セキュリティトークンとトークン化された証券の違い|「Progmat」「ibet」について

STO

世界ではアメリカやドイツを中心にセキュリティトークンの発行が行われており、日本においても来年春に予定されている法改正を目前に控え、大手金融グループによるセキュリティトークン発行プラットフォームの発表が相次いで行われています。

 

11月7日:三菱UHJフィナンシャルグループ「ST研究コンソーシアム」設立を発表

 

この「ST研究コンソーシアム」は「三菱UFJ信託銀行・三菱UFJ銀行・三菱UFJモルガンスタンレー」が事務局となり、ブロックチェーン企業からは「Securitize(アメリカ)」「LayerX」が参画しています。

 

スマートコントラクトを実装した「Progmat(プログマ)」と呼ばれるプラットフォームの開発も合わせて発表されており、ブロックチェーン上で即時決済が可能な「プログラマブルマネー」という新たな金融概念も打ち出されています。

 

「Progmat(プログマ)」では、社債などの金融商品をブロックチェーン上でデジタル化し、情報の共有や記録を行い、24時間365日金融取引が可能なプラットフォームを目指すとしています。

 

ブロックチェーン技術の社会実装にむけて、FacebookのLibraやデジタル人民元の発行が大きな注目を集めてきましたが、セキュリティトークン業界においてはセカンダリーマーケットの発展に向けた取り組みが活性化してきているとも言えます。

 

しかしながら、セキュリティトークンは企業の収益分配権など「配当型」の金融商品に該当するため、ビットコインのように売買が活発に行われにくいとの見方もできます。

 

ビットコイン(暗号資産):キャピタルゲイン(売買差益)型 価格変動によって利益を得る

 

セキュリティトークン:インカムゲイン(配当による利益)ガチホして年に数回の配当金によって利益を得る

 

上記のような特徴がセキュリティトークンにはあると考えられ、取引プラットフォームよりも小規模な「OTC(相対)取引」のような形で普及が進むとも考えられます。

 

日本においては、三菱UHJフィナンシャルグループ以外にも

 

11月19日:野村HDと野村総合研究所(NRI)の合弁会社「ブーストリー」が「ibet」を発表

 

「ibet」は社債といった金融商品だけではなく、会員権やサービス利用権もブロックチェーン上で「OTC(相対)取引」が可能なプラットフォームと発表されており、「デジタル化された様々な権利を作成、売買できる」とのこと。

 

「ibet」は、ブロックチェーン技術を活用してデジタル化された権利(トークン)の売買を「当事者間」で行える「OTC(相対)取引」が可能な点において「tZERO」「One finance network」といったアメリカのセキュリティトークン取引プラットフォームとは異なる特徴を有していると考えられます。

 

会員権やサービス利用権など権利の総称を「ibet」はセキュリティトークンとしており、テンプレートや取引方法に沿って個々人がトークンを発行でき、取引できるとなると、さらなる市場の活性化が見込まれます。

 

「セキュリティトークン」と「トークン化された証券」の違いは、現在のところ国際的な定義がなされているわけではありませんが、アジア証券業金融市場協会(ASIFMA)は「Tokenised Securities」のレポート内で、下記のような定義を行っています。

 

■ Tokenised Securities A Roadmap for Market Participants and Regulators November 2019

 

A token is a digital representation of rights to any tangible (financial or otherwise) or intangible assets. Tokenised securities and security tokens are two different concepts. Tokenised securities are generally thought of as traditional, regulated securities, but with a digital wrapper. For the purposes of this paper, we are focusing in particular on shares and bonds which are issued, traded and owned with proof of ownership recorded on a distributed ledger.

 

トークンは、有形(金融またはその他)または無形の資産に対する権利のデジタル表現です。トークン化された証券とセキュリティトークンは2つの異なる概念です。

トークン化された証券は一般に従来の規制された証券と考えられていますが、デジタルラッパーを備えています。本書の目的上、特に、分散台帳に記録された所有権の証書で発行、取引、所有されている株式と債券に焦点を当てています。

 

On the other hand, security tokens can have a broader scope and intrinsic features that are designed to represent assets typically of an underlying financial type, such as participation in companies or earnings streams, or an entitlement to dividends or interest payments, or a combination thereof packaged into one. Depending on their economic function and terms, these tokens may be classified as equities, bonds, collective investment schemes or derivatives.

 

一方、セキュリティトークンは、通常、基になる金融タイプの資産を表すように設計された、より広い範囲と固有の機能を持つことができます。たとえば、企業への参加や収益の流れ、配当や利子の支払いの権利、またはそれらの組み合わせなどです。経済的機能と条件に応じて、これらのトークンは、株式、債券、集団投資スキームまたはデリバティブに分類されます。

 

Isolating specific economic functions can lead to new socalled “alternative assets” (e.g. tokenised cash flows from real estate, royalty cashflows from a work of art) which are increasingly being discussed as potential candidates for security tokens due to the increased process efficiency and the ability to access global liquidity pools.

 

特定の経済機能を分離すると、プロセス効率の向上とグローバルな流動性向上により、セキュリティトークンの潜在的な候補として議論がされている新しい「オルタナティブ資産」(たとえば、不動産からのトークン化されたキャッシュフロー、芸術作品からのロイヤルティキャッシュフロー)につながる可能性があります。

 

Despite these differences, the two terms are often used interchangeably, and both are used in this paper. Nonetheless, the regulatory and operational differences between tokenised securities and security tokens should be kept in mind throughout. We can also contemplate a future scenario where security tokens (blockchain-native securities) are the norm. The differentiation between the two types might blur and fade over time.

 

これらの違いにもかかわらず、この2つの用語はしばしば同じ意味で使用され、両方ともホワイトペーパーで使用されてますが、トークン化された証券とセキュリティトークンの規制上および運用上の違いは、全体を通して留意する必要があります。私たちは、セキュリティトークンがスタンダードとなる将来のシナリオを検討することができます。 2つのタイプの違いは、時間の経過とともにぼやけたり消えたりする場合があります。

 

気になる方はこちらを参照してみてください。

 

Tokenised Securities A Roadmap for Market Participants and Regulators November 2019

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