STOは「新しい資金調達方法」として注目を集めており、世界各国では法規制に準拠してセキュリティトークンの発行は行われています。
日本でも金融庁が事務ガイドライン改正案の中で、金融商品取引法の規制対象となることを明記しています。
なんの審査を通さずともトークンを発行できたICOは詐欺まがいのプロダクトが乱立したことで、多くの投資家が資産を失うといった事態にも発展しました。
STOの場合は法規制に準拠することで、投資家保護やコンプライアンス保証を前提としてトークンの発行や取引が行われます。
今回は金融庁が事務ガイドライン改正案を踏まえて、STOの今後について解説していきます。
金融庁が事務ガイドライン改正案について
金融庁は事務ガイドライン(第三分冊:金融会社関係)の改正案を公開しています。
この事務ガイドライン改正案ではICOについて「企業等がトークンと呼ばれるものを電子的に発行して、公衆から法定通貨や仮想通貨の調達を行う行為の総称」と定義しています。
また、「ICOへの対応」を項目として新たに追加しており、「監督上の着眼点を新たに追加した」と事務ガイドライン改正案には記載がされています。
また、ICOの売買は暗号資産交換業に該当しますが、IEOの場合は暗号資産交換業に該当しないと定義しています。
さらにSTOのように証券性を含む場合には金融商品取引法の規制対象となることが明記されています。
「マネーロンダリングおよびテロ資金供与(AML/CFT)」といった項目も新たに追加されており、金融庁では改正内容の新旧対照表を公開しています。
暗号資産取引所に対しても経営管理の体制やリスク管理を明文化した内容となっています。
STOの今後は?
世界各国では規制当局から認可を受けてSTO取引所の開設やトークン発行が実施されています。
・アメリカ
Resolute.Fund(不動産・配当)
Aspencoin(不動産・配当)
SpaceFund One(宇宙産業投資)
Harbor(暗号資産取引所・不動産・配当)
OpenFinance Network(セキュリティト―クン取引所)
Securitize(セキュリティト―クン発行プラットフォーム)
・ドイツ
Bitbond(ソーシャルレンディング・配当)
Neufund(ETO発行プラットフォーム)
・ブラジル(実施と規制はケイマン諸島)
ReitBZ(不動産・配当)
・スイス
blockimmo(不動産・配当)
MtPelerin(銀行業・配当)
BlockState(セキュリティト―クン発行プラットフォーム)
・リヒテンシュタイン
edaXa(サプライチェーン・配当)
・エストニア
Kriptomat(暗号資産取引所・配当)
・エストニア
DX.Exchange(セキュリティト―クン取引所)
・オランダ
VMC(公共交通の支払い・利益分配)
・スペイン
Stellerro(STO引受会社・配当)
日本では6月28日、29日にはG20大阪サミットが開催され、2020年6月までに改正資金決済法が採択される予定となっています。
FATF「解釈ノートとガイダンス」が採択され国際的な暗号資産規制の枠組みの構築への取り組みが進められている中で、法規制に準拠して行われるSTOは今後の暗号資産業界においても注目を集めることでしょう。
日本においてもセキュリティトークンの協会が設立されるなど、実用化にむけての取り組みが行われています。
将来的には法規制に準拠して行われる安全な企業の資金調達として活用されることが予想されていますが、法規制が曖昧なことから日本においては様子見基調となっています。
改正資金決済法の施行にあわせて日本においてもSTOが本格化するとの見方もあり、世界のユースケースをどのように日本国内で転用していくかなど取り組みに注目が集まります。
参考文献
SNS
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