セキュリティトークンと日本企業|不動産デジタル証券やケイマン法人の活用

1 プライマリーマーケットにおけるユニークな実物資産のトークン化が投資家の関心を惹きつける事

2 優れた企業がSTOを実施

3 証券取引所(証券会社)によるデジタル証券(or アセット)取引所の新設

4 投資家間のP2P取引の実現

これら4つのシナリオは、デジタル証券(セキュリティトークン)市場の発展につながると考えられます。

 

クラウドファンデングの市場拡大は多様な小規模プロジェクトによって始まりましたが、証券市場ではそのような事象はあまり現実的ではないとも言えます。

 

また、日本の中小企業の株式は割安株とされていますが、多くの人はGAFAMの株式を買います。

 

しかし、今から数年前にIPO投資を目的としてバイトダンスやエアビーの株式をシェアポストで買っていたとしても、たった数ヶ月でその価値や評価は暴落してしまいます。

 

それだけ未公開株への投資は難しく、デジタル証券(セキュリティトークン)投資の未来は不動産などより安定的なアセットが担うとも考えられています。

 

※今のところ2020年はGAFAMの株式が一番「安定的」な株式市場ではあります。

※日本人の中にはソフトバンクの未公開株式への投資の失敗を覚えている人も少なくないです。

 

投資の側面から見ると日本でも暗号資産取引所の営業利益や取引高は増加傾向にあります。

 

金や暗号資産に多くの投資が集まる現在において、デジタルアセットへの関心は高まりつつありますが、デジタル証券(セキュリティトークン)はまだその投資対象として認知されるには至っていません。

 

その普及にむけてはブロックチェーン技術を活用した米国ATSや各発行プラットフォームが取り組みを進めていますが、そのメリットを投資家の多くが享受していないことから市場の発展は非常にゆっくりとしたものになっています。

 

その間に有望なプロジェクトであっても資金不足に陥るケースも少なくありません。

 

先週、tZEROは給与の削減を発表し、OpenFinance Networkも4月に上場企業への契約の見直しを求めたことを明らかにしました。

 

デジタル証券(セキュリティトークン)に何らかの可能性を感じていた人には悲しい出来事ですが、クラウドファンディングのような多様性もなく、GAFAMのような世界的な成長企業が存在しない市場は新興国投資のようにリスクが高いと投資家は感じてしまうでしょう。

 

ただ、ここ数ヶ月はOSTKOとTZROPが非常に人気でデジタル証券(セキュリティトークン)市場全体の時価総額は、$391,477,179.86(8月2日14時現在)に到達しています。

(参照:https://stomarket.com/market )

 

世界的な金融緩和による金余りの市場環境において、デジタル証券(セキュリティトークン)市場がどのような位置づけになるのか、大きな可能性を秘めた市場であると考えます。

 

これらがデジタル証券(セキュリティトークン)市場の現状であることは間違いありませんが、魅力的な資産のトークン化のブームがセカンダリーマーケットの重要性を裏付けることになるでしょう。

 

それがいつになるのかは未知数ですが、これまでのブロックチェーン企業の取り組みは証券市場のデジタル化を推し進める上では非常に重要なことであったことは間違いありません。

日本の証券・不動産企業によるデジタル証券発行について

日本では、証券・不動産企業によるブロックチェーンを活用した取り組みが始まっています。

 

「トークン」は日本であまり馴染みのない名称であり、「デジタル証券」の方が投資家の理解を得やすいとの認識も存在します。

 

証券のデジタル化の文脈で新たな金融商品として普及を目指す取り組みが広まることで、より多くの市場関係者の参入を呼び込めるとも考えられます。

 

2018年ごろからSTOは、ICOをより安全に法規制に準拠した形で行うものとして注目を集め、2019年は米国やドイツを中心に多くのプロジェクトが資金調達に成功しました。

 

多くのプロジェクトは、米国SECへの免除規定であるReglationに準拠し、ブロックチェーンを活用した資金調達としてSTOは活用されてきました。

 

起業家や投資家は新規性の高い取り組みに大きな期待を寄せましたが、その市場はまだ小さく、ブロックチェーン技術を活用した証券発行のメリットを多くの投資家が享受するまでには至っていません。

 

ブロックチェーン技術を活用した証券化にまつわる業務の効率化は利回りの向上をもたらすとされており、バーボンウィスキーやフェラーリのトークン化に似た事例は今後も発表されるでしょう。

 

市場の大きな問題のひとつとしてはこのようなユニークな投資商品がセカンダリーで取引されておらず、一般投資家に出回らないことが挙げられますが、それは時間が解決する面も多いと言えます。

 

デジタル証券(セキュリティトークン)の拡大は、証券のデジタル化や実物資産のトークン化が重要なフェーズにあり、投資家にそのメリットを享受してもらうことでその評価を高めることでしょう。

 

そのような中で、日本では証券のデジタル化への取り組みが行われてきます。

 

・ケネディクス×BOOSTY

日本ではケネディクス株式会社、株式会社BOOSTRY、三井住友信託銀行株式会社の3社が協業し、デジタル証券の発行を発表しました。

 

今回のデジタル証券の発行は、不動産関連資産を裏付けとし、ブロックチェーン技術を活用した不動産の小口化の事例として日本で初めての取り組みです。

 

株式会社BOOSTRYが開発・管理を手がけるブロックチェーン基盤「ibet」を利用することで、これまで紙で行われていた優先出資証券の権利移転をデジタル化し、取引の際には投資家が直接、アプリで情報共有・管理ができる仕組みとなっています。

 

今回の不動産関連資産を裏付けとしたデジタル証券は、改正金商法における「電子記録移転有価証券表示権利」には該当しないことから「デジタル証券」と表されています。

 

ケネディクス株式会社は、将来的な不動産セキュリティ・トークン事業の展開を目指して取り組みを進めていくとしており、ブロックチェーン技術を活用した不動産市場のさらなる流動性向上が期待されます。

 

株式会社BOOSTRYは、今年3月に野村グループが実施したデジタルアセット債の事例に続いて日本でのデジタル証券の発行を実施しており、ブロックチェーン技術を活用した様々な資産や権利のデジタル化の先駆的な取り組みを実施しています。

 

三井住友信託銀行株式会社は、今回のデジタル証券の事例をもとにセキュリティ・トークンやDXに関するサービスの提供を目指しており、3社の不動産・証券市場のさらなる発展に向けた取り組みに今後も注目が集まります。

 

・リード・リアルエステートケイマン法人 RegDに準拠してSTOを実施

株式会社リード・リアルエステートは、海外での資金調達に向けて、米国SECの登録免除規定である「ReglationD」に準拠してSTOを実施することを発表。

 

日本企業が、米国の法規制に準拠してSTOを実施した事例はこれが初めての取り組みであり、より多くの海外投資家が東京の不動産にアクセスできる投資機会の提供やより効率的な不動産市場の形成といったメリットをもたらすとされています。

 

ドバイ金融サービス機構から認可を受けたGRIP(DIFC)Ltd.や米国でブローカーディーラー、ATSのラインセスを有するRialto Markets、日本でも高い知名度を誇るSecuritizeが協力し、株式会社リード・リアルエステートのSTOをサポートしており、ケイマン法人を活用したスキームによるSTOの事例は、日本の資本市場において新たな取り組みと言えます。

 

日本企業が、米国・ドバイの企業からのサポートをもとに「ReglationD」に準拠し、グローバルな資金調達を行ったことは日本のSTO市場の形成と今後の発展において極めて重要な事例であると考えられ、日本の不動産市場と海外を結ぶ取り組みに大きな期待が寄せられています。

 

東海東京FH×iSTOX

日本とシンガポールにおいてデジタル証券事業を展開する「東海東京フィナンシャルホールディングス」は、日本国内にあるオフィスビルの賃料収入を担保にしたデジタル証券をシンガポールのデジタル証券取引所である「iSTOX」に上場させることを発表。

 

このプロジェクトは、不動産開発会社である「トーセイ」との協業によって行われ、日本の不動産の賃貸収益がブロックチェーン上でトークン化され、シンガポールのデジタル証券取引所で発行・取引されると考えられます。

 

「iSTOX」における不動産デジタル証券取引に関しては、現在のところ日本の投資家は参加できないとのことですが、東南アジアのデジタル証券市場の歴史においては重要なマイルストーンとなることでしょう。

 

また、海外投資家への投資機会の提供によって、日本の不動産市場の流動性向上にも繋がるとも考えられ、日本とシンガポールを繋ぐ「東海東京フィナンシャルホールディングス」のユースケースを参考により多くの取り組みが各国で行われることが望まれます。

 

東海東京とトーセイ、国内資産裏付けのデジタル証券を上場へ

 

ブロックチェーン上で証券を発行・管理する取り組みが各国の金融機関で行われており、これまで証券化されてこなかった資産のトークン化やデジタル証券(セキュリティトークン)取引所での売買による市場の拡大が期待されています。

 

米国やシンガポールにおいてはデジタル証券(セキュリティトークン)取引所が開設されており、RealTが発行した不動産トークンが各国の投資家によって取引されるなど、株価指数との相関性が低い資産として認知が広まっています。

 

今後は、ブロックチェーン技術を活用することで、企業の株式や社債のみならずあらゆるデジタル資産(ビットコイン、不動産など)が投資家のポートフォリオに加わえられ、多種多様なアセットクラスへ一般投資家もアクセスできる資本市場の形成が見込まれている中、東海東京フィナンシャル・ホールディングスは昨年11月のシンガポール・デジタル証券取引所「iSTOX」への出資(500万ドル)に続いて、ブロックチェーン開発会社ハッシュダッシュHDへの出資を発表しています。

 

ハッシュダッシュHDは、デジタル証券の発行・管理およびスマホでの取引システムに関しても開発を進めるとしており、2020年夏にも日本の不動産のデジタル証券化を予定しています。

 

将来的にはシンガポール・デジタル証券取引所「iSTOX」への上場や不動産のみならず知的財産や社債のデジタル証券化についても計画しており、日本とシンガポールの資本市場をつなぐ架け橋として東南アジア市場においても大きな注目を集めることでしょう。

 

デジタル証券市場においては、

 

2020年3月:VertaloとWave Financialがバーボンウイスキーの資産担保トークン(最大約22億円相当)の発行を発表

 

2020年4月:VertaloとtZEROがTezosブロックチェーンを活用して3億ドル規模の不動産のトークン化計画を発表

 

2020年6月:CurioInvestがスーパーカー「F12 tdf」を担保にしたトークンを発行

 

2020年6月:FCバルセロナがChiliz、Socios.comと提携し、バルセロナファントークン(BAR)を発行

 

といったこれまで証券化されてこなかった資産のデジタル化の事例が相次いで報じられており、デジタル証券取引所においてもRealTが発行する米国不動産トークンによって取引高が増加しています。

 

デジタル通貨への注目が急速に高まる中で、新たな投資対象としてデジタル証券の普及が見込まれており、証券会社による積極的な取り組みが市場の発展につながると考えられます。

 

また、最近では中国浙商銀行がブロックチェーン上で担保付きコマーシャルペーパーを発行し、フランス中央銀行においてもソシエテジェネラルが発行したデジタル証券(カバードボンド)をデジタルユーロで決済する実証実験を行うなど、各国の金融機関が積極的にブロックチェーン技術を採用しています。

 

日本でも野村グループとNRIがブロックチェーン共有基盤「ibet」を活用して「デジタルアセット債」の発行を今年の3月にも行っており、デジタル通貨など最先端技術を活用した金融サービスに対応した資金調達の実現を目指しています。

 

シンガポールにおいてはデジタル証券取引所「iSTOX」「1exchange(1X)」が設立され、デジタル通貨(CBDC)開発に関しても中国と協力することを明らかにしています。

 

資本市場の発展に向けて各企業が最新技術を活用した産業のデジタル化に取り組む中で、国際的な協力関係の構築が今後は重要になると予想され、東海東京FHの取り組みは東南アジアにおけるデジタル証券市場活性化に向けて大きな意味を持つと言えるでしょう。

デジタル証券と日本の将来性

この記事の冒頭に「クラウドファンデングの市場拡大は多様な小規模プロジェクトによって始まりましたが、証券市場ではそのような事象はあまり現実的ではないとも言えます。」と書きました。

 

しかし、ユニークなクラウドファンディングプロジェクトは数分で完売することを考えると、二次取引が重要だとも考えられます。

 

デジタル証券(セキュリティトークン)市場が様々な実物資産のトークンの取引市場となる場合には、クラウドファンディングに近しい特徴を有することも考えられますが、実際に投資するかというとデューデリジェンスが大変になるとも言えます。

 

それこそ2018年のICOの時代に逆戻りになることは市場の健全性を損なうことに繋がるため避けなくてはなりませんが、プライベートエクイティ市場そのものが非常にリスクの高い投資になるので、海外デジタル証券(セキュリティトークン)市場が有望な企業が参入せず停滞する中、日本市場の形成のあり方はある意味正しいとも考えられます。

 

また、「ByteDanceやAirbnbがブロックチェーンで証券(株)を発行しないのはなぜですか?」という質問に対しては、証券取引所がブロックチェーンに対応していないためだと答えるでしょう。

 

システムそのものがデジタル化すれば自ずと証券もデジタル化されると考えられますが、実際にデジタル化された証券をCBDCで決済する事例はフランス銀行が実施しています。

 

マザーズ、ジャスダックの下に新たなデジタルアセット市場が形成されるとは今のところ考えにくいですが、マネックスグループが暗号資産取引所によって大きく口座開設数を伸ばしている事を踏まえるとデジタルアセット全体の市場規模の拡大は進むことが予想されます。

 

日本では、証券会社や不動産会社が本格的にデジタル証券(セキュリティトークン)を発行しており、投資家との信頼関係を築いてきた企業の参入は、新しい金融商品の健全性と成長を支える事でしょう。

 

各国においては資本市場全体でデジタル化への取り組みが行われており、各産業分野における企業活動を下記ではまとめています。

 

資本市場のデジタル化

米国では、「BlockFi」「Coinbase」といった暗号資産関連企業のIPOを示唆する報道が大きな注目を集めましたが、「Chainalysis」「New York Digital Investment Group」などマネーロンダリング防止、デジタルアセット運用といった分野にも多くの資金が集まっています。

 

アジアにおいても、「東海東京フィナンシャルホールディングス」による日本の不動産担保デジタル証券を海外のデジタル証券取引所に上場する取り組みやタイにおいてはデジタル証券取引所「ERX」の運営がタイSECから許可されたとの報道もありました。

 

デジタル証券取引所「ERX」は、Tezosをベースに開発が進められており、米国で2018年に発行された不動産デジタル証券「Aspen Coin」がブロックチェーンをイーサリアムからTezosに移行することも明らかになっています。

 

Tezosブロックチェーンを利用して、電気自動車の充電の効率化を図る「Werenode」といった取り組みも報じられており、デジタルアセット領域のみならず様々な産業分野での活用も見込まれています。

 

また、中国においては配車会社「Didi」がスマートモビリティ事業でデジタル人民元(DCEP)を活用するため、中国人民銀行のデジタル通貨研究所と協力協定を結んでいます。

 

TikTokを運営するByteDanceや食品配達会社Meituan Dianpingもデジタル人民元(DCEP)の活用にむけた取り組みを進めているともされており、中国では深セン、蘇州、西安、成都といった各都市での実証実験によって、多くの企業をデジタル人民元(DCEP)プロジェクトへ参画させ、2022年冬季オリンピックにおいて、その実用性を世界に披露することになるかもしれません。

 

日本においても生命保険の自動積立などへのブロックチェーン技術の活用を目指し、保険会社「大同生命」がブロックチェーン開発企業「ディーカレット」とデジタル通貨に関する実証実験を発表。

 

会津大学では、デジタル通貨「白虎」を利用して学生食堂や売店での決済がすでに行われており、先駆的な取り組みを日本のブロックチェーン企業「ソラミツ」とともに実施しています。

各企業のデジタルアセットへの取り組み

暗号資産レンディング企業「BlockFi」、暗号資産取引所「Coinbase」のIPOを示唆する報道がありました。

 

証券市場において新たな価値を提供しているデジタルアセットの公共的価値の向上が図られ、市場全体への関心が高まることが予想され、既に両社ともに各シリーズにおける資金調達を成功させています。

 

Coinbaseは、公式発表を行ってはいませんが、直接上場(Direct Public Offering)を2020年中に検討しているとの報道もあり、米国証券市場において初めての暗号資産取引所のIPOの実現にむけて大きな注目が集まります。

 

また、暗号資産分析事業を手がける「Chainalysis」がシリーズBラウンドにおいて総額4,900万ドルの資金調達に成功したことを明らかにしています。

 

「Chainalysis」は、暗号資産領域におけるマネーロンダリング・不正防止にむけたソリューションを各国の企業に提供しており、最近では米国政府機関との契約を締結するなど、米国においてはより安全な市場形成に向けて官民が連携にして取り組みを進めています。

 

デジタル資産管理、運用サービスを提供する投資会社「New York Digital Investment Group(NYDIG)」はビットコインファンドの運用に向けて1.9億ドルに及ぶ調達し成功。

 

最近ではビットコインをポートフォリオに加える機関投資家も増えてきており、NYDIGが販売を手掛けるビットコインファンドの人気は、これまでの株式や債券などの伝統的な投資商品の代替として、デジタルアセットへの高い関心を示しているとも考えられます。

 

NYDIGは、ニューヨーク州において暗号資産取引交換業を運営するライセンスである「BitLicense」を取得しており、「BitLicense」の考案者であるBen Lawskyとも協力しています。

 

また、先月に引き続き、資産運用会社「Vanguard」がブロックチェーン技術を活用したOTCのFX取引を自動化に取り組むなど資産運用のデジタル化が進む中、ロンドンを拠点とする「Copper」は機関投資家が「securitized tokens for a range of crypto-based products」を作成するサービス”Catalyst” を発表。

 

すでに複数のファンドは”Catalyst” を使用し、「securitized tokens based around arbitrage, yield and volatility trading strategies,」を作成しているとCopper社CEO、ドミトリー・トカレフ氏は述べています。

 

機関投資家の参入にむけては、取引代行サービスなどを提供する「プライムブローカー」の重要性が示唆されており、デジタルアセットに関するサービスの多角化やP2P取引の普及による市場の拡大が今後は見込まれています。

 

株式や債券、不動産、証券化されてこなかった資産のみならず様々な形で「Securitized tokens」は、発展を遂げることが”Catalyst” の事例からは確認できます。

 

日本でも今年の3月にデジタルアセット債の発行が行われ、投資家のポートフォリオの中にデジタルアセットが加わる日もそう遠くはないと考えられます。

 

三井物産デジタル・アセットマネジメント代表の上野貴司氏は、安定した運用が見込める不動産やインフラ関連の投資商品の個人投資家への提供やデジタル化による利回りの改善について述べており、日本においてもデジタルアセットに関する取り組みが大きな注目を集めています。

 

投資家からの信頼や市場価値の向上にむけては5年の期間を見込んでいるとのことで、金融の新たな市場形成にむけて、デジタル化による取引・管理コストの削減や市場流動性の向上に期待が寄せられます。

 

また、インドでは暗号資産への需要の高まりを受け、「タタ・コンサルタンシーサービス」が、「Quartzスマートソリューション」を発表。

 

インド国内の金融機関が暗号資産やデジタルアセットを顧客に提供する際に、より安全な取引・管理を行うことを目的に「Quartzスマートソリューション」は開発され、デジタルアセットエコシステムの拡大とともに金融領域においてもその活用が行われている一例と言えます。

 

各産業におけるデジタルエコシステムの発展

 

デジタルアセット・デジタル通貨領域のみならず、各産業分野でデジタル化への取り組みが行われている中、今週大きな注目を集めたのはビックデータ解析企業「Palantir」のIPOの報道でした。

 

クライアントに政府関係機関を多く有する「Palantir」ですが、米国大統領選挙を間近に控え、株価が最高値を更新している状況で大型の資金調達を行う主な理由としては「政権交代・株式市場暴落」への備えであるとも考えられます。

 

日本でも、ヤマトホールディングス(HD)との提携が発表されており、物流のデジタル・トランスフォーメーション(DX)に向けて「Palantir」の存在感は日本市場でも高まりを見せています。

 

デジタルエコシステムの拡大が着実に進行していますが、小売・物流業界においてはデジタル・トランスフォーメーション(DX)への対応が企業活動に大きな影響を与えています。

 

小売業においては、米国事業において店舗休業の影響から業績が悪化していた無印良品子会社「MUJI U.S.A」が事業再建を目指し、破産法11条(チャプター11)を申請。

 

 

古くからビジネスマンに親しまれてきた老舗衣料品メーカー「ブルックス・ブラザーズ」も破産法の申請を行っており、消費動向の変化によってオンラインでの売り上げを伸ばした企業とそうでない企業の明暗が大きく分かれています。

 

デジタルトランスフォーメーション(DX)への投資を積極的に行い、オンラインで得られた顧客の行動データを実店舗での品揃えや商品開発に生かし、より満足度の高い顧客体験の実現を図る取り組みが中国を中心に行われており、米国でもウォールマートやターゲットは業績を伸ばしています。

 

ウォールマートは保険代理店事業への参画を発表しているなど、小売のみならずヘルスケア領域においても事業拡大が見込まれています。

 

巨大資本をもとに積極的にデジタル化を推進する企業とオンラインに対応できず売上を減少させている企業の二極化が進行しており、日本でも人口減少や出店数の伸び悩みを背景にコンビニやドラッグストア業界において業態の見直しに取り組む企業も出てきています。

 

そのような中、業績を伸ばしてきた日本企業の特徴としては「顧客ニーズに応じたきめ細やかな経営」が挙げられ、デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展とともに、さらなる顧客体験の向上が図られようとしています。

 

・パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)

 

ドンキホーテを運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)が、現場に商品の仕入れなど裁量を多く与えることで、地域や店舗ごとの特色溢れる「個店主義」によって事業を拡大しており、最近では積極的なM&Aを実施。

 

2019年には「マシュマロ構想」を発表し、SNSのデータを活用した新たなマーケティングソーリューションの開発、AI技術による在庫回転率や価格の最適化に取り組んでいます。

 

・ニトリHD

 

34期連続の増収増益を目指すニトリHDは、新型コロナウィルス感染拡大によって110店舗が休業を余儀なくされたものの、リモートワークの普及により、自宅用に机や椅子を購入する顧客が増加しました。

 

2020年3~5月期連結営業利益は、前年同期比2割増と過去最高益を記録しており、ニトリHDが実現している下記のような事業モデルは、デジタルエコシステムの先駆けとして今後も多くの企業の参考となることでしょう。

 

・商品開発からロジスティック、購入後のサポートまですべて自前で行うビジネスモデル

・オムニチャネルによって取得できるさまざまな顧客データを活用した商品開発と在庫回転率の向上

・効率的な経営の実現に向けた社員教育(ローテーション人事)

 

 

ニトリグループのホームロジスティクスは、ブロックチェーン事業にも取り組んでおり、LaxyerXとの提携を発表。

 

顧客データの活用によって、顧客満足度の高い商品とサービスを世に提供してきたニトリHDがどのようにして、デジタルトランスフォーメーション(DX)を実現し、小売・物流業界を変革していくのか今後の展開に期待が集まります。

 

株式会社10X(テンエックス)

 

また、約13兆円の市場規模を誇る食品流通市場においてもデジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みが行われており、「イトーヨーカドーネットスーパーアプリ」の開発などを手掛けた株式会社10X(テンエックス)がラストワンマイル物流事業に取り組むココネット株式会社と提携を発表。

 

日本においてスーパーマーケットや小売店のデジタル化への移行は遅れており、ネットスーパーを垂直立ち上げを可能にするプロダクト「Stailer」によって、これまでECサイトでの販売を行っていなかった企業でも円滑に事業のデジタル化を図ることができます。

 

今回のココネット株式会社との提携によって、ネットスーパーと配送機能が一体となったプロダクトの提供が可能となり、より多くの企業がネットスーパー事業の展開を効率的に行えると考えられます。

 

国際半導体製造装置材料協会(SEMI)

 

また、半導体業界ではエヌビディアがインテルの時価総額を抜き、台湾半導体大手のTSMCが米国に生産拠点を移転するなど、業界全体で大きな変化がみられる中、ブロックチェーンを活用した半導体製品のトレーサビリティシステムの開発を国際半導体製造装置材料協会(SEMI)が積極的に推進しています。

 

国際的な分業体制によって、半導体業界においても偽装品の流通量が増加傾向にあり、その総額は米国だけで75億ドルの規模に及ぶともされています。

 

ブロックチェーンの改ざん、どの国で開発・出荷されたのかが正確に確認でき、半導体業界の健全化への取り組みが行われています。

 

このように資本市場全体ではデジタル化にまつわるさまざまな取り組みが行われており、デジタルアセットとデジタル通貨のみならずより包括的な観点から市場調査を今後も行っていこうと思います。

 

・参考文献

 

ブロックチェーン会社に出資 東海東京FH、デジタル証取めざす

First Barça Fan Tokens sell out in less than two hours

新加坡金管局孟文能:期待与中国在数字货币领域进行合作

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