MMT(現代貨幣理論)のメリット・デメリット|避難通貨としての暗号資産

ブロックチェーン

 

日本においてMMT(現代貨幣理論)は大きな話題を集めており、その背景にはマクロ経済政策の行き詰まりがあると考えられます。

 

世界的にみてもこれまでの政治に対する不信感からポピュラリズムの台頭が顕著となっており、世界的な景気後退が将来的に訪れた際にはMMTはより説得力のある景気刺激策として用いられることでしょう。

 

財政赤字を誤魔化すためではなく、「国民の生活を豊かにする」公共投資や社会保障のためのMMTの確立のため、政治的決定プロセスの整備などが求められています。

 

今回はMMTのメリット・デメリットや将来的にインフレや財政破綻が起こった際に避難通貨としての暗号資産が活用される可能性について解説していきます。

 

MMT(現代貨幣理論)のメリット・デメリット


 

MMT(現代貨幣理論)は「政府はお金を無制限に刷ることができるので、財政赤字であってもOK」「必要な財源はお金を刷って確保しよう」といった考えです。

 

確かに経済的にはお金を刷れるだけ刷って、年金や社会保障を手厚くしてくれるのであれば、それに越したことはありません。

 

日本では日銀の黒田総裁がMMTに対しては否定的な見解を述べていますが、国民の生活を豊かにするための景気刺激策として議論を呼んでいます。

 

世界的にみても景気の低迷や政治的混乱からイタリアやフランスでは公的支出の増大が行われており、通貨の発行によってインフラ整備や経済支援を行えるMMTについては前向きな見方も出てきています。

 

しかし、ジンバブエドルのようにお金を刷りすぎるあまりにハイパーインフレになってしまう危険性やそもそも政治的決定はどのように行われるべきなのかといったプロセスが現在のところ曖昧です。

 

政治的な観点から行えなかった軍事費の増加といったこともMMTによってはできてしまう可能性があります。

 

また、短期的なMMTであればインフレになる可能性は低いですが、継続的な財政支援策としてMMTを講じる場合にはインフレの危険性も高くなると言えるでしょう。

 

このように無条件にお金を発行できることを前提として財政赤字を容認するMMTは、現段階では政治的決定のプロセスを含めて論理的根拠が薄いため、非常に危険なものであると言えます。

 

日本でも社会運動が活発になってきていますが、景気後退を追い風にして議論が加速することも考えられます。

 

MMT(現代貨幣理論)日本での実現は?


 

斬新な景気刺激策として注目を集めるMMTですが、その実現に向けては幅広い層からの支持を集めることが必要となります。

 

MMTによる景気刺激策が当たり前になると労働の生産性低下を招くことにつながるとの懸念もあり、単なる景気刺激策ではなく、長期的な視座に基づいた計画が必要となります。

 

また、社会課題の解決を目指すための景気刺激策としてMMTが用いられるだけでなく、福祉国家実現に向けて国家による完全雇用制度をMMTでは謳っています。

 

これは、今までの民間投資刺激型の政策が雇用拡大策として機能しなかったことが大きな要因とされており、政府による完全雇用保障が経済活性化に繋がるとしています。

 

しかしながら、国家による完全雇用を行っていた社会主義国であるソ連は30年前に崩壊しており、競争なき雇用保障は経済的な行き詰まりを招くとしてMMTには批判的な声も少なくありません。

 

MMTの過程で起きる社会主義化に対して懸念する見方もありますが、現段階ではどのような政策が有効であるのか政治的論争を行っている段階であり、よりよい社会の実現に向けてさらなる議論の活性化が期待されています。

 

避難通貨としての暗号資産


 

暗号資産は短期的な収益を得る投機目的での利用が盛んに行われており、価格変動(ボラティリティ)の激しさから通貨としては認められないとの見方が強くあります。

 

しかし、最近では法定通貨とペッグされたステーブルコインに注目が集まっており、価格の安定性や国際送金の際にも用いることのできる利便性の高さから新たな決済手段として利用が検討されています。

 

法定通貨がインフレによって価値が暴落した際にはこのステーブルコインに交換しておくことで、資産の非難先として利用することも可能とされています。

 

最近では中央銀行によるステーブルコイン発行の動きもあり、既存の金融システムの秩序を守りつつ、金融の効率化を目指す動きが活性化してきています。

 

一方で、Facebook・Libraのように新たな金融インフラとしてステーブルコインを発行しようとする動きは各国の規制当局から「既存の金融システムの秩序を乱す」として批判を浴びています。

 

FATF(金融活動作業部会)による暗号資産規制は既存の金融システムの保護を目的としているとの見方もあり、今後は大手金融機関が発行するステーブルコインが新たな決済サービスとして注目を集めることが予想されています。

 

インフレに陥った国々では避難資産としての暗号資産を活用している事例もあり、将来的には日本でも避難資産としての価値を暗号資産が有することも考えられるでしょう。

 

参考文献


財政赤字を容認する「MMT理論」は一理あるが、やはり危険な理由

現実か幻想か、欧州に飛び火する財政拡大理論「MMT」

私が意義を見いだす理由 MMTは新次元の政策 均衡財政主義の再考を=岡本英男

日銀、日本株の最大株主に 来年末にも

日本はMMTの実験場、財政破綻で誤り証明へ-藤巻議員

やがて訪れる財政破綻の「避難先」としての「仮想通貨」

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