ステーブルコイン

暗号資産版SWIFTの現状と課題|マネーロンダリング対策について

SWIFT(国際銀行間通信協会)の「SWIFT GPI」プロジェクトによって国際送金の処理の50%は30分以内で行えるようになりました。

 

ほとんどの国際送金は24時間以内に着金が可能となるなど、2020年にはサービス展開がすでに予定されています。

 

SWIFT、SWIFT gpiが外国送金時の取り扱い件数で全体の過半数を突破/日経新聞

 

日本でも三井住友銀行をはじめとして日本銀行の金融ネットワークシステムである「日銀ネット」でも「SWIFT gpi」への接続が行われています。

 

一方で、ステーブルコインをはじめとした暗号資産による決済手段は日に日に、その存在感を増しており、日本政府が暗号資産による国際送金ネットワークの構築に取り組んでいることがロイター通信によって明らかにされています。

 

Japan to lead development of SWIFT network for cryptocurrency – source

 

財務省と金融庁による国際送金ネットワーク設立計画については、すでにFATFによって承認がされており、2020年までには具体的な方針の取りまとめを行うことが今年8月に明らかにされました。

 

暗号資産の国際送金におけるマネーロンダリング防止にむけて日本が世界を主導しているとも言えますが、SWIFT(国際銀行間通信協会)との共存など今後も大きな注目が集まることになりそうです。

 

SWIFT(国際銀行間通信協会)について

 

SWIFT(国際銀行間通信協会)は世界中の金融機関に対して国際決済システムを提供している協同組合として知られています。

 

SWIFTを仲介して各国の金融機関は国際送金を行なっており、世界中で11000行以上がこの国際送金ネットワークに参加しています。

 

しかしながら、国際送金には通常1〜3日かかることや手数料の発生についても不透明な部分が多く、ブロックチェーン技術の発達とともにSWIFTを仲介した国際送金のあり方には多くの疑問が寄せられていました。

 

銀行間の国際送金を可視化することで透明性を向上させ、送金データ取引の迅速化などにリップルが取り組むなどブロックチェーンソリューションによる国際送金の効率化に大きな注目が集まっていたことは記憶に新しい人も多いかと思います。

 

そのような中で、SWIFTは「SWIFT GPI」プロジェクト計画を実施。

 

オーストラリアや中国の銀行との「SWIFT gpi」の実証実験では、国内・国外送金におけるリアルタイムでの決済に成功しており、国際送金の迅速化への取り組みが進められています。

 

手数料の透明性の向上や決済の追跡機能なども「SWIFT gpi」によって実現しており、顧客にとってより良い国際送金サービスをSWIFTは提供しています。

 

暗号資産×国際送金システムの必要性

 

将来的に国際送金は現金だけでなく、ステーブルコインやCBDC(中央銀行発行デジタル通貨)によって行われることが予想されています。

 

CBDCについては国際通貨基金(IMF)が報告書「デジタルマネーの台頭」の中で、「中央銀行は決済サービスの提供機関となり、民間のデジタル通貨プロバイダーにサービスを提供する」としています。

 

そのためCBDCなどデジタル通貨は中央銀行、ステーブルコインは日本版SWIFTが国際決済システムを提供するといった区分けも将来的には行われることも予想されます。

 

しかしながら、SWIFTにとっては国際送金における既得権益が暗号資産やデジタル通貨に奪われることになります。

 

日本政府としても今回の暗号資産による国際送金ネットワークの構築には多くを公表しておらず、今後の取り組みに注目が集まります。

 

国際通貨基金(IMF)「デジタルマネーの台頭」について

 

デジタル通貨の分類について報告しています。

 

分類を一覧にまとめた「Money Tree」では「Cash」「CBDC」を「Central bank money」として定めており、国際通貨基金(IMF)は「CBDC」を1つのデジタル通貨としていることがわかります。

 

また、報告書ではデジタル通貨を将来的な決済手段として使用する上で、中央銀行の重要性について下記のように明記しています。

 

The Role of Central Banks and Synthetic CBDC

What will we use in the future as a means of payment and store of value: e-money, or potentially even i-money, issued by big tech firms, or commercial bank deposits? Will e-money encroach on the fractional banks we know today? Policymakers will not be able to
remain bystanders. Central banks in particular could play a key role in shaping this future.

 

ビックテック企業や商業銀行によって発行されたデジタル通貨が決済手段となる可能性も否定できませんが、中央銀行発行デジタル通貨には今後も注目が集まることでしょう。

 

「synthetic CBDC」の枠組みの中では中央銀行は決済サービスの提供機関となり、民間のデジタル通貨プロバイダーにサービスを提供するとされています。

 

決済サービスにおける「ネットワークの効果」について

 

国際通貨基金(IMF)は報告書「デジタルマネーの台頭」の中で、決済サービスを発展させる要素として「ネットワークの効果」の重要性を指摘しています。

 

Network effects: If merchants and peers also use e-money, its value to prospective users is all the greater. And as new users join, the value to all participants—existing and prospective—grows.

 

昨今における「電子マネー」を分析する中で下記の5つの要素によって決済サービスは広まり、「ネットワークの効果」によって大きな発展を遂げるとしています。

 

・利便性
・普遍性
・相補性
・処理の低コスト化
・信頼性

 

The first five reasons may be the spark that lights the fire of e-money; the sixth is the wind that could spread the blaze. The power of network effects to spread the adoption of new services should not be underestimated.

 

私たちが普段利用するsuicaやクレジットカードも電子マネーとしてこれらの要素を含んでおり、JRなどの交通機関といった「ネットワークの効果」によって今日のような普及を遂げていることがわかります。

【関連記事】
FATF勧告|暗号資産におけるマネーロンダリング対策

参考文献

Japan to lead development of SWIFT network for cryptocurrency – source

国際間送金を30分以内に完了させる「SWIFT gpi」で取引の追跡や透明化も可能に(SWIFT)

SWIFT、SWIFT gpiが外国送金時の取り扱い件数で全体の過半数を突破

 

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