SolidBlock・不動産セキュリティトークンをINXに上場へ【STO・2021】

不動産セキュリティトークン発行プラットフォームの開発企業「SolidBlock」はロンドン、タイ・プーケット島などの不動産を裏付けにしたセキュリティトークンプロジェクトを手がけています。今回、セキュリティトークン取引所の開設に向けて世界初めてデジタルIPOを実施している「INX」への上場計画を「SolidBlock」は発表しており、不動産セキュリティトークンの流動性向上が期待されます。

 

イギリス・ロンドン:市場価値 最大2,600万ドル

タイ・プーケット:市場価値 1,200万ドル

コネチカット州ニューヘブン:市場価値 500万ドル

 

上記の国・地域に存在する不動産(ローリングファンド)を裏付け資産に発行されるセキュリティトークンが「INX」で取引されることで、これまで投資することの難しかった資産への投資機会を提供します。

 

本稿ではSTO市場の現在と今後について解説していきます。

 

STO市場の現在

 

ブロックチェーンベースで発行/管理された証券をCBDCで決済する実証が行われるなど、各国の証券取引所や証券会社が証券取引/決済の効率化に向けたインフラストラクチャーの整備を進めています。デジタル証券取引所での未公開株式の取引への期待が高まる中、「Paxos Trust Company」は2020年2月に米国上場株式取引の決済を「Paxos SettlementService」を通じて行っており、Depository Trust & Clearing Corporation (DTCC) が担ってきた機能をブロックチェーンが代替する取り組みに今後も大きな関心が集まることでしょう。

 

「Paxos SettlementService」を利用するとデジタル化された現金と証券は「アトミックトランザクション」を介してカウンターパーティ間で即座に清算/決済されます。スマートコントラクトによる自動執行とブロックチェーン上での非改ざんな形での取引記録の管理はDTCCのアプローチとは異なり、決済時間を従来の2日から「1日に複数回」に短縮し、市場構造に大きな変化をもたらします。

 

決済が失敗した場合の引当金保有コストの削減をはじめとして、すべての関連企業がアクセスできる共有のブロックチェーン台帳を使用することで複数社間でのデータ管理/共有がより効率的に行われるでしょう。「Paxos SettlementService」は24か月限定で1日の平均取引量1%を上限とし、その有用性を検証している段階にあり、「Paxos Trust Company」は清算機関への登録を通じて、市場での存在感を高めることが期待されます。

 

DTCCもまたAxoniおよびR3が提供するブロックチェーンソリューションをTrade Information Warehouse(TIW)に代替する取り組みを行っており、ブロックチェーンインフラストラクチャーの整備が証券市場では着実に進行しています。

 

今後のSTO市場

 

「Paxos SettlementService」と同様のサービスの開発/運用によって証券の清算/決済の効率化が図られるためには、まず現金のデジタル化が必要になるといえます。CBDCでの決済が可能となるには各国の中央銀行の意向が強く反映され、現実的には中国でデジタル人民元が2022年の北京オリンピック以降に本格導入された後にブロックチェーンベースの証券取引所でデジタルな証券の清算/決済が行われる可能性が高いと考えられます。

 

中国でデジタル証券取引所が2022年から本格運用され、各国でCBDCでの決済が可能となることも含めて、より中長期的なインフラ整備による市場形成が見込まれるでしょう。

 

「Paxos Trust Company」はシリーズCで1億4,200万ドルを調達し、暗号資産取引所「itBit」やステーブルコイン「PaxosStandard (PAX)」、ゴールドに裏付けられたPAX Gold (PAXG) を提供しています。「PayPal」の暗号資産取引サービスとも「Paxos Trust Company」は連携し、暗号資産取引所「itBit」の取引量が急増するなど2021年以降の暗号資産/セキュリティトークン市場の双方の市場を発展させる企業としてその価値を高めることでしょう。

 

ブロックチェーンベースの証券清算/決済インフラストラクチャーの普及によって、市場全体の構造が変化し、自ずと現金や証券はデジタルに置き換わると予想されます。

 

まとめ

 

不動産セキュリティトークンの発行/上場とATSによるセキュリティトークン取引所の運営は市場全体の裾野を広げるのに大きな役割を果たすことでしょう。より多くの企業が市場に参画することで、市場の拡大が期待されます。