【ブロックチェーン×物流業界】BiTAの活用事例や今後の課題

ブロックチェーン

国際物流業界では書類のやりとりが煩雑で、仲介業者の多さから情報の透明性が低いといった問題が存在します。

 

物流量と比例して関係する企業や組織は多くなり、効率性の悪さから配送の遅延といった事態が引き起こされることも少なくありません。

 

そのような背景からブロックチェーン技術の活用を目指す取り組みが世界各国の企業や税関、港湾当局によって日々進んでいます。

 

ブロックチェーンは国際物流をより効率的なものにし、配送料の低価格化を私たちにもたらすことが期待されているのです。

 

アメリカ・テネシー州にある「BiTA(輸送業向けブロックチェーン同盟)」は国際物流におけるブロックチェーン運用の枠組み作りに取り組んでいる非営利団体です。

 

日本からも株式会社ZenportがBiTAに参加しており、世界標準のブロックチェーン開発に世界中が注目しています。

 

株式会社Zenportの取り組みについて

 

 

国際物流は輸入代金の支払いにもL/Cという支払いを保証する保証状が必要になります。

 

L/C(Letter of Credit)とは貿易決済を円滑化するための手段として、銀行が発行する支払い確約書のことです。

 

これは輸入者の取引銀行が手形信用として発行するもので、国をまたぐ輸出入にはL/Gという取引責任の制約文書も必要になります。

 

L/G(Letter of Guarantee)とは貿易取引による損害保証を明記した念書のことです。

 

これらは取引情報の信用を担保するために行われます。

 

しかし、書類によって行われるためその与信調査にかかる事務作業や決済手続きに時間がかかってしまいます。

 

この手続きを効率化するだけで、国際物流業界ではさらなる貿易機会を生み出すことができるのです。

 

株式会社Zenportはこの国際物流の非効率性に着目して立ち上げられた会社で、貿易業務の全自動化クラウドソフト「Zenport」を開発しています。

 

すでに多くの貿易会社が導入しており、企業間の協働が可能になるように機能強化を図っています。

 

将来的にブロックチェーンが実用化された場合には取引履歴がブロックチェーン上で管理されるためにデータ改ざんのリスクを無くすことができます。

 

そのことで、与信調査も銀行を通さずに行われるようになります。

 

スマートコントラクトによる決済システムは仲介業者が入り込む余地をなくすために情報の透明性を国際物流にもたらします。

 

また、これまではメールとフォルダ共有によって各書類を管理・共有してきました。

 

しかし、株式会社Zenportは輸入者、貨物運送業者、倉庫が船積情報や書類を共有できるプラットフォームによって、3社間のやり取りを軽減することに成功したのです。

 

このプラットフォームを実装したクラウドソフト「Zenport」によって輸入者と貨物運送業者のメールのやりとりを90%以上減らすといった効果が期待できます。

 

FedEx(フェディックス)の取り組みについて

 

アメリカでは5兆5000億ドルにおよぶコピー品や海賊品といった不正取引が1年間に行われており対応に追われています。

 

また、配送業社も多岐にわたっており、不正撲滅にむけても企業間の連携が必須であると言えます。

 

そのためFedExは不正取引防止にむけて国際配送においてのブロックチェーンの規格義務付けを政府が主導して行うことを強く主張しています。

 

国際配送の分野では情報共有の他にも原産地証明書や取り扱い免許が必要となり、アナログな法的書類が今でも必須となっているのが現状です。

 

このような情報を各企業がリアルタイムで共有するための手段としてブロックチェーン技術による統一的な連携が注目を集めているのです。

 

すでにFedExは競合他社であるDHLUPSと「BiTA(輸送業向けブロックチェーン同盟)」に加盟をしており、グローバルな枠組みに向けて取り組みが進められています。

 

国際的なブロックチェーン規格を設けることによって、BiTAに加盟する企業が物流を担当する国々にも浸透していくことが期待されています。

 

最終的にはトレーサビリティの正確な情報共有や追跡管理によって不正取引を減らし、正確な課税を行うことを目指しているのです。

 

全世界のサービス/物流分野ではブロックチェーンに対して101億円の支出が予想されています。(IT専門調査企業IDC調べ)

 

このため国際規格が普及するのも時間の問題といえるでしょう。

 

UPSの取り組みについて

 

UPSは荷物をスキャンするだけで自動で配送ルートを選択する自立型システムの特許を出願しています。

 

国際物流の分野においては複数の配送業社を利用しなければならないためにその管理が難しいとされています。

 

しかし、UPSはブロックチェーン技術を活用した独自システムの開発に成功しました。

 

配送状況がリアルタイムでブロックチェーンに記録されるだけでなく、配達後にはスマートコントラクトによって配送業社に支払いが行われます。

 

この仕組みが提供されるのはまだ明らかにされていませんが、国際的な取り組みの中で日本企業がどのように対応するのか注目が集まります。

 

BiTA加盟企業

 

・パナルピナ(スイス・1935年設立)
・ユナイテッド・パーセル・サービス(アメリカ・1907年設立)
・ターゲット・コーポレーション(アメリカ・1907年設立)
・ザ・ホーム・デポ(アメリカ・1978年設立)
・JD Logistics(中国・2017年設立)
・JMcLeod Software(アメリカ・1978年設立)
・Schneider National(アメリカ・1976年設立)
・Shaw industries(アメリカ・1946年設立)
・P&S Transportation(アメリカ・2004年設立)
・セールスフォース・ドットコム(アメリカ・1999年設立)
・Project44(アメリカ・2014年設立)
・10-4 Systems(アメリカ・2012年設立)
Etc,,,

 

日本国内で実用化の可能性は?

 

ヤマト運輸では1年間で18億円の荷物輸送が行われていますが、最近はドライバーの減少やラストワンマイル問題によって店頭受け取りサービスに力を入れています。

 

ラストワンマイル問題:顧客の不在が続き、何度も配送しなければならなくなるなど拠点から顧客の住居までのラストワンマイルが問題となっていること。

 

労働者減少にともない、地方での宅配など課題が浮き彫りになっているため、宅配ボックスの設置といったインフラ整備が急務となっているのです。

 

ECサイトの普及にともなう出荷量の急増によって料金の値上げに踏み切りましたが、2019年度は営業利益が前年比で5.6%増加しています。

 

さらにここ数年では、顧客満足度向上の取り組みを本格化させており、無人運転を目指す「ロボネコヤマトプロジェクト」、地域コミュニティ支援プロジェクト「ネコサポ」といったサービスを提供しています。

 

さらには「物流の見える化」を進めるためにブロックチェーン技術の導入も進めており、プラットフォームの構造改革を目指しています。

 

国際的な物流システムが大きな変貌を遂げようとしている中で、日本企業はどのような影響を受け、変化を遂げていくのかヤマト運輸の取り組みに注目が集まります。

 

参考文献

航空貨物輸送大手FedEX、ブロックチェーン利用義務付けを訴える

 

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