ブロックチェーン

世界銀行・ブロックチェーン債で約114億円の資金調達

債券市場において日本国債の利回りが相対的に高くなる状態が続いています。

 

ドイツ国債利回り(5年債)-0.87%。
日本国債利回り(5年債)-0.31%

 

そのような中で、世界銀行が昨年に引き続き、2度目のブロックチェーン債の発行を行ったことが明らかになり、合計で1億800万ドル(約114億円)の資金調達に成功しています。

 

前回2018年に発行された「bondi (ボンダイ) 」の利回りは2.251%であり、今回も同様の利回りであった場合には相対的に見ても、非常に高い利回り商品であると考えられます。

 

日本では野村HDがブロックチェーン上での社債管理を行うことを発表していますが、債券の管理や発行にブロックチェーンを活用することで、これまで人的リソースを割いていた業務をより効率化できるといったメリットが存在します。

 

債券市場の活性化にもつながるとして、ブロックチェーン技術を活用する取り組みは注目を集めており、世界銀行の大規模なブロックチェーン債発行によってさらなる発展が期待されています。

 

債券市場について

 

外国人投資家による日本国債の7月購入額は前年比から2倍以上の2兆8800億円となっており、マイナス利回りでありながらも人気を集めています。

 

通貨先渡契約を使用した投資方法で、マイナス利回りである現状においても収益を上げている投資家は少なくありませんが、債券市場は不健全な状態であるとも言えます。

 

また、米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨の影響で、アメリカの長期金利は上昇に転じており、債券市場は売り先行による下落が予想されています。(2019年8月22日現在)

 

債券は株や暗号資産とは異なり、配当による分配金を得ることを目的としたインカムゲインの特徴を持つ投資商品です。

 

しかしながら、現在の相場においては利回りが日に日に低下しているため、より高い利回りを求め、長期債の短期売買が行われています。

 

少しでも長期金利が上昇すれば売りが入るキャピタルゲインの投資商品に債券は変貌を遂げており、本来のインカムゲインを目的とした運用は難しい状況が続いています。

 

投資家の多くは少しでもリターンを得ようと債券の短期売買を行い、世界各国では過去最低の国債利回りを更新するなど、債券市場の混乱は今後も続くことが予想されます。

 

世界銀行 ブロックチェーン債について

 

世界銀行のブロックチェーン債「Bond -i」は分散型台帳(ブロックチェーン)テクノロジーを使用し、オーストラリアコモンウェルス銀行(CBA)、RBCキャピタルマーケット(RBC)、TD証券(TD)との連携のもと行われています。

 

昨年8月にはオーストラリアコモンウェルス銀行(CBA)の協力のもとで、ブロックチェーン債「Bond -i」(2年債)がはじめて発行され、1億1,000万豪ドルの調達が行われました。

 

2019年5月にはオーストラリアコモンウェルス銀行(CBA)とTD証券(TD)が流通市場においてブロックチェーン債「Bond -i」の売買取引を成功させ、リアルタイム決済の実現を視野に入れた取り組みも行われています。

 

分散型台帳技術を活用して、より速く、効率的なトランザクションの実現を世界銀行は目指しており、ブロックチェーン債「Bond -i」の発行のみならず、土地管理、サプライチェーン管理といった分野でもブロックチェーン技術の活用を行っています。

 

ブロックチェーンプラットフォームを介した債券管理、二次取引によって、より多くの投資家に対してブロックチェーン債への投資機会を提供するとしています。

 

現在のところ、ブロックチェーン債の実用化はまだ初期段階ですが、ブロックチェーン技術は金融サービスを変革する可能性を秘めているといえ、市場における取引の透明性と効率性を向上させることができると考えられます。

 

既存の債券市場においては中央集権型の情報管理システムが構築されていたために、多くの仲介業者を必要としていました。

 

そのため債券の発行にも時間がかかり、人的コストといった面でも手数料収入と費用対効果が見合わない小規模な社債発行などは証券会社が敬遠するなど、長年にわたり、市場の流動性に課題を抱えていました。

 

金融サービスにブロックチェーン技術を活用する取り組みは各国で行われており、その1つとして「ブロックチェーン債」は大きな注目を集めています。

 

世界銀行について

 

世界銀行(国際復興開発銀行、IBRD)は、Aaa / AAA(ムーディーズ/ S&P)に格付けされた国際機関です。

 

1944年に設立され、70年以上にわたって国際資本市場で持続可能な開発を支援する債券を発行してきました。

 

CBAについて

 

オーストラリアの家族向け銀行として1911年に創業して以来、オーストラリアコモンウェルス銀行は、金融サービスを提供してきました。

 

世界有数の金融機関の1つに成長し、世界中で51,000人以上を雇用しています。

 

金融業界の今後について

 

銀行口座を持つことのできない人々の決済サービスとしてステーブルコインやCBDC(中央銀行発行デジタル通貨)の発行への取り組みが行われ、フェイスブックのLibra(リブラ)プロジェクトなど大手企業の参入も相次いでいます。

 

しかしながら、営利目的の民間企業が金融業界に参入することに強い懸念を抱く人々も多く、規制当局などは「既存の金融システムの秩序を乱さないこと」を重視している傾向にあります。

 

フェイスブック・Libraはアメリカ議会で公聴会が開かれるまで批判を浴びたのに対して、JPモルガンといった既存の金融機関が行うステーブルコイン開発などは大きな波風が立つことなく取り組みが行われてるなど、既得権益の思惑が交差している点も見逃せません。

 

最近では日本の金融機関においてもテクノロジーの活用による人件費削減が積極的に行われており、業務の効率化を図る上でもブロックチェーン技術を導入する取り組みに期待が寄せられています。

 

世界銀行は債券発行のみならず、クロスボーダー決済にもブロックチェーン技術を活用する事業を展開しており、金融業界のさらなる発展を目指しています。

 

参考文献

 

債券トレーダーの忙しい夏、海辺でのんびり利払い待つ日々は終わり

World Bank Issues Second Tranche of Blockchain Bond Via Bond-i

 

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