ステーブルコインのリスク管理と規制対応に向けて|フランス中央銀行の取り組み

デジタル通貨

2020年1月15日、フランスパリでステーブルコインカンファレンス “Which ambitions for Europe?が開催されました。

 

カンファレンスではフランス中央銀行のデニス・ボー副総裁がJPモルガンやUBS、Facebookがステーブルコインの開発に取り組んでいることに触れ、「ステーブルコインは決済システムの強化に貢献できる可能性がある」と話しました。

 

貨幣のデジタル化については中国がデジタル人民元普及に向けて暗号法を施行するなど、各国で取り組みが行われており、今後は国家の通貨政策および既存の金融システムにも大きな影響を及ぼすとも考えられます。

 

日本でも金融庁が分散金融のガバナンス確立に向けて国際的な共同研究ファーラムを開催するなど、新たな規制枠組みの構築に向けた取り組みを行っています。

 

・世界の金融政策はステーブルコインの登場によって今後どうあるべき?
・ステーブルコインを活用したP2P決済システムの普及によって各国の通貨主権が脅かされる危険性は?
・分散型金融の発展によって既存の金融機関の役割はどうなるの?

最近では上記のような議論が活発に行われていますが、ブロックチェーン技術を応用し、貨幣や証券、各種金融サービスのデジタル化が進む中で、各国の金融市場における利害関係を整理し、国際的な共同研究を行うことが重要であると言えるでしょう。

 

2019年にFacebook・Libraが発表された時には「既存の金融システムの秩序を乱す」として各国の規制当局がLibra発行に対して厳しい反対意見を表明しました。

 

Facebook社が営利企業であることや個人情報管理問題、Libraの商品設計にも大きな批判が集まりましたが、ステーブルコインに対応した国際的な法規制の見直しが急務であると考えられます。

 

ステーブルコインは昨年のG7レポートで指摘されているように、マネーロンダリングおよびテロ資金の提供など大きなコンプライアンスリスクを抱えています。

 

そのため将来的な国際金融システムの安定に向けてはステーブルコインに対応した規制枠組みの構築に向けた国際的な協力体制が不可欠です。

 

デニス・ボー副総裁は下記の3点を規制当局は重視するべきとの見解を示しています。

 

1 ステーブルコインのポジティブな影響(支払いの効率化)を守るためイノベーションの急速な発展に対応した実用的な規制構築

2 一貫性のある国際的な規制監督体制の整備

3 実証実験を通じて現状の決済システムの脆弱性を再検討すること

 

フランス中央銀行では、デジタル通貨発行計画やブロックチェーンを応用した金融システムの導入に向けた取り組みを行うなど、金融のデジタル化に向けて積極的な姿勢を見せています。

 

法整備に向けて国際的な共同研究およびカンファレンスが行われる中、ブロックチェーンを応用した金融機能の社会実装に向けた取り組みに今後も大きな注目が集まることとなるでしょう。

 

こちらの記事でデニス・ボー副総裁のスピーチ内容を確認することができます。「Denis Beau: Stablecoins – a good or a bad solution to improve our payment systems?

コメント

タイトルとURLをコピーしました