インドネシアの資本市場とセキュリティトークン|フィンテックや金融包括

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インドネシアでは、海外投資家を中心とした資本市場が形成されており、金融庁(OJK)は機関投資家の育成や個人投資家へのフィンテックを活用した金融サービスの提供など市場活性化に向けて積極的に取り組んでいます。

 

インドネシア証券取引所(IDX)への上場企業数は566社となっており、シンガポール証券取引所(750社)やタイ証券取引所(688社)と比較すると、資本市場は小さく、経済規模の乖離が見受けられます。

 

国内の金融システム(法・規制当局の整備)が未成熟であることからインドネシアにおいては、資本市場を通じた資金調達が活発には行われていないといった課題を抱えており、市場の健全化に向けた取り組みが必要不可欠であると言えます。

 

インドネシアの資本市場について

 

インドネシアの大企業は、同族経営や国営であるために、未上場のまま銀行からの借り入れによる資金調達を優先するといったケースも少なくありません。

 

中小企業にとってもインドネシア国内には

 

・機関投資家が少ない
・企業の資金調達の場として資本市場が機能していない

 

といった市場環境などから上場のハードルは高いと言えます。

 

そのためインドネシアの資本市場活性化に向けては、インドネシア国民の市場参加を促進することが非常に重要であると考えられ

 

・金融リテラシーの向上
・投資家保護への取り組み
・金融商品の多様化

 

といった取り組みともに、企業の上場を支援する制度の拡充も必要不可欠であると言えるでしょう。

 

インドネシア 金融市場 活性化に向けた取り組み

 

インドネシア証券取引所では、取引活性化の施策として浮動株比率の引き上げを実施しています。

 

上場継続要件として「浮動株比率:7.5%以上・株主数:300名以上」を定めるなど、株式市場の流動性向上に向けて取り組みを行なっています。

 

他国と比較すると浮動株比率は低いものの、段階的な浮動株比率引き上げによって、上場企業側の負担を軽減するといった配慮がなされています。

 

・各国の上場継続要件

シンガポール証券取引所「浮動株比率:10%以上」
タイ証券取引所「浮動株比率:15%以上・株主数:150名以上」
マレーシア証券取引所「浮動株比率:25%以上」
フィリピン証券取引所「浮動株比率:20%以上」

 

上場企業の浮動株比率引き上げは、市場に出回る株式の流動性を向上させるだけでなく、「株価の安定化・市場の健全性向上」にもつながります。

 

・上場を目指す企業への支援窓口
・上場企業への法人税減税
・インドネシア以外の国での上場解禁

 

といった施策も講じており、企業の上場を促進する取り組みを行なっています。

 

インドネシア フィンテックや金融包括

 

インドネシア国内の金融システムの効率化に向けては、フィンテックを活用した金融サービスの普及が大きな期待を集めています。

 

フィンテックに取り組むスタートアップ企業は東南アジアでも急増しており、キャッシュレス決済の普及によって、これまで銀行口座を持てずに金融サービスを享受できなかった人々を中心として金融包摂の拡充が進行。

 

より多くの人々が金融サービスを利用できる市場環境が整備されることで、将来的には、一般投資家の資本市場参入に繋がることが予想されますが、インドネシアでは銀行中心の金融システムが構築されており、

 

・大企業への融資は活発だが、中小企業への資金提供は不十分
・フィンテック企業との協業へのスピード感が遅い

 

といった課題も散見されています。

 

フィンテックによるイノベーションの活性化は、各業界における非効率を解消しており、今後も普及が見込まれますが、インドネシア国内においては金融機関との協力関係の構築によって、さらなる発展が期待されます。

 

インドネシアの資本市場とセキュリティトークン

 

インドネシア中央銀行や金融庁(OJK)が中心となって、規制(レギュレーション)の作成に取り組み、透明性の高い金融システムを構築することで、国民が資本市場に参加しやすい市場環境がより良い資本市場の形成に繋がると考えられます。

 

また、フィンテックの普及による金融包摂の拡大によって、インドネシア国民の金融リテラシーの向上や資本市場への参加が活性化することが予想されますが、それに伴った金融システムの変化や法規制のあり方などは、今後も課題として挙げられることでしょう。

 

インドネシアの資本市場は、規制(レギュレーション)の整備が行われていないことで、その信頼性が担保されていない状況にあると言え、ICOやSTOに関する法整備も行われていない状況にあります。

 

法規制に準拠して行われるセキュリティトークンによる資金調達(STO)の普及は、現在のところインドネシアでは難しいとも言えますが、資本市場の活性化に向けては、インドネシア証券取引所(IDX)への上場のみならず、STO(セキュリティトークンによる公募)の活用も選択肢の一つであると言えます。

 

既存の金融システムのリスクを軽減する目的で、P2P(peerto-peer)融資への規制をOJK(金融庁)は2016年に発表するなど、金融サービスのデジタル化への対応は着実に進行しており、今後はセキュリティトークンに関する法規制の迅速な整備によって、将来的にはインドネシアの企業がSTOによる資金調達を行うことも予想されます。

 

今後のインドネシアの資本市場について

 

現在のところインドネシアの資本市場は法規制の透明性が課題ともされており、トークンを活用した経済圏の創出以前に、中小企業のデジタル化の推進が必要であると考えられます。

 

一方で、銀行による中小企業への融資は3,300億ドルの資金不足があると推計されており、STOによる資金調達が中小企業の経済活動を活性化させ、より良い資本市場の形成に繋がるポテンシャルをインドネシア市場は秘めています。

 

銀行融資の大半は、大企業に限られているといった特徴を持つインドネシアの資本市場ですが、金融インフラの整備といった観点では、セキュリティトークンとスマートコントラクトを活用した証券市場の効率化なども視野に入れた取り組みがより良い市場の形成に繋がるとも言えます。

 

今後も引き続き、インドネシアの資本市場についての情報を提供してまいります。

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