Roblox(ロブロックス)の企業分析|2021年のIPOに向けてビジネスの将来性を解説

10代を中心に支持を集めている「Roblox(ロブロックス)」は個人が独自にゲームを開発できるプラットフォームを提供し、ゲーム業界に多様性をもたらしています。巣ごもり消費の拡大を背景に事業規模は拡大を続けており、2020年1-9月には5億8,900万ドルの収益を獲得(前年同比68%増)

 

https://youtu.be/jLAj5fbPxgg

 

しかし、課金制のビジネスモデルはサブスクリプションと比較すると顧客あたりの継続率が低く、「Roblox(ロブロックス)」は高い収益性が評価される一方で、低年齢層を対象にした課金ビジネスの将来性にはある一定の限界があるとも考えられます。また、収益は5億8,870万ドルに達する一方で、コンテンツ開発者への支払いやIPOに向けた管理費の増大によって、2億320万ドルの赤字となっています。

 

本稿では12月にIPOを延期し、提示価格を上方修正している「Roblox(ロブロックス)」について解説していきます。

 

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「Roblox(ロブロックス)」の資金調達状況

・企業価値

40億8,000万ドル

・総調達資金額

3億3,591万ドル

2020年2月26日 シリーズG 1億5,000万ドル

2018年7月16日 シリーズF 1億5,000万ドル

2017年1月24日 シリーズE 2,500万ドル

2011年5月11日 シリーズD 417万ドル

2009年8月14日 シリーズD 218万ドル

2008年1月29日 シリーズC 293万ドル

2006年8月2日 シリーズB 107万ドル

2005年1月7日 シリーズA 56万ドル

・主要投資家

アンドリーセンホロウィッツ

インデックスベンチャーズ

First Round Capital

グレイロック

タイガーグローバルマネジメント

・設立日

2004年

・主要メンバー

デビッド・バシュッキCEO

クレイグ・ドナートCBO

マイケルガスリーCFO

・M&A

Loom.ai

Imbellus

PacketZoom

 

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「Roblox(ロブロックス)」のビジネスモデル

日本でもこれまで市場にない新規性の高いゲームを子供達が「Roblox(ロブロックス)」を通じて利用しており、2010年代のグリーやモバゲーのように低年齢を対象に事業を展開しています。1日3,110万人のユーザーが利用し、半数以上が13歳未満であることから不適切なコンテンツが問題になることもあり、「Roblox(ロブロックス)」は継続的にレビューチームの体制を強化し続けています。

 

2020年1-9月には6,800万以上のゲームを審査し、900万を超える顧客からの問い合わせに「人間が10分以内に応答した」としています。

 

「私たちは最終的にすべての年齢層にサービスを提供するブランドになることを目指しています」

「2020年9月30日までの9か月間で、17〜24歳のユーザー年齢グループは13歳未満のコア年齢グループよりも急速に成長しました。」

 

SECへの目論見書では上記のように「Roblox(ロブロックス)」は表明しており、健全な市場形成と新たな顧客層の獲得に今後も取り組んでいくことでしょう。現在、「Roblox(ロブロックス)」のユーザー数は過去12か月で82%急増し、平均的なユーザーは1日2時間半以上サービスを利用しています。

 

ゲーム内通貨「Robux」を通じてユーザーはアイテムに課金するシステムを採用しており、開発者もプラットフォーム内で「Robux」を使用するビジネスモデルを構築し、「Robux」の注文予約は12.4億ドル(前年同比171%増)となっていることから今後も収益の増加が見込まれます。

 

※ 注文予約:「Robux」の販売を繰延収益として計上し、その収益を有料ユーザーの推定平均利用期間にわたって認識するもの

 

DAU(1日の平均ユーザー数)あたりの注文予約は、2020年の最初の9か月で前年同期の26.75ドルから39.93ドルに上昇していますが、「Roblox(ロブロックス)」は「現在の状況(巣ごもり消費の拡大)が持続するとは予想しておらず、将来的には収益の成長率が低下すると予想している」としています。

 

2億320万ドルの赤字を計上していることからIPOによる大型の資金調達が今後の企業成長には必要不可欠であるとも言えますが、「Roblox(ロブロックス)」は「Robux」の売上をユーザーが実際に使用/現金に変換するまでは収益として認識しない計上方法を採用しています。このことで注文予約は将来的な収益とみなされており、すでに12.4億ドル分を獲得していることを念頭に入れて、平均継続期間の長期化への取り組みを探ることが今後は求められることでしょう。

 

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まとめ

「Roblox(ロブロックス)」は実際にゲームを開発することなく、プラットフォーム提供によってビジネスを拡大してきました。Adopt Me!、Piggyなどのゲームが人気を集めており、新たなプログラム「Premium Payouts」は開発者の収益の増加を促進しています。

 

大規模な開発チームをサポートするツールやタレントマーケットプレイスの立ち上げ、自動機械翻訳など事業の多角化にも「Roblox(ロブロックス)」は取り組んでおり、2021年のIPOに大きな期待が寄せられます。

 

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