適格投資家の定義を米国SECが修正|金額の基準や今後のメリット

米国プライベートエクイティ市場における規制緩和は、技術革新による資本市場の発展に大きな貢献を果たしてきました。

 

多くの資金がデジタルアセット市場に投じされる中、米国においては適格投資家の定義を拡大することによって、さらなる資本市場の活性化を図る取り組みが行われています。

 

今週開催されたBG2C FIN/SUM BBにおいて、マネックスグループの松本大・代表執行役社長CEOが指摘したように、時代の変化とともにイノベーションの利活用に向けた社会の枠組みの変化が資本市場の発展にとっては非常に重要であると言え、今回は米国証券取引委員会(SEC)の動向とともに適格投資家の定義について考察していきます。

 

fidelity(フィデリティ)ビットコインファンドの提供に向けてForm Dを申請

米国では、大手資産運用会社「fidelity(フィデリティ)」が、機関投資家向けのビットコインファンドの提供に向けて米国SECへForm Dの申請を行なったことが明らかになり、金融市場とデジタルアセット市場の融合による新たな投資機会の創出が図られています。

 

最新技術を活用した新たな投資商品の誕生は市場に新たな需要を生み出しており、世界割安成長株投信などを提供する「fidelity(フィデリティ)」のデジタルアセット市場への本格参入によって、さらなる市場の発展が見込まれます。

 

・Form Dの詳細

 

発行者:Wise Origin Bitcoin Index Fund I、LP(署名:Peter Jubber)
最小投資額:100,000米ドル
販売保証:Fidelity Brokerage Services LLC(ブローカーディーラー)、Fidelity Distributors Company LLC

 

適格投資家の定義の拡大

 

米国SECは適格投資家の定義を改正しており、これまでの収入、純資産といった資産条件を満たしていない場合でも「投資家としての専門知識、経験、資格」を有する金融リテラシーの高い投資家は適格投資家とすることを定めました。

 

近年の資本市場においては、最低投資額の少ない投資商品の開発が進み、オンライン販売や小口化によって、個人投資家の参加が増加しており、セキュリティトークンなどこれまで証券化されてこなかったアセットのデジタル化も行われています。

 

デジタルアセットへの投資機会の拡大とともに、投資家保護を実現することが重要であると言え、適格投資家の定義の見直しは投資家の資本形成を促進すると同時にどのような影響を資本市場に及ぼすのでしょうか?

 

今回、米国証券法のRule 501(a), Rule 215, Rule 144Aが改正されたことで、SECと各州において登録された500万ドル以上の資産を有する

 

・投資顧問
・地方事業投資会社(RBIC)

 

をはじめとして投資会社法で定義された

 

Indian tribes(先住民族)
政府機関
基金
海外の投資会社

※ 投資会社法規則2a51-1(b)で定義。

ファミリーオフィス
ファミリークライアント

 

も500万ドル以上の資産を有する場合には適格投資家として定義されるとしています。

 

また、Rule 144Aの改正によって、有限責任会社やRBICが、1億ドル以上の有価証券を所有および投資している場合にも「適格機関投資家」として定義されるとしています。

 

規制緩和によるデジタルアセット市場の拡大と投資機会の創出

 

今週月曜日には、デジタル証券(セキュリティトークン)取引所の開設を目指すINXが、デジタルIPOを実施しており、証券の定義もデジタル化に対応して大きく変化していることがわかります。

 

ATSではない完全に準拠したデジタル証券(セキュリティトークン)の開設は、今年の4月に従来の証券市場の秩序を乱すとして(どこの取引所もブロックチェーンに対応していないため)ナスダックから反対意見が出るといった事例がありましたが、デジタルアセットプラットフォームを提供する「Marketplace Services Platform」のSaaSサービスの開始をナスダックは実施しているなど、アセットのデジタル化を巡っては様々な取り組みが行われています。

 

 

「投資家としての専門知識、経験、資格」を有する金融リテラシーの高い投資家が、適格投資家として定義されたことで、より多くの投資商品へのアクセスが可能となり、投資家保護のあり方も大きく変化することが予想されます。

 

日本でも少額投資の普及やデジタルアセット市場への参加者が増加傾向にあり、イノベーションを促進させる資本市場の新たな枠組みについて今後も調査を継続していきます。

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