日本では、マイナス金利政策の影響もあり、日本円MMFの利回りが低下し、2016年には証券会社が購入受け付けを停止しています。
現在では外貨建MMF(米ドル建)が購入可能となっており、利回りは 1.579%(みずほ証券HPから参照:2019年9月4日)となっています。
マネーマーケットファンド(MMF)は、不特定多数の投資家から集めた資金を運用会社が信託銀行を経由して国債や社債、コマーシャルペーパーに再投資するスキームを採用しており、投資信託の中でも安全性の高い投資商品として知られています。
今回、投資運用会社フランクリン・テンプルトン・インベストメンツはアメリカ証券取引委員会(SEC)へブロックチェーンを活用したマネーマーケットファンド(MMF)についての目論見書を提出したとして話題を集めており、その取り組みについて、解説していきます。
フランクリン・テンプルトン・インベストメンツについて

1947年にニューヨークに設立されたフランクリン販売株式会社を前身として、現在では下記のような運用グループが組織されています。
フランクリン株式グループ
テンプルトン
フランクリン・ミューチュアル・シリーズ
フランクリン・テンプルトン債券グループ
フランクリン・リアルアセット・アドバイザーズ
フランクリン・ローカル・アセット・マネジメント
社名はアメリカ独立宣言の起草委員でもあるベンジャミン・フランクリンに由来しており、創業者のルパート・ジョンソン・シニアが名付けました。
フランクリン・テンプルトン・インベストメンツは資産運用会社として世界34カ国に拠点を持ち、グローバルな展開をおこなっています。
機関投資家のみならず、個人投資家に対しても運用サービスを提供しており、170カ国以上の人々の資産形成をサポート。
世界最大の運用会社として知られており、グループの運用総資産は、7,375億米ドル(2018年3月末日)となっています。
ブロックチェーンを活用したMMFについて

フランクリン・テンプルトン・インベストメンツは、ブロックチェーン技術をマネーマーケットファンド(MMF)に活用することで、
・ブロックチェーンで購入記録を管理
・ファンドの透明性向上
・決済時間短縮
このようなメリットが得られるとしています。
投資家は、App StoreおよびGoogle Playから専用のAppをダウンロードして、ファンドのMMFを直接購入または償還することができますが、投資家間でのMMFの売却または譲渡はできないとしています。
ファンドのMMFの所有権はStellerネットワークに記録され、アプリを介してアカウントを作成すると、各投資家に対してブロックチェーンウォレットと対応する公開キーと秘密キーのペアが作成されます。
暗号資産(仮想通貨)への投資は行わないと目論見書には記されており、投資運用会社として圧倒的な経験と実績を誇るフランクリン・テンプルトン・インベストメンツによるブロックチェーン導入への取り組みに大きな注目が集まります。
参考文献
https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1786958/000113743919000429/fttn1a092019.htm
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