日本国内におけるポイントサービスの市場規模は2018年には1兆8390億円となっており、2023年には2兆4332億円推定されています。(株式会社矢野経済研究所)
2019年11月にはファミリーマートが楽天スーパーポイントとdポイントの導入など「マルチポイント化」を進めており、さらなる市場の発展が見込まれています。
SBI証券ではTポイントをそのまま投資信託に投資できるサービスの展開を行っており、「貯めたままで使わない」でいるポイントの有効活用を目指す取り組みが投資市場でも行われています。
そして、暗号資産取引所のビットフライヤーでTポイントでビットコインが購入できるようになるなど、幅広い分野でポイントサービスの応用に向けた取り組みが本格化してきています。
今回はビットフライヤーによる取り組みをはじめとして、「暗号資産×ポイントサービス」の事例を紹介していきます。
「暗号資産×ポイントサービス」の将来性
現在、日本ではローソンのポンタカード、ファミリーマートのTカード、さらには楽天ポイントなど多種多様なポイントが乱立しています。
販売促進を目的として作られたポイント制度でしたが、現在はそれぞれのブランドや企業ごとに障壁があり、この障壁を解消することでさらなる経済圏の創出やブランド価値の向上が図れます。
野村総合研究所の発表によると、2020年には国内11業界の主要企業の発行するポイントマイレージの年間発行額は1兆円を突破すると予想されています。
世界では12兆円規模でポイントマイレージが発行されているためにポイントマイレージの市場規模は巨大と言えます。
今回のビットフライヤーのTポイント事業は、ビットコインなど暗号資産に興味のない層の取り込みを目指したものであり、暗号資産のさらなる普及が期待されています。
しかしながら、ビットコインは価格変動が激しく投資商品としてもギャンブル要素の強さが特徴とされています。
一般人が資産運用のために投資をするには非常にリスクが高く、投資知識のない層に向けてビットコインの提供を行うのはデメリットも多く存在します。
投機目的ではない暗号資産の利用が最近では活発に行われていますが、今回のビットフライヤー取り組みは暗号資産のさらなるエコシステムの構築にとっても大きな意味を持つことが考えられ、
「ビットコインで投資をするためにTポイントを貯めよう」
といった消費意欲の掻き立てにも繋がることが予想されます。
より健全な投資商品としてビットコインが世の中に広まることが必要不可欠と考えられますが、価格変動の激しさについては注意が必要です。
余剰資金とも言えるポイントで投資ができるようになれば、さらなる投資機会の増大も見込める為、今後もポイントサービスのエコシステムは拡大を続けることが予想されます。
ビットコイン報酬アプリ Lolli(ロリー)
アメリカではスーパーで買い物をすると購入した価格の3.5%分(最大)のビットコインが還元される画期的なサービスが登場しています。
Highlight: “Right now, we’re trying to make bitcoin accessible to everybody,” @trylolli CEO @alexadelman says. “And so we’re trying to make Bitcoin part of everyone’s daily life. … We’re bringing this whole new wave of users into bitcoin already.” Full interview: pic.twitter.com/Sza0YG9GbE
— Yahoo Finance (@YahooFinance) July 25, 2019
これはビットコイン報酬アプリ「Lolli(ロリー)」によって行われており、大手スーパーの「Safeway(セイフウェイ)」で実施されています。
ポイントサービスの多くは使われないままポイントが溜まっている場合が多く、その解決策としてビットコインが注目を集めています。
日本でも取引所ビットフライヤーにおいてはTポイントでビットコインを購入できるようになりましたが、スーパーで食料品を買うだけでビットコインが手に入る日もそう遠くはないのかもしれません。
「Lolli(ロリー)」にはWalmartやGAPといった企業も賛同をしており、今後の展開に注目が集まります。
Loyyalについて
2019年1月には、株式会社リクルートが「Loyyal(ロイアル)」に出資を行いました。
「Loyyal」はブロックチェーン技術を用いて様々なポイントを単一のプラットフォームで管理・運用し、ポイントの相互交換を可能にすることを目指しています。
「Loyyal」が展開する共通プラットフォームによってシステムの連携が簡易的になり、各企業はコストを削減できるといったメリットがあります。
すでに「Loyyal」は航空や金融業界への導入が開始されており、株式会社リクルートはその性能の向上のサポートを行うとしています。
Loyyalへの追加出資について
2019年8月、「Loyyal(ロイアル)」は、アンブロックベンチャーズ(LINE子会社)、リクルート、マネックスグループの3社から出資を受けたことを明かしました。
「Loyyal(ロイアル)」はポイントサービスの相互連携をより効率的に行うプラットフォームの開発を進めていますが、アジア市場への展開を目指して今回の資金調達が行われました。
ポイントサービス市場はシステムの導入に高いコストがかかることが課題とされており、「Loyyal(ロイアル)」によるポイントサービスにおけるシステム連携の効率化に期待が寄せられています。
【関連記事】
マクロミルポイントをビットコインに交換|コインチェックがサービス開始
参考文献
2018年度の国内ポイントサービス市場規模は1兆8,930億円まで拡大
Tポイントでビットコイン購入 仮想通貨取引所ビットフライヤーが今日から=日経新聞
米国で広まる”ビットコイン還元” ポイントサービスの問題を克服?
Loyyal Continues Global Expansion with Asia-based Investors
リクルート、ブロックチェーンを活用したポイントサービスプラットフォームを提供するLoyyalへ出資
ポイント・マイレージの年間発行額は2022年に約1兆1000億円に到達
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