マイナンバーカードと運転免許証の一体化|公的個人認証法改正について

マイナンバーカードの普及に向けて2022年度末までに日本国内での全国民への交付を目標に様々な施策が検討されており、2020年度中にはマイナンバーカード未取得の人々を対象に申請書を送付することが予定されています。

 

武田良太総務相は、商業施設での受付や窓口の拡充(夜間/休日)など交付申請体制強化を地方自治体に大臣書簡として示すなど、申請者増加への取り組みを政府は実施しています。

 

本稿では、「マイナンバーカードへの各種証明証の一体化」と「公的個人認証法改正によるマイナンバーカード機能のスマートフォン搭載」に着目し、日本におけるトラストサービスの普及について考察していきます。

 

マイナンバーカード 運転免許証との一体化

当初2026年度中の実施を予定していたマイナンバーカードと運転免許証の一体化計画を前倒しで行うことを政府は検討しています。

 

警察署への住所変更が必要なくなる他、運転免許証の郵送交付の手間と時間の省略化、更新手続きにおけるオンライン講習の実施などマイナンバーカードへの一体化は、利便性向上を促進する効果があります。

 

現在は、各府県警察ごとの独自の運転免許情報管理システムが導入されていることから共通基盤への移行を2022年をめどに進めていくとしており、計画の前倒しに向けては警察庁との円滑な連携が必要になることでしょう。

 

すでに共通基盤に関しては今年の6月から開発が始まっており、2025年と見込まれている全国的なシステム統合完了をどれだけ前倒しできるかが大きな争点となりそうです。

 

技術的課題としては、マイナンバーの固有情報に関する警察側のアクセス権限設定が検討されており、さらなる議論の活性化が期待されます。

 

マイナンバーカード 健康保険証との一体化

2021年3月からは、マイナポータルで申込を行うことで、マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようになります。

 

一方、健康保険証は人々の生活に根強く定着していることからマイナンバーカードを健康保険証として利用する機会をどのようにして創出するかが課題とされ、マイナポータルでの申込などの手続きも市民にとっては大きな負担となります。

 

そんな中、自民党のデジタル社会推進部が、健康保険証の発行停止とマイナンバーカードへの一体化の提案を検討していることが明らかになりました。

 

また、デジタル庁へのマイナンバー制度の所管移動についても提案を予定しており、デジタル化の推進に向けて国によるガバナンス体制の強化を目指すとしています。

 

現在は多くの国民がマイナンバーカードの必要性を認識しておらず、これまで活用されてきた健康保険証の発行停止が実現された場合には社会的にも大きな影響を及ぼすことが想定されます。

 

まずは、デジタル社会においてトラストサービスがなぜ重要となるのかを国民の一人一人が知る機会を増やすことが重要とされ、今後は多くの施策の裏側にあるデジタル化による社会的信頼(トラスト)のあり方の変化を啓蒙することが求められるでしょう。

 

公的個人認証法の改正に向けて

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マイナンバーカードのICチップには、本人確認に必要な電子証明書が格納されており、オンラインでの個人認証を行う際には、「ぴタッチ」などICカードリーダライタの利用が必要とされてきました。

 

近年では、公的個人認証サービスを活用し、新しい電子証明書をソフトウェア上で発行する民間の認証サービス事業者が登場したことで、マイナンバーカードによる行政サービスの利活用が促進されています。

 

将来的には、マイナンバーカードの読み取りに対応したスマートフォンをマイナンバーカードにかざすことなく、マイナンバーカード機能(電子証明書)をスマートフォンに搭載することが検討されており、その実現に向けて公的個人認証法の改正を目指す取り組みが行われています。

 

公的個人認証法の改正後には、スマートフォンからマイナンバーカード機能を利用し、行政サービスの個人認証が可能になるとされます。

 

トラストサービスとしてマイナンバーカード機能のデジタルな利活用が進むことで、日本におけるデジタル社会の基盤が構築されます。

 

誰もが安全にデータの利活用を行えることは、データ駆動型社会の実現に向けては必要不可欠とされ、マイナンバーカード機能のデジタル化は私たちの生活により多くの恩恵をもたらすことでしょう。

 

スマートフォンへのマイナンバーカード搭載に向けて、2021年度には実証実験や通常国会での審議、2022年度の公的個人認証法改正案の成立を政府は目指しており、現在は機種変更時の対応など、議論が行われています。

 

まとめ

・マイナンバーカードへの各種証明証の一体化

・マイナンバーカード機能のスマートフォン搭載

 

国内における2つの大きな取り組みをまとめてみました。

 

どちらもデータ駆動型社会を実現する上では重要な意味を有し、データの信頼性や個々人の本人性を担保する上ではトラストサービスとしてのマイナンバーカードの普及が期待されます。

 

マイナンバーカード機能のスマートフォン搭載は、デジタルIDとしての利活用も見込まれ、国と民間が提供するトラストサービスの信頼性をどのように担保するのか?など今後も大きな注目が集まることでしょう。

 

・参考文献

 

マイナンバーカード、夜間・土日も交付して武田総務相が自治体に拡充要請

 

運転免許証とマイナンバーカード、2026年に一体化へ スマホに免許搭載も可能に

 

【独自】政府が健康保険証の将来的な発行停止を検討、マイナカードとの一体化で

 

警察庁説明資料(運転免許証のデジタル化)