ブロックチェーンと不動産|日本の不動産に海外の富裕層が投資する時代

ブロックチェーン

地方では空き家がここ近年増加傾向にあり、郊外の商業施設に人々が集まるドーナッツ化現象によって駅周辺が衰退している地方都市も数多く存在します。

 

都心部では空き物件をコワーキングスペースとして活用する動きが活発になってきており、不動産事業の見直しが必要となっています。

 

このような状況の中、「ブロックチェーン×不動産」といった新しいビジネスモデルが注目を集めています。

 

ブロックチェーンの技術を不動産などの資産に裏付けすることで、新たな金融商品として 世界中からの投資を募ろうとしています。

 

ブロックチェーンといえば「投機」といったイメージが強く、セキュリティリスクといった課題も存在しますが、将来的な実用化に向けて取り組みが行われています。

 

ブロックチェーンは新たなフェーズへ

 

 

アメリカ・コロラド州の高級ホテル「St. Regis Aspen」は資産管理企業である「Elevated Returns」によって20億円の資金調達に成功しました。

 

これはSTO(Security Token Offering)と呼ばれ、資産に裏付けられたトークンによる資金調達方法として注目を集めています。

 

これによって、ブロックチェーン上での所有者の移転登記、移転手続きが可能であり、「コロラド州にある高級ホテルの不動産を群馬県高崎市に住む人に100円で販売する」といったことが可能になります。

 

まだ実現に至っていませんが、ブロックチェーンの活用によって、不動産投資における誇大広告や詐欺を防ぐといったメリットも存在します。

 

以前は、コロラド州にある高級ホテルの不動産に投資するには、時間的コストが負担となり、一部の人々のみ可能でした。

 

しかし、ブロックチェーン技術によって全世界の人々がアクセスできる金融商品となれ ば、より多くの人々が世界中の不動産に投資できるようになります。

 

ドーナッツ化現象に悩む地方自治体(群馬県高崎市や富山県高岡市など)の駅前不動産をセキュリティトークン化し、世界中から投資を募ることで地方創生に繋がるといったこともブロックチェーンで実現できる可能性があります。

 

海外の投資家は利回りではなく、円ロングのポジションを優先するため日本の地方自治体恩恵を受ける可能性もあります。

 

不動産をSTOするのは実は簡単?

 

 

既にアメリカでは不動産のトークン化にむけた取り組みが活性化しています。

 

ブロックチェーン技術は不動産投資に透明性や流動性の向上をもたらしますが、将来的な投資には株や債券もトークン化して世界中からのアクセスを集められるようになるでしょう。

 

その第一歩として不動産のSTOがはじまりました。具体的な手順は以下の通りです。

 

①不動産の所有権をトークンに載せる

②不動産価格の妥当性を証明できるもの(不動産鑑定書)を書き込み

③最小・最大投資価格や配当の利回りをスマートコントラクトに書き込む

 

各国の規制やハッキングのリスクを回避するシステム設計は必須となりますが、基本としてこの3ステップで対象となる不動産をブロックチェーンで販売することができます。

 

所有権の移転もブロックチェーン上で行うことができるため、クラウドファンディングのように多くの人々から資金調達が可能となります。

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STOによる時価総額の増加

 

 

STOによって現物資産としての価値とSTOとしての価値が付与されるようになると、STOを行うだけで時価総額が上がる可能性があります。

 

一例として、高崎市の不動産に800万円の価値のあるとします。この資産でSTOを組成することによって800万円相当の価値が新たに生まれ、合計で1600万円の総付加価値となるのです。

 

STOを金融商品と考えると現在のデリバティブ市場と同じように実物資産以上の時価総額が生まれるのは当たり前のことなので、STO市場が時価総額を持つようになるのも不思議ではありません。

日本でのSTOの未来

 

ハッキングなどセキュリティのリスクが高いことから暗号通貨のイメージは日本ではあまりよくありません。

 

投機目的でのプロジェクトによって、多くの人々が資産を失ってしまったことも大きな要因となっていると言えるでしょう。

 

STOが発展を遂げるためには多くのユースケースが生まれることが前提としてありますが、

 

①円への絶対的な信頼感

②伝統的な金融システムの存在

③法規制の不透明さ

 

といった理由から日本においてはSTOの必要性がこれといってないため社会的な認知度が未だ低い状態です。

 

一方で、STOに対する関心自体は日に日に高まっており、その議論は活発に行われています。

STOの発展には安心安全な取引所が必要不可欠

 

 

現在の金融市場においても「取引所」における「非匿名制」は非常に重要であり、STO市場が誰でも安心安全に使えるようになるにはこの「非匿名制」が大きなカギとなることでしょう。

 

どれだけ不動産の流動性が高まるといっても取引所が不安定だと暗号通貨のような状態になる恐れがあります。

 

そのため日本では暗号通貨をわざわざ使う必要がないといったロジックに発展し、国際的に遅れをとっています。

 

将来的にはSTO市場ができあがり、取引所が開設されることは間違いないのですが、それがどこになるかはまだわかりません。

 

これはアメリカのSTO取引所でも同様で、tZEROと呼ばれるSTO取引所に登録した多くの投資家ですら売買に参加できないといった事例も存在するのです。

tZEROについて知る

ヨーロッパのSTOへの取り組みについて

 

 

一方で、ヨーロッパのスイスやマルタといった金融立国は積極的にSTOの導入に取り組んでいます。

 

スイスでは証券取引所であるSIXがSTOを開発中。新たなプラットフォームの開発も進んでおり、2019年中にはSTO市場がオープン予定です。暗号村であるツークがあるため、その取り組みはヨーロッパの中でも群を抜いています。

 

マルタではマルタ証券取引所(MSX) がSTO専用の取引所を開設中。仮想通貨取引所Binance、OKex、Neufundが既にあることからも、ブロックチェーンに対して非常に熱心な国であることがわかります。

 

2018年には「MDIA(マルタ・デジタル・イノベーション機関法)」「ITASA(イノベーショ ン技術規定及びサービス法)」 「VFAA(仮想金融資産法)」 の3法案が成立しました。

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参考文献

不動産トークン化の未来:高級ホテルが「STO」で20億円の資金調達成功

 

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