STO入門

ヨーロッパのセキュリティトークン取引所や規制状況

アメリカではセキュリティトークンの多くがSECへの登録免除規定である「Regulation D」を適用し、発行が行われています。そのため、セキュリティトークンは「売買制限証券」と定義され、売買が禁止されるロックアップ期間が「12ヶ月」に設定されています。

 

このロックアップ期間が存在することによって、セキュリティトークンの「セカンダリー・マーケット」である取引所は活発に取引が行われていない状況がアメリカでは続いています。最近ではSECがアメリカではじめてICOを承認するなど、有価証券への該当基準も明確化されてきており、法規制に準拠した資金調達方法が暗号資産業界でも確立されてきていると言えます。

 

取引所においても投資家への譲渡制限やKYC(本人確認)などの顧客デューデリジェンスが厳格化される可能性も考えられますが、STOの発展を目指す上では「投資家保護」の概念は非常に重要であると言えます。

 

当サイトでも紹介している「OpenFinance Network(アメリカ)」「DX.Exchange(エストニア)」といった取引所は着実にその取り組みを進めており、証券取引所や既存の暗号資産(仮想通貨)取引所もセキュリティトークンの取り扱いを行う動きをみせています。今回は将来的にセキュリティトークンの2次流通を担うとされるSTO取引所(セカンダリー・マーケット)の今後について解説していきます。

 

Gibraltar Blockchain Exchange(GBX)

 

ジブラルタル証券取引所 (GSX)は暗号資産の取引所である「ジブラルタルブロックチェーン取引所(GBX)」を2018年7月に設立しました。2018年11月にはジブラルタル金融サービス委員会(GFSC)から認可を受け、現在はシンガポールのSTO Global-Xとの提携によって複数の法規制に準拠して、セキュリティトークンの取引や管理ができるよう取り組みが進められています。

 

また、ジブラルタルにおけるブロックチェーンの法的枠組みを定めた「DLT規制」のもと「分散台帳技術ライセンスカテゴリ3」と呼ばれる最高ランクのライセンスをGBXは与えられており、GBXは伝統的な取引所であるGSXが運営する暗号資産取引所であり、取り扱う暗号資産には保険をつけるなど高度なセキュリティを備えています。

 

ジブラルタルブロックチェーン取引所(GBX)についての詳細

 

GBXは、GFSCによってDLTプロバイダーとして承認を受けた暗号資産取引所です。親会社であるGSXは伝統的な証券取引所としてGFSCによって規制されており、 ESMA(欧州証券市場監督局)が定める法的枠組みに準拠して運営されています。

 

GBXはAML / KYCによって投資家保護やコンプライアンスの保証を行い、ブロックチェーン市場の健全な発展を目指しています。ブロックチェーン技術によって取引の透明性と市場の流動性向上を実現し、ジブラルタル政府が定めたDLT規制に基づいて、様々なサービスを提供します。

 

金融機関レベルの技術や保険による保護、オンボーディング機能といった特徴があり、国際的な暗号資産取引所を目指した取り組みが行われています。また、GBXに上場している暗号資産の企業は、GSXへの上場を優先的に行えるとも言われています。

 

このことから暗号資産の新興企業は成長していくにしたがって、伝統的な証券取引への進出も可能性があると言えるでしょう。GSXに上場している企業は、EUが定める目論見書規定をパスすることができ、EU圏内の証券取引所への上場する機会を得ることができます。このGBXとGSXは世界規模の証券取引所ネットワーク上での二重/多重上場を促進することを計画しており、幅広いサービスを提供します。

 

SIX DIGITAL EXCHANGE

 

スイスの証券取引所である「SIX exchange」は仮想通貨取引所「SIX Digital Exchange(SDX)」の開発を進めています。

 

2019年夏にもこの取引所はオープン予定とされており、SDX独自のSTOの発行も予定しています。

 

SIXのような証券取引所が仮想通貨取引所を開設し、STOを発行するとなると世界ではじめてのケースとなります。

 

そのため、SDXはプライマリーマーケットとセカンダリーマーケットを兼ね備える存在になることが予想されます。

 

OKMSX

 

マルタ証券取引所(MSE)は香港の仮想通貨取引所OKExと共同でSTO取引所の開設を2019年第1期四半期に予定しています。

 

SDXと同様に証券取引所がSTOを取り扱う仮想通貨取引所を開設するとあって注目が集まっています。

 

こちらはSTO発行は予定されておらずセカンダリーマーケットとして機能することでしょう。

 

ブロックチェーンに関する法規制|ヨーロッパでの取り組み

 

ヨーロッパでは世界に先駆けてブロックチェーンの活用に力を入れている国々が企業の誘致に成功しています。法の整備や個人投資家の参入を見据えた取り組みがどのように行われているのか、国ごとの取り組みをまとめました。

 

ドイツの法規制やSTOへの取り組み

 

ドイツではSTOへの取り組みが盛んに行われており、

 

「Bitbond」
「Neufund」
「Fundament」

 

といったプロダクトがセキュリティトークンの発行を実施・計画しています。

 

今回は世界のSTO市場を牽引するドイツについて解説していきます。

 

ドイツではSTO実施にむけてBafinとの協議が必須

 

Bafin(ドイツ連邦金融監督庁)はドイツの金融規制当局として知られており、STOの実施の際にもBafinによる承認が必須となります。

 

アメリカではRegulation(SECへの登録免除規定)に応じて、投資家属性や募集限度額、譲渡制限(ロックアップ期間)などが明確に定められています。

 

そのため世界に先駆けてSTOへの取り組みが行われていますが、ヨーロッパでもリヒテンシュタインやスイスを中心にSTOによる資金調達を行うプロダクトが増えてきています。

 

その中でもドイツのSTO市場はすでに130以上にも及ぶプロダクトが目論見書をBafinに提出しているとも言われており、承認までに6ヶ月を要するなど厳格な審査のもとでセキュリティトークンの発行が行われています。

 

最低投資額の設定などSTO実施にむけてはBafinとの協議が必要不可欠となりますが、すでに多くのプロダクトが目論見書を提出していることを考慮すると、今後はさらなるSTOの実施が行われると考えれます。

 

下記はドイツのSTO事例になります。

 

①Bitbond

 

Bitbondはソーシャルレンディング企業として世界中の投資家と融資を求める人々を結ぶサービスを提供しています。

 

日本でも資産運用の一つとして人気を集めているソーシャルレンディングですが、Bitbondではビットコインでの投資も可能となっています。

 

今回、Bitbondは社債をセキュリティトークンとして発行し、STOによる資金調達を今年の3月11日〜7月8日に実施しています。

 

このSTOでは350万ユーロ(390万ドル)の調達に成功しており、7月26日からは正式な取引が開始されています。

 

Asset BB1

 

130以上のSTOに関する目論見書の中からはじめてBafinが承認したことで、注目を集めていたBitbondですが、ジブラルタル証券取引所(GSX)との提携を結ぶなど、セカンダリーマーケットへの上場への取り組みを今後が進めていくことが予想されます。

 

>>Bitbond(ビットボンド)【ソーシャルレンディング×STO】

 

②Neufund

Neufundは企業の株式をセキュリティトークンとして発行するETO(Equity Token Offering)プラットフォームです。

運営会社の株式をトークンとして発行し、3,387,752ユーロの資金調達に成功するなどドイツのSTO市場を牽引する存在として知られています。

様々な企業がNeufundのETOプラットフォームでの資金調達を希望しており、今後もその取り組みには注目が集まります。

Neufund|ETO(エクイティ・トークン・オファリング)について

 

③Fundament

 

Fundamentは不動産担保証券を裏付け資産としてSTOを実施する予定となっています。

 

ドイツ国内の5つの不動産プロジェクトをポートフォリオとして、2億5000万ユーロ(2億8000万ドル)分のセキュリティトークン発行を計画しています。

 

Fundament|2億8000万ドル分のSTO計画をBaFin承認へ

 

ドイツ 暗号資産規制の現状

 

ドイツ国内では2018年10月にバイエルン州議会選挙において、メリケル首相が所属するキリスト教民主同盟の姉妹政党が野党に大敗をしました。

 

このことで長年続いてきた政治システムが大きく変わろうとしてる中で、経済面でも苦戦を余儀なくされています。

 

これはドイツに限った話ではなく、経済危機を乗り越えようとする取り組みの一環として、世界各国でブロックチェーンの活用を目指しています。

 

隣国のフランスでは国家財源確保に仮想通貨を活用しようとする動きもあり、ヨーロッパの大国が法規制を行うことで企業誘致に乗り出しています。

 

現在はスイスやリヒテンシュタインがブロックチェーン業界では有名ですが、隣国のドイツもベルリンを中心にしてさまざまな取り組みが行われています。

 

これまでドイツは暗号資産に対して明確な法規制は設けてきませんでしたが、政府は2019年夏頃にブロックチェーンに関する国家戦略案の発表を予定しています。

 

2019年2月にドイツ政府が国家戦略の枠組み作りに向けての協議を開始し、国内のブロックチェーン企業へ助言を求めている状況です。

 

Bafinについて

 

Bafin(ドイツ連邦金融監督庁)は2002年4月25日に施行された「金融サービス監督法(FinDAG)」に基づいて、ドイツ国内において下記の3つの金融機関が統一されて誕生しました。

 

信用制度監督庁 (BAkred)
保険監督庁 (BAV)
証券監督庁 (BAWe)

 

当時のドイツでは保険会社がその販売網を駆使して投資信託を販売するといった事例が発生し、より包括的な金融監督体制の整備が急務とされていました。

 

また、インターネットの発達によって、監督機関にも専門的な知識や手法の共有が必要不可欠となり、他国でも金融監督体制の見直しが進んでいたことから金融機関の統一が行われました。

 

ドイツでは銀行と証券を別々に監督する必要のないユニバーサル・バンク制度をとっていたことも統合の1つの要因とされています。

 

現在では暗号資産に関するマネーロンダリング規制の認可を行うなど、規制の枠組み作りにも取り組んでおり、STOの目論見書の審査や承認を行っています。

 

BitPay(ビットペイ)が運営一時停止

 

BitPay(ビットペイ)は暗号資産の決済サービス会社として2011年アメリカに設立されました。

 

最近ではリファンド(Refundo)と呼ばれる税務サービス会社との提携によって、所得税の還付金をビットコインで受け取ることができるサービスを展開するなど注目を集めています。

 

しかし、8月1日にはドイツにおける運営を一時停止したことを明らかにしています。

 

ドイツでは来年1月から施行予定のアンチマネーロンダリング規制によって、暗号資産のサービスを行なっている企業はBafin(ドイツ連邦金融監督庁)からの認可を受ける必要があります。

 

Bafinからのライセンスを取得する必要があることからBitPay(ビットペイ)は運営を一時停止して、投資家保護にむけた取り組みを行うと考えられます。

 

ドイツでBitcoinでの支払いが認められるかBitPay(ビットペイ)とBafinの取り組みに注目が集まります。

 

シュトゥットガルト証券取引所の取り組み

 

ドイツ国内でも第2位の証券取引所であるシュトゥットガルト証券取引所は、フィンテック企業ソラリスバンクと共同で仮想通貨取引所の開設を行なっています。

 

ソラリスバンクはドイツで銀行免許を取得し、銀行口座や決済、融資などのAPIプラットフォームを運営している企業です。

 

シュトゥットガルト証券取引所はICOプラットフォームの開設や仮想通貨取引アプリ「バイソン」をリリースするなど積極的にブロックチェーン活用に乗り出しています。

 

世界ではスイスの証券取引所(SIX)やイーサリアム上に作られたスプリンクルエックスチェンジ(SprinkleXchange)といった証券取引所もあります。

 

日本でも東京証券取引所や大和証券グループが約定照合業務におけるブロックチェーン適用検討プロジェクトを立ち上げているなど取り組みが進められています。

 

ジブラルタル DLT規制によるブロックチェーン企業の誘致

 

ジブラルタルはオフショア地域としてヨーロッパの金融業界では広く知られた国で、ブロックチェーンについても好意的な国として世界に先駆けてICOへの規制を発表しました。Digital Ledger Technology(DLT)規制枠組みはブロックチェーン企業の誘致に有利に働き、Huobiなど暗号資産取引所もGFSCが発行するライセンスを取得しています。

 

DLT規制は2018年1月1日にジブラルタル政府およびGFSCによって施行されました。ジブラルタルを拠点とするブロックチェーン企業が、ジブラルタル国内で合法的に事業を行うにはGFSCによる審査・承認を経て、「DLTプロバイダー」となる必要があります。

 

DLTプロバイダーはライセンス制で、申請者が常に規制の原則に準拠していることをGFSCが確認した場合に限られます。申請を評価するために3か月間の期間が設けられており、継続的に準拠しなければならない9つの規制原則がDLT規制には定められています。

 

1 conduct its business with honesty and integrity,(誠実な事業)

 

2 pay due regard to the interests and needs of each and all its customers and must communicate with them in a way that is fair, clear and not misleading,(顧客の利益とニーズを最優先し、公正かつ明確なコミュニケーションを図る)

 

3 maintain adequate financial and non-financial resources,(財源とそれを生み出すリソースの維持)

 

4 manage and control its business effectively, and conduct its business with due skill, care, and diligence; including having proper regard to risks to its business and customers,(事業の効率的な管理・運営)

 

5 have effective arrangements in place for the protection of customer assets and money when it is responsible for them,(顧客の資産保護についての規則の整備)

 

6 have effective corporate governance arrangements,(企業統治の整備)

 

7 ensure that all of its systems and security access protocols are maintained to appropriate high standards,(システムとセキュリティを高水準で維持する)

 

8 have systems in place to prevent, detect and disclose financial crime risks such as money laundering and terrorism financing,(マネーロンダリングやテロ資金調達防止システムの整備)

 

9 be resilient and have contingency arrangements for the orderly and solvent wind down of its business.(事業リスクへの備え)

 

ジブラルタル証券取引所(GSX)の子会社である「ジブラルタルブロックチェーン取引所(GBX)」。すでにGBXはジブラルタル金融サービス委員会(GFSC)から認可を受けており、STO取引所として機能しています。

 

また、ジブラルタル証券取引所は子会社のハッシュスタックがシンガポールの企業「STO Global-X」との業務提携を結びました。この提携によって軍事機関で用いられるレベルでの暗号化技術が「STO Global-X」からGBXに提供されます。

 

 

フランス

 

フランスではPACTE法が可決され、ブロックチェーンプロジェクトを行うスタートアップ企業に対して、銀行口座を開設する権利を付与することを認めました。これはICOプロジェクトだけでなく取引所にも適用され、国際的に見ても前衛的な取り組みであるといえるでしょう。

 

フランス政府とAutorite des Marchés Financiers(AMF)による規制緩和の取り組みは、アメリカとは一線を画すもので、フランスにおける仮想通貨への期待の現れともとれます。フランスでBNPパリバに続くメガバンクとして知られるソシエテ・ジェネラルでは、イーサリアムで社債を発行するなど国内でも取り組みが活発に行われています。

 

このことによってフランスの保険会社が持つおよそ2.5兆ドルにも及ぶ運用資産が、市場にもたらされるといった可能性が出てきました。

 

マルタ

 

現在、マルタには暗号資産、STOに関する法律が3つがあります。(2018年7月時点)

1.Malta Digital Innovation Authority Act (MDAI)
2.Innovative Technological Arrangement and service Act(ITAS)
3.Virtual Financial Asset Act (VFA)

これらは投資家のリスクを減少する目的で制定されています。

 

STOを実施するためには、Financial Investment Test と呼ばれている40ページ以上のデジタル資産についての専門的なテストに合格する必要があります。

 

テストに合格した場合、マルタで会社を設立する上で、VFAエージェントと呼ばれる政府公認のライセンスを保有した監査会社に監査を依頼する必要があります。

VFAエージェントには6か月1回に必ず監査を行う必要があります。

 

マルタでは2018年に「MDIA(マルタ・デジタル・イノベーション機関法)」を制定しました。ブロックチェーン企業の誘致を目的としたこの法案によって、マルタ政府もデジタルイノベーション機関を設立。

 

マルタ国内の仮想通貨ビジネスと経済の発展を目指すこの法案の他にも「ITASA(イノベーション技術規定及びサービス法)」「VFAA(仮想金融資産法)」といった規定を定めた法案もあり、国際的にみても前衛的な取り組みを行っているのが特徴です。

 

特にSTOについての定義が「VFAA(仮想金融資産法)」ではなされており、トークンに対する法的な基準や手続きを定めています。このようなブロックチェーンの発展を促進する取り組みによって、マルタは仮想通貨取引所Binance、OKex、Neufundの誘致に成功。

 

富裕層が多いお国柄もありますが、マルタ証券取引所(MSX)がセキュリティトークン専用の取引所を開設予定となっているなど政府と民間が手を取り合ってブロックチェーンビジネスの発展を目指しています。マルタのSTOとしてはMIGA(ミーガ)取扱の「VALORA」と呼ばれるプロジェクトがあり、JPモルガンをはじめとした機関投資家も注目しています。

 

リヒテンシュタイン

 

リヒテンシュタインでは2018年9月3日にNeon Exchange(NASH)が、ヨーロッパで初めて証券がトークン化されたのを皮切りに、郵便局でもビットコインの販売サービスを開始しました。首都ファドゥーツ限定ではありますが、イーサリアムの取り扱いも予定しています。リヒテンシュタインの大手銀行の「Union Bank AG」では銀行同士の取引のためにセキュリティトークンの発行を行うことを計画しています。

 

市場や技術の発展においても主導的なポジションを確立しているリヒテンシュタインですが、2018年10月には公開草案である「National Blockchain Act」を政府が発表。これはブロックチェーンの発展を政府主導で行うことを明確に示唆しており、リヒテンシュタインではブロックチェーンのさらなる発展に向けて、国ぐるみで取り組みを推進しています。

 

リトアニア

 

リトアニアでは世界に先がけて2018年6月にICOのガイドラインを制定。現在は、財務省が主体となってセキュリテートークンの発行や課税・会計制度を研究しており、STOの発行を検討している企業には無料で専門家を提供するなど政府がSTOの発展を推進しています。

 

そのような取り組みの中で、2018年11月にクラウドファンディング法の下で立ち上げられたSTO「Desico」のCEOであるLaimonas Noreikaはインタビューにおいて、セキュリティトークンの規制や枠組みの創設や個人投資家のSTO利用の重要性を述べており、ブロックチェーンの民主化をSTOは担うと予想しています。

 

ヨーロッパの中でも多くのプロジェクトがリトアニアを将来的なフィンテックの重要拠点として認めており、国ぐるみでの取り組みによってブロックチェーンの発展を目指しています。

 

スイス

 

スイスでは証券取引所SIXが独自技術によって開発を進めているSTOを、新たなプラットフォームを介して発表することを計画しています。トランザクションの短縮化を担う分散型元帳技術によって、2019年後半には証券取引所がブロックチェーンを導入するとあって大きな注目を集めています。

 

伝統的な金融立国として知られるスイスですが、「Crypto Valley」と呼ばれるブロックチェーンのスタートアップを支援するエリアを作るなど、先進的な取り組みが行われています。スイス市場監督当局(FINMA)主導のもとで、ICOに関する規制をいち早く行い、現在ではSTOにまつわる法整備にも取り組んでいます。

 

スイス マネーロンダリング問題

 

金融立国として知られているスイスですが、不正蓄財支援の疑惑によって国策の方向変換を余儀なくされていました。スイス最大の銀行UBSグループによる脱税やマネーロンダリング幇助が国際的にも問題となっており、国際的な信用度は急落。

 

このことで金融立国としての評価は低下しており、ブロックチェーンによる産業発展に国を挙げて取り組まなくてはならないといった事情がありました。今では750社以上のブロックチェーン企業が、世界中からブロックチェーン関連企業を集める別名「クリプトバレー」と呼ばれるツーク市に集まりるなど、ブロックチェーンの中心地としてスイスは活躍を見せています。

 

スイス 暗号資産規制について

 

過去にスイスのツークに本社があるテゾスによってICOによる250億円の資金調達に成功した事例もありました。しかし、資金還元がされていないことが明らかになるなどその違法性が問題となってきました。そのような事例がある中でスイスでは2018年2月にFINMA(スイス金融市場監督庁)がICOについてのガイドラインを発表。

 

ICOトークンは決算型、実用型、資産型の3種類に分類され、この分類に基づいてプロジェクトの定義も変わってきます。現在は証券法の改正にむけての協議を行っており、新たな枠組み作りに取り組んでいます。

 

スイス証券取引所SIX ステーブルコイン開発について

 

スイス証券取引所SIXは2018年には世界初のETP(上場取引型金融商品)「HODL」の取引が行われました。ETPとは取引所に上場している企業の株価など、特定の指標の値動きに連動する運用成果を目指す金融商品の総称です。

 

現在ではイーサリアムやリップルの価格に連動して運用成果が得られるETPも取引が開始しています。スイス証券取引所SIXではスイスフランをペッグ通貨としたステーブルコインの開発が進められています。

 

スイスフランは国際的に安定性が高い通貨として知られています。価格変動(ボラリティリティ)を抑え、法定通貨と連動することで価格の安定性と利用者保護を実現します。テスト運用が2019年夏から開始予定となっており、将来的には既存証券のトークン化を目指しSTOの開発も進めています。

 

また、SIXはブロックチェーンを基盤としたデジタルトークン取引所「SDX(シックスデジタル取引所)」の開設を2019年中に計画しているなど、世界に先駆けた取り組みを行っています。

 

UBSグループの脱税問題などによって産業の方針転換を余儀なくされたスイス。しかし、2019年に入ってからはオンライン銀行「デューカスコピー(Dukascopy)」が仮想通貨取引所「Bitstamp」と締結を結び、大手銀行ジュリアス・ベアも仮想通貨企業SEBAと業務提携を発表するなどブロックチェーン業界では明るいニュースが続いています。

 

リヒテンシュタインではユニオンバンクが世界初のセキュリティトークン発行を銀行として実施、フランスでもブロックチェーンによる産業振興を明確に打ち出したPACTE法が可決されるなど各国の取り組みが活性化してきています。

 

最近では隣国のドイツでBitbondによるSTOが行われ、ヨーロッパ各国でブロックチェーン企業誘致を目的とした法整備が行われている中で、スイスの取り組みに今後も注目が集まります。

 

エストニア

 

エストニアで暗号通貨取引およびSTOならびに監査の施行は法律で規定されています。2017年11月27日に成立したMoney Loundering and Terrorist Financing Prevention Act(MLTFPA)法によると、暗号通貨は決済方法の一つと定義されています。

 

暗号通貨取引管理は警察内にある独立した金融監督組織であるEstonian Financial Intelligence Unit(EFIU)において行われています。エストニアにおいて、暗号通貨はAlternative Means of Payment (代替決済)と呼ばれています。

 

STOのための手続き

 

エストニアでSTOを行う場合、許可証や目論見書といった書類が必要です。そのためエストニアの独立した金融機関監査組織であるEFSA(Estonian Financial Supervision)で監査を行う必要があります。他のEU各国と比べると、手続きは単純化されており、2週間程度で監査は完了します。

 

エストニアの制度のメリット

 

エストニアは投資家にとって魅力的な国であり、会社設立コストも他国と比べると低いです。EU圏で起業するために必要なE-residence cardがあれば、EU圏外にいる人間でもEUマーケットにアクセスできます。STOに関する法律はエストニアでは非常に単純化されています。現在STOに関する企業会社(900社以上)は政府によって発行されたライセンスを持っています。

 

 

参考文献

 

Facebook plans to launch ‘GlobalCoin’ currency in 2020

Bezahlsystem aus Genf soll die Finanzwelt aufmischen

Swiss Exchange to List XRP Exchange-Traded Investment Product

市場急落の中、複数仮想通貨ベースの上場投資商品(ETP)がスイス大手証券取引所SIXに上場へ

Facebookが独自の仮想通貨「グローバル・コイン」を2020年にローンチへーーその目的と現状を考察する【BBC報道】

スイス証券取引所SIX、スイスフランにペッグのステーブルコイン開発を発表

Switzerland to Regulate Blockchain Within Existing Financial Laws

UBS、イタリア当局と脱税巡り123億円支払いで合意近い-関係者

ジュリアス・ベアが仮想通貨スタートアップと提携、暗号資産サービス提供開始へ

Partnership with Dukascopy Bank

UBS Is Poised to Settle Tax Case With Italy for $110 Million

【各国のICO,STO】ICO,STOセキュリティトークンの進捗

Banks Can’t Snub Crypto Startups Thanks to France’s New Blockchain Law

仮想通貨取引とSTOで経済活性化を図るマルタ共和国(その2)

マルタ発STOプラットフォームVALORA

ヨーロッパでSTOを行うための課題:DESICOのCEO、Laimonas Noreika 氏のインタビューより抜粋

ヨーロッパ諸国の最新動向

スイスの証券取引所SIXが独自にSTOを実施予定

リップル(XRP)に連動したETP、スイスで上場

Ethereum Investment Vehicle Now Live on Swiss Stock Exchange SIX

Crypto Exchange-Traded Product to Launch on Swiss Stock Exchange

ドイツ2位の証券取引所に支援された仮想通貨取引アプリ「BISON」が正式リリース

ドイツ第二位の証券取引所が今月から仮想通貨取引所開設|アプリをリリース、BTCなど4種仮想通貨からスタート

証券業界におけるブロックチェーンの活用に向けた検討と オープンイノベーションの推進|JPXワーキングペーパー

BitPay Says It Has ‘Paused’ Processing Bitcoin Payments in Germany

ドイツの新しい金融監督機関について

 

 

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