物流スタートアップ企業の可能性|世界のユニコーンやM&A

米国でディスカウントストアを運営する大手企業のターゲットはクラウドソージング(マッチング)宅配企業である「デリブ」の買収計画を発表。

 

これまでターゲットは、買い物代行会社「シップト」を2019年6月に買収するなど、ECサイトの当日配送を目指し、宅配サービス事業への投資を行ってきました。

 

2020年2月までは「年末商戦の落ち込み・オンライン販売の売上鈍化」などを理由にターゲットの売上高・通期利益は市場予想を下回ってしましたが、2020年3月にはコロナウィルスの影響もあり、ECサイトなどオンライン販売での売上高は100%増加。

 

・店舗販売の売上高の減少
・物流センターでの人件費増加
・低い利益率の食品・日用品の販売拡大

 

といった経営課題を抱え、事業モデル全体の見直しが迫られているターゲットは下記のような取り組みを進めています。

 

・改装店舗数を300→130に減少させ、改装計画の延期
・都市部における小型店舗の出店計画の縮小(36→15〜20)

 

今回の「デリブ」の買収計画は、クラウドソージング宅配における技術的資産を買収するとされており、通販サイトで注文された商品の宅配をアプリを通じて、フリーランスの個人業者・ドライバーに割り当て(マッチング)、宅配サービスの強化を目的としています。

 

このように米国では大手企業による物流スタートアップ企業のM&Aの事例も確認されており、日本の物流市場でも、人件費の高騰など人材の確保が課題とされている中、買い物代行「PickGo」やクラウドソージング宅配「DIAq(ダイヤク)」といったサービスが展開されています。

 

今回は、世界の物流市場におけるユニコーン企業やM&Aの事例をもとに物流スタートアップ企業の可能性について考察していきます。

 

世界の物流市場におけるユニコーン企業について

 

1 中国 マンバン・グループ

 

ソフトバンクビジョンファンドやアルファベットも出資を行っているマンバン・グループ(中国)は、宅配マッチングサービスを展開。

 

トラック版ウーバーとして中国の大規模な物流市場の効率化に取り組んでおり、ビックデータやAIといった最新技術を駆使したビジネスモデルを構築しています。

 

マンバン・グループは、無人運転サービスを手がける企業の買収にも成功しており、物流市場全体の効率化を図ることで社会基盤そのものの変革に取り組んでいると言え、企業価値はおよそ60億円ドルと算定されています。

 

2 米国 キープ・トラッキン

 

伊藤忠商事やGoogleベンチャーズから出資を受けているキープ・トラッキン(米国)は、商用車へのAI技術を活用した車載器(管理プラットフォーム)販売を手がけており、

 

・位置情報やエンジン稼働といった運行管理、記録
・労務管理:長距離運転の防止
・運送業者と荷主のマッチング

 

といったサービスを月額20ドルで提供しています。

 

物流業界では書類や電話などアナログな取引が一般的であり、デジタル化を促進することでより効率的な労働環境を整備し、業界全体の安全性を高めることをキープ・トラッキンはめざしています。

 

伊藤忠商事はキープ・トラッキンと資本提携することで、顧客への直接的な自動車機器販売を予定しており、各国でも商用車への車載器(管理プラットフォーム)提供によって、物流市場における新たなビジネスモデルの構築が見込まれています。

 

3 インド Delhivery

 

インドではオンライン販売市場が急成長しており、Delhiveryは物流インフラと配送サービスを手がける企業として企業価値評価額はおよそ20億米ドルと算定されています。

 

2011年:12億7,000万米ドル→2019年:460億5,000万米ドル(予測)

 

Delhiveryはインド全域でトラック(4000台)・オートバイ(12000万台)を使用し、宅配ドライバーは5億キロメートルの走行距離を誇ります。

 

日本とは国土面積は異なりますが、インド2000都市の物流網をDelhiveryは担っており、発展が見込まれるインドにおいては重要な社会インフラとして機能することが見込まれます。

 

ビジネスモデルもリースで借りた倉庫での保管、海外ネットワークの拡大など多角化しており、中国企業との連携にも取り組んでいます。

 

まとめ:物流システムの効率化について

 

物流市場では、従来の配達業者を介さないマッチングサービスが展開され、効率的な物流インフラ構築が進んでいます。

 

また、ターゲットの物流スタートアップ企業買収など、大手企業による配送サービス強化が図られており、物流業界全体が急速に変化している近年においては、ブロックチェーン技術を導入する取り組みも行われています。

 

オンライン通販市場が拡大し、在宅勤務の一般化が予想される現状においては、社会基盤である物流システムの効率化が重要であり、安全性の高い配送サービスの提供に向けて各企業の動向に注目が集まります。

 

参考文献

https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00067/091700024/

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