国際金融・経済

アメリカ 中国へ3000億ドルの追加関税|避難資産としてのビットコイン

アメリカ・トランプ大統領は9月1日から中国に対して追加関税を行うことを明らかにしました。

 

中国では個人消費の落ち込みから国内の景気が悪化しており、このタイミングでの追加関税は国家の発展にとっても大きな痛手となりそうです。

 

そして、追加関税の対象とされているのがスマートフォンやノートパソコン、ゲーム機といったIT製品が中心であることから、アメリカを含めた全世界で物価上昇や供給網の混乱が予想されます。

 

今回の「第4弾対中制裁」の対象となるのは約3000億ドル分(約33兆円)で、関税率は10%。

 

スマートフォンやノートパソコン、ゲーム機は中国からの輸入に依存していることからアメリカ国内においても家計支出への負担や個人消費の落ち込みといったデメリットが存在します。

 

今回の追加関税は世界同時不況といった最悪のケースを見込んだ対応が必要不可欠であると言えるでしょう。

 

追加関税 アメリカ経済への影響

 

6月の米中首脳会談ではファーウェイへの制裁を緩和することで、両国の関係改善に向けた取り組みが進展するかと考えられてきました。

 

しかし、ファーウェイへの制裁緩和はアメリカ議会からの強い反発によって棚上げ状態となっており、中国もアメリカの農作物の大量購入を行なっていない状況となっていました。

 

トランプ大統領は中国が農作物の大量購入を行わないことに強い不快感をしめしており、今回の追加関税に踏み切ったと考えられます。

 

世界経済の低迷を招きかねない今回の追加関税ですが、中国が掲げる「中国製造2025」計画の阻止のためにアメリカにとっても正念場であると言えます。

 

アメリカでは米中貿易摩擦問題によるリスクの懸念からISM製造業景況感指数や設企業の備投資が減少する一方で、大型減税による個人消費が伸び、雇用も改善していることが経済を下支えしていました。

 

しかし、今回の追加関税の品目は「スマートフォン・ノートパソコン・ゲーム機」といったIT製品であり、値上がりによる個人消費の落ち込みが懸念されます。

 

追加関税 中国への影響

 

アメリカによる中国への制裁関税は今回で4回目となります。

 

1回目:産業機械 電子部品 25%(340億ドル)
2回目:半導体 化学品 25%(160億ドル)
3回目:家具 家電 10%→25%(2000億ドル)
4回目:IT機器 衣料品 10%(3000億ドル)

 

年間で5500億ドルの輸入を中国からしているアメリカにとってはレアアースなどを除いた全ての品目で、制裁関税を行なうこととなりました。

 

一方、中国では1200億ドルをアメリカから年間で輸入していますが、3回の制裁関税で、すでに1100億ドル分を発動してしまっています。

 

1回目:自動車 大豆 25%(340億ドル)
2回目:古紙 銅クズ 25%(160億ドル)
3回目:LNG 木材 10%→25%(600億ドル)

 

今回の追加関税に対して中国がどのような報復関税を行うのかは明らかにはされていません。

 

しかしながら中国では、2019年4~6月期の実質成長率は前年同期比6.2%と1992年以降で、過去最低となっています。

 

輸出や設備投資が減少していることや外国企業の工場が海外に移転している影響で、失業者も増加。

 

個人消費の落ち込みから発展途上型から消費大国型へのシフトチェンジもうまくいっておらず、少子化や家計財務の増大なども内需低迷を招いていると考えられます。

 

今回の追加関税は中国経済のさらなる悪化を招くことが予想され、閣僚級貿易協議も難航したことから米中貿易摩擦問題は中国がアメリカに譲歩することでしか解決できない状況へと追い込まれていると言えます。

 

日経平均や円高への影響について

 

追加関税の影響で外国為替市場では円高・ドル安が進行しています。

 

FRBが利下げを発表したことで円安が進行していましたが、8月2日には一時期1ドル=106円台まで上昇しました。

 

投資家の多くは円買いに動いており、今後は円高が進行する可能性が高まっています。

 

また、日経平均は反落し、一時500円超安となっています。

 

米中貿易摩擦問題の今後

 

トランプ大統領は来年の大統領選挙に向けた取り組みの一環として、米中貿易摩擦問題の早期解決を目指しています。

 

しかし、中国では米中貿易摩擦が長期化することによる大統領選挙への悪影響を考慮し、「待ち」の姿勢を見せていました。

 

そのような経緯がある中で、追加関税の発表は中国経済にとっても大きな影響をもたらすと考えられ、米中貿易摩擦問題の早期解決に向けて両国の鍔迫り合いが今後も続くと予想されます。

 

両国ともに景気低迷は免れず、アメリカとしても大型減税による個人消費の拡大を投げ打ってでも中国への圧力を強めるといった強気の姿勢を見せています。

 

米中貿易摩擦問題が長引けば長引くほどに世界経済は低迷し、両国がどこに妥協点を見出すか今後も注目が集まります。

 

避難資産としてのビットコイン

 

中国では暗号資産のOTC取引が盛んに行われており、ロシア・モスクワのOTC取引所は1日に10億〜30億円のテザーが購入されているとも言われています。

 

そして、米中貿易摩擦問題の影響から人民元安が進行しており、中国国内では資産保全のためにビットコインやテザーを避難資産として利用していることも最近では明らかにされています。

 

ここ数ヶ月のビットコインの高騰は中国マネーが暗号資産市場に流れ込んだことが大きな要因とされており、今年5月の追加関税を10%から25%へ引き上げた際には60万円台から90万円台にビットコインが急騰しました。

 

今回の追加関税によって中国企業や投資家によるOTC取引は増加することが予想され、ビットコインやテザーを避難資産として利用する傾向は強まると考えられます。

 

追加関税に対する評価

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