイントをビットコインに交換|コインチェックがサービス開始
・ブロックチェーンを活用したMMFを発表|フランクリンテンプルトン

 

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今週は、野村HDと野村総合研究所が合弁会社「ブーストリー」を設立し、有価証券の権利交換基盤の開発を行うことが発表されました。

 

ブーストリーは、有価証券が発行・流通するブロックチェーン基盤の構築を行うとしており、今後の取り組みに注目が集まります。

 

また、SBIホールディングスの北尾CEOは、STO自主規制団体を2020年4月に認定することを発表し、子会社のSBIインベストメントは暗号資産アンチマネーロンダリング(AML)事業を行なっているエリプティックに出資を行なっています。

 

大手企業が活発な取り組みを見せている日本ですが、世界では多くの企業がSTOを活用して資金調達を行なっています。

 

本号では、ヨーロッパのSTO市場動向を紹介していきます。

 

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・今週の暗号資産市場情報

 

■ 9月2日(月)

 

【ブロックチェーンで信用状取引を実施/HSBC】

 

HSBCが、人民元建ての信用状(L/C)取引をブロックチェーン上で完了したとして、国際貿易業界では大きな話題を集めています。

 

国際貿易における決済には、今でも紙ベースでの取引契約が行われており、より効率的な手続きが必要とされてきました。

 

ブロックチェーン技術を活用することによって、最低5日間かかっていた書類手続きが、24時間に短縮することができることができるとされています。

 

より効率的な国際貿易の実現を目指すHSBCは、R3コンソーシアムに参加しており、国際貿易における金融プラットフォーム 「ボルトロン(Voltron)」を利用し、今後もその取り組みを進めていくとしています。

 

【ブロックチェーンによる金融管理システムを発表/テックマヒンドラ】

 

インドのテック企業であるテックマヒンドラはブロックチェーン技術を活用した金融プロセス管理サービスを発表しました。

 

これはアメリカのブロックチェーン企業アドジョインとの提携によって実現したもので、作業効率やコンプライアンス保証の高度化がはかれるとしています。

 

テックマヒンドラは、18の産業分野で事業を展開し、年間売上高49億米ドルを誇っています。

 

日本でも楽天や三井情報株式会社と共同で事業を行なっており、顧客中心のITソリューションの提供を目指しています。

 

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■ 9月3日(火)

 

【ブロックチェーン企業ビットマークに出資/アリババ】

 

テンセントと並んで、中国のブロックチェーン業界を牽引しているアリババは、デジタル著作権システムを開発するビットマークに300万ドル(約3億2000万円)の出資を行なっています。

 

ビットマークは音楽の著作権記録システムである「ビットマーク・プロパティ・システム」を開発、提供しており、カリフォルニア大学にも提供を行なっています。

 

アリババは、ブロックチェーン技術など最先端技術への投資を積極的に行なっており、アジアのみならず世界市場においてのシェア拡大に向けて確実に取り組みを進めていると言えます。

 

【商品バスケット連動ステーブルコインを計画/テザー】

 

米ドルを裏付けとしたステーブルコインを発行しているテザーですが、商品バスケット(金や原油、ゴム)に連動したステーブルコインの発行計画を明らかにしています。

 

ビットフィネックスの8億5100万ドル(約950億円)分の資金が凍結(または損失)した補填としてテザーが利用されたことで、大きな議論を呼んでいましたが、クリプト・キャピタルの国際的なマネーロンダリングへの関与疑惑などもあり、真相は藪の中となっています。

 

そのような問題を抱えているテザーではありますが、中国においてはOTC取引によってテザーが人民元と交換され、避難通貨として活用されているなど、暗号資産業界においては日に日にその存在感を増してきています。

 

商品バスケットに連動したステーブルコインのみならず、ビットフィネックス問題の進展についても大きな注目が集まっています。

 

【阿波銀行、北日本銀行、第三銀行がマネータップに出資】

 

「Money Tap」は分散型台帳「xCurrent」を活用した「RCクラウド2.0」プラットフォームを利用しており、電話番号、QRコードで個人間の送金ができるとして注目を集めています。

 

今回、「Money Tap」を運営するSBIホールディングス株式会社の子会社「マネータップ株式会社」への出資を阿波銀行、北日本銀行、第三銀行(その他1行)は行なっています。

 

「内外為替一元化コンソーシアム」に参加する銀行が中心となって進めている個人間送金サービス「Money Tap」ですが、最近では電子マネーをはじめとして、QRコード決済も普及しています。

 

消費者にとっては「どのサービスがいいのかわからない」状況にあり、銀行が手がける決済サービスである「Money Tap」に今後も注目が集まります。

 

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■ 9月4日(水)

 

【暗号資産AML企業エリプティックに出資/SBI】

 

エリプティック・エンタープライズはアンチマネーロンダリング(AML)技術の開発、提供を行なっている会社です。

 

今回は、SBIインベストメントは、エリプティックに対して1000万ドル(約10億6000万円)の出資を行なっており、取引所のVCトレードやカストディ事業に活用することを目指しています。

 

エリプティックは、AI、機械学習を活用したブロックチェーン分析を行なっており、アジア市場への展開を見込んで、2300万ドル(約24億3800万円)の調達に成功しています。

 

暗号資産業界においてはアンチマネーロンダリング(AML)への関心が高まりを見せており、FATF第4次対日相互審査も今年の10月には控えています。

 

SBIはエリプティックへの出資によって、アンチマネーロンダリング(AML)への積極的な取り組みを行なっているとみられ、日本市場において大きなイニシアチブを獲得したと言えるでしょう。

 

【東京都が独自デジタル通貨を発行へ】

 

東京都では独自デジタル通貨の発行を発表しており、ボランティア活動など社会貢献を行なった人々に対して、ポイントや電子マネーとしてデジタル通貨を活用することを目指しています。

 

デジタル通貨の発行は世界各国の中央銀行でも発行が予定されており、新たなエコシステム構築にむけて取り組みが行われています。

 

この取り組みが日本で広まることで、地方自治体が地域通貨としてデジタル通貨を活用することも期待されますが、PayPayやLINE Payといったスマホ決済との棲み分けといった課題は存在しています。

 

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■ 9月5日(木)

 

【独自暗号資産「LINK」のホワイトペーパー2.0を発表/LINE】

 

LINEは独自暗号資産「LINK」のホワイトペーパーを発表しています。

 

すでにシンガポールではLINEのグループ会社が、暗号資産取引所BITBOXを展開しており、LINKも上場を果たしています。

 

BITBOXは日本人にむけてサービス提供を行っていませんが、LINEは日本市場で「BITMAX(ビットマックス)」の開設を予定しています。

 

LINE PAYをはじめとして金融サービスの提供を行なっているLINEですが、暗号資産によるエコシステム構築に向けて取り組みを進めていく模様です。

 

【ビットコインETF機関投資家向けに販売/ヴァンエック】

 

アメリカではビットコインETFの承認が2018年から延期され続けていましたが、SECへの登録免除規定「Rule144A」を適用し、適格投資家にむけて販売が開始されました。

 

これはヴァンエック・セキュリティーズとソリッドX・マネジメントが行なった取り組みで、個人投資家にむけての販売は行われません。

 

また、アメリカ国内の取引所への上場は行われず、OTC Link ATSプラットフォームで取引が行われます。

 

そのため「BTF(Broker Traded Fund)」と呼んでいることをヴァンエックのETF責任者であるエド・ロペスは語っています。

 

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■ 9月6日(金)

 

【米ドル連動型のステーブルコインを開発へ/バイナンス】

 

バイナンスではステーブルコイン「バイナンスUSD」の開発を進めていることが発表されました。

 

ステーブルコインといえば、テザーが有名ですが、キャピタルフライトやマネーロンダリングに利用されるケースも少なくありません。

 

実際には中国人がロシアなどのOTC取引所を使って人民元とテザーを交換し、ビットコインに投資するといったスキームも明らかになっています。

 

金融サービスにブロックチェーン技術を活用する取り組みは世界各国で行われていますが、アメリカからの経済制裁を回避するためにステーブルコインが利用されるケースが現在のところ目立っています。

 

フェイスブックのリブラや中央銀行によるデジタル通貨「CBDC」などが2019年は注目を集めていますが、「バイナンスUSD」が流通した際にはこれまでの市場の勢力図が大きく塗り替えられることとなりそうです。

 

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【ARYZE(デンマーク)STOで2900万ドルの資金調達へ】

 

ARYZEは2020年第1四半期における新たな事業展開のために、STOを実施し、2900万ドルの調達を目標としています。

 

RYZEトークンは米国とEUの適格投資家にむけて販売され、一般投資家に向けては販売されていません。

 

ARYZEはプラットフォームRYZEnetの開発を行っており、ブロックチェーン技術を活用した金融インフラストラクチャの構築を目指しています。

 

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https://stonline.io/aryze/

 

【Smartchem(リヒテンシュタイン)STOで2,425万ユーロの資金調達へ】

 

Intelligent Fluids社は、高性能洗浄剤「Intelligent fluids」のグローバル市場におけるシェア獲得を目指し、STOを実施し、社債(収益配当権)をセキュリティトークン「SCM」として発行しています。

 

「microelectronics」「maintenance」といった2つの事業をメインに、年間100万ユーロ以上の収益をIntelligent Fluids社は生んでおり、今後は生産量を500トン/年から13,500トン/年に増加させることを目指しています。

 

現在のところ平均売上高は年間300トンに達し、200万ユーロの収益になるとしており、化学反応ではなく物理的作用によって強力な付着汚染を洗浄する技術には今後も注目が集まることでしょう。

 

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【StartMark(ドイツ)5,000万ユーロ規模のSTOを実施】

 

ドイツの金融市場当局であるBafinは、StartMarkの5,000万ユーロのSTOを承認しました。

 

これまでは新しいビジネスアイデアに実際に投資するのは、ごく少数の資産家や投資家に限定されてきましたが、StartMarkは一般投資家にむけてスタートアップ企業の多様な投資ポートフォリオを提供しています。

 

StartMarkが発行するセキュリティトークンを購入することで、収益配当が得られるだけでなく、スタートアップ企業への投資リスクを分散化させることができるとしています。

 

投資家の最低投資額を100ユーロ(プレセールは700ユーロ)に設定することにより、StartMarkは大きな可能性を秘めたドイツのスタートアップ企業への投資機会をより多くの人々に提供することができます。

 

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【SBI北尾CEO・STO自主規制団体を2020年4月に認定へ】

 

SBIホールディングス北尾吉孝CEOは、日本でのSTOの普及を目指し、楽天やカブコム、マネックスといったネット証券会社との自主規制団体構想を7月に行われた決算発表会で、明らかにしていました。

 

そして、自主規制団体の認定については2020年4月の認定を目指すとしており、今年中には自主規制案の取りまとめをするとしています。

 

現在、世界のSTO市場は主にアメリカやドイツを中心に動いており、

 

アメリカ:SECへの登録免除規定「Regulation」を適用した私募市場での資金調達への活用

 

ドイツ:公募による一般投資家への投資機会の提供(2019年は3件のSTOがBafinから承認)

 

といったように各国の法規制に基づいた特色が生まれています。

 

今回は、SBIホールディングス北尾吉孝CEOが進めるSTO自主規制団体や内閣府令による2項有価証券の適用について解説していきます。

 

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https://stonline.io/sto20204/

 

【マクロミルポイントをビットコインに交換|コインチェックがサービス開始】

 

コインチェックでは、マクロミルと協業で、1ポイント1円からビットコインに交換できるサービスを9月10日からスタートします。

 

マクロミルは、アンケートモニターをすることでポイントがもらえるサービスで、主婦層がお小遣い稼ぎに活用していることで知られています。

 

ポイントと暗号資産(仮想通貨)を交換するサービスは、bitFlyerがTポイントとの提携を行なっており、使わないポイントを投資に回す取り組みは、今後も活性化してくると考えられます。

 

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【ブロックチェーンを活用したMMFを発表|フランクリンテンプルトン】

 

日本では、マイナス金利政策の影響もあり、日本円MMFの利回りが低下し、2016年には証券会社が購入受け付けを停止しています。

 

現在では外貨建MMF(米ドル建)が購入可能となっており、利回りは 1.579%(みずほ証券HPから参照:2019年9月4日)となっています。

 

マネーマーケットファンド(MMF)は、不特定多数の投資家から集めた資金を運用会社が信託銀行を経由して国債や社債、コマーシャルペーパーに再投資するスキームを採用しており、投資信託の中でも安全性の高い投資商品として知られています。

 

今回、投資運用会社フランクリン・テンプルトン・インベストメンツはアメリカ証券取引委員会(SEC)へブロックチェーンを活用したマネーマーケットファンド(MMF)についての目論見書を提出したとして話題を集めており、その取り組みについて、解説していきます。

 

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https://stonline.io/mmf/

 

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