ブロックチェーン

アメリカ大手企業のブロックチェーン事業一覧【2019】

大手テック企業の「IBM」はこれまで共同で事業を行ってきた企業がアウトソージングの契約を縮小するなど、事業構造の転換が急務とされています。

 

クラウドやAIの分野でも自社サービスのシェア拡大に行き詰まっており、世界中で「脱IBM」への取り組みが進められるといった問題にIBMは直面しています。

 

これまで、IBMは多岐にわたる分野で技術提供を行ってきた企業ですが、最近ではブロックチェーン技術の活用を目指し、実証実験や共同事業の立ち上げを相次いで発表しています。

 

・サプライチェーン「Chainyard」
・偽造防止「Seagate Technology」
・再生可能エネルギー「中国電力」
・電子決済「IBM Blockchain World Wire」
・水資源管理「IBM Research」

 

上記の分野や企業へのブロックチェーン技術の提供をIBMは行っているなど、アメリカ大手企業による取り組みが最近では活性化してきています。

 

今回はアメリカの大手企業のブロックチェーン事業について解説します。

 

IBM

 

サプライチェーン

 

 

IBMとブロックチェーン企業「Chainyard」はブロックチェーン技術を活用した効率的なサプライチェーン管理にむけた取り組みを行っています。

 

両社が共同開発した「Trust Your Supplier」と呼ばれるブロックチェーンプラットフォームは下記の企業が参加しており、サプライチェーンの情報管理・共有のコスト削減に繋がるとしています。

 

・Anheuser-Busch InBev(アメリカ)
・Cisco(アメリカ)
・Lenovo(アメリカ)
・Nokia(アメリカ)
・Schneider Electric(アメリカ)
・GlaxoSmithKline(イギリス)
・Vodafone(イギリス)

 

「Trust Your Supplier」は「IBM Blockchain Platform」上で構築され、より信頼性の高いサプライチェーン管理システムとして今後も注目が集まりそうです。

 

医薬

 

医療業界では患者の医療データの管理・共有にブロックチェーン技術が活用されています。

 

製薬会社はより効率的なサプライチェーン管理の取り組みとしてブロックチェーン技術の導入を進めており、アメリカでは偽薬防止へにむけてすでに大手製薬会社が協業を行うなどしています。

 

日本では、下記の企業と日本IBMがブロックチェーン技術の実証実験を目指しています。

 

・アステラス製薬株式会社
・協和発酵キリン株式会社
・グラクソ・スミスクライン株式会社
・塩野義製薬株式会社
・第一三共株式会社
・大日本住友製薬株式会社
・武田薬品工業株式会社 湘南ヘルスイノベーションパーク
・田辺三菱製薬株式会社
・中外製薬株式会社
・ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社
他7社

 

参加団体
・一般社団法人ITヘルスケア学会 医療ブロックチェーン研究会
・独立行政法人国立病院機構京都医療センター
他1団体

 

オブザーバ
・神奈川県

 

廃棄プラスチック

 

 

IBM Technologyとプラスチックバンク(Plastic Bank)はブロックチェーン技術を活用して海洋プラスチック廃棄物の削減への取り組みを行っています。

 

プラスチックバンクは海洋プラスチック廃棄物を回収した人々にトークンを報酬として付与し、ハイチやフィリピンを中心として新しいエコシステムの構築に取り組んでいます。

 

海洋汚染の改善と貧困層への経済支援をIBM Technologyとプラスチックバンクは目指しており、ブロックチェーン技術の活用によって、プラスチック廃棄物にまつわるあらゆるプロセスや取引の透明性を向上させることに成功しています。

 

偽造防止

 

 

IBMとSeagate Technology(Seagate)はブロックチェーン技術を活用したHDDの偽造防止の共同事業に取り組んでいます。

 

海賊版のゲームソフトをHDDに入れて販売するといった違法行為に対しては日本でも厳罰化が進んでいますが、HDDそのものの偽装品を返品してくるといったケースやドライブにユーザーデータが残ってしまうリスクが最近では課題とされていました。

 

両社のブロックチェーン技術を活用したHDDの製品追跡プロジェクトはこのような課題を解決するために行われており、試験運用が進められています。

 

再生可能エネルギー

 

 

中国電力では再生可能エネルギーの売買にブロックチェーンを活用する実証実験を実施しています。

 

再生可能エネルギーの固定価格買取制度に基づく買取期間が、2019年11月に終了することを受けて、今後は個人や企業同士が電力の取引を行うことが予想されています。

 

そこで、日本アイ・ビー・エム株式会社はIBMクラウド上でブロックチェーン技術の基盤を構築し、中国電力に提供することで、より透明性の高い取引を目指す実証実験を行っています。

 

この実証実験では取引を希望する人同士をマッチングさせるサービスや発電量・電力消費量を模擬データとして利用することで、新しいサービス開発の検証が行われました。

 

電気事業そのものをイノベートする取り組みとしてブロックチェーン技術は期待を集めており、海外でも電力取引に活用する取り組みが進んでいます。

 

電子決済

 

 

IBMは国際的な電子決済ネットワークの構築を行っており、全世界で規制当局との協議を行っています。

 

このネットワークは「IBM Blockchain World Wire」と呼ばれ、Stellarプロトコルを採用しています。

 

将来的には72カ国47種類の通貨での支払いを目指しており、米ドルと連動したステーブルコインの発行も視野に入れた取り組みを進めています。

 

「IBM Blockchain World Wire」におけるステーブルコイン発行には国際銀行6行がすでに発行に賛同する署名を行っており、下記の法定通貨と連動したステーブルコインの発行も計画しています。

 

・ユーロ
・韓国ウォン
・ブラジルレアル
・インドネシアルピア
・フィリピンペソ

 

水資源管理

 

 

アメリカ・カリフォルニア州では干ばつが問題となっており、地下水の有効的な活用を目指す取り組みが行われています。

 

世界中の多くの地域では水不足が社会問題となっており、生物の多様性を保全することとのバランスをどう取るのかが課題とされています。

 

カリフォルニア州では干ばつによる水不足のために農作物の生産が減少し、失業率の悪化といった事態も招いています。

 

そこで、水資源の保全にIoT技術の導入を行っている「IBM Research」ではブロックチェーン技術を活用した地下水の管理システムを構築しています。

 

・地下水量のデータを「loTリモートセンサー」で取得
・「IBMブロックチェーン・プラットフォーム」に記録
・スマートコントラクトで記録を管理・共有
・リアルタイムで地下水の利用状況が確認できる

 

このような仕組みを構築し、ブロックチェーン上で農家や消費者がリアルタイムで地下水を管理することに成功しています。

 

Walmart

 

世界最大のスーパーマーケット企業のウォルマート(Walmart)はAmazonとの差別化を図るために宅配サービス「インホーム・デリバリー」を発表しました。

 

 

Amazonはドローンなどを駆使してネット通販におけるラストワンマイル問題(不在による再配達と人件費など)の解決を目指していますが、ウォルマートは「インホーム・デリバリー」によって自宅の冷蔵庫まで食品を届けます。

 

スマートエントリーシステムによって自宅内への配送が可能となり、顧客は宅配人の胸に取り付けられたカメラによって遠隔監視を行うことができます。

 

このように最先端技術の導入や新たなビジネスモデル構築に取り組んでいるウォルマートはブロックチェーン技術の活用も積極的に行っています。

 

・ステーブルコインの特許申請
・医療品サプライチェーンコンソーシアムへの参加
・IBM Food Trustへの参加
・配送管理
・スマート家電管理

 

本記事ではウォルマートの取り組みについて解説していきます。

 

ステーブルコインで購入履歴を管理

 

 

スーパーで買い物をする際には、ビザやマスターカードといったクレジットカードでの支払いをはじめとして、最近ではキャッシュレス決済が普及しています。

 

ウォルマートでは店舗での支払いに関してブロックチェーン技術を導入する計画を明らかにしており、独自のデジタル通貨としてステーブルコインの発行を目指しています。

 

現在のところは特許の申請を行っているとされ、フェイスブックの「Libra」やJPモルガンの「JPMコイン」と同様に大手企業による決済サービスとして注目を集めています。

 

最近ではFRBもリアルタイム決済システムの開発を発表しており、各国の中央銀行でもCBDC(中央銀行発行デジタル通貨)の発行が計画されています。

 

ブロックチェーン技術を活用した決済サービスの普及が予想されますが、日本における企業ごとの「Pay」サービスと同様に、各組織ごとに細分化される可能性もあります。

 

各企業の取り組みによってブロックチェーン技術による新たなビジネスモデルの確率が期待されますが、既存の金融システムの秩序を乱すとしてLibraは開発中止を求められていることから実用化にむけては規制当局との協議が必要不可欠であると言えます。

 

ウォルマートは27カ国に展開しており、その利用者の多さからステーブルコイン発行の影響は大きいと考えられます。

 

医療品サプライチェーン

 

 

医療業界ではサプライチェーンの管理にブロックチェーン技術を活用する取り組みが行われており、

 

「MediLedger Project Contract and Chargebacks」

 

と呼ばれるコンソーシアムに多くの企業が参加しています。

 

 

ファイザー社
マクケッソン・コーポレーション
アメリソース・バーゲン
プレミア社

 

ウォルマートは「MediLedger」への参加を今年6月にも発表しており、医療品のサプライチェーン管理におけるブロックチェーンネットワークの構築を目指すとしています。

 

医療業界では、患者の医療データの管理システムが各病院でバラバラであることや電子カルテの導入事例が少ないことなどが課題とされています。

 

食品サプライチェーン

 

 

ウォルマートは中国における物流を強化するために生鮮食品配送センターの設立に取り組んでおり、今後10〜20年間で1200億円の投資を予定しています。

 

中国ではすでに180都市・400店鋪以上に進出をしているウォルマートですが、ECサイトにおける食品雑貨の販売で中国国内で大きなシェアを持つ「JD DAOJIA」との連携も発表しています。

 

ブロックチェーン企業「VECHAIN」(シンガポール)
中国連鎖経営協会
プライスウォーターハウスクーパース
食品メーカーの科爾沁牛業

 

との連携によって、ブロックチェーン技術を活用した食品の追跡システムの構築を行っています。

 

中国における生鮮食品の安全性やサプライチェーン管理にブロックチェーン技術を活用することをウォルマートは目指しています。

 

消費大国への経済構造の変化を遂げようとしている中国においてウォルマートは消費者の取り込みに取り組んでおり、ステーブルコイン発行とともにウォルマート独自の経済圏創出が急務であると考えられます。

 

IBM Food Trustの導入

 

 

「IBM Food Trust」はブロックチェーン技術による食品サプライチェーン追跡システムとしてIBMが開発を進めており、ウォルマートもこの取り組みに参加しています。

 

・食品の安全性の向上
・食品廃棄物の効率的活用
・原産地、出荷状況の確認
・生産、卸売、小売における追跡

 

このようなメリットが「IBM Food Trust」を利用することで得られるためウォルマートは農家に対して「IBM Food Trust」を活用するように呼びかけを行うなどしています。

 

・Trace:食品追跡
・Certifications:証明書検証
・Data Entry and Access:データ管理

 

上記の機能が「IBM Food Trust」では月額制で利用可能となっており、今後も利用拡大が期待されています。

 

配送管理

 

 

ウォールマートはブロックチェーン技術を活用して配送管理の効率化を目指しています。

 

どの配送ロッカーが空いているのかをブロックチェーン上で確認することができ、商品の安全な配送を実現することができます。

 

ロッカーに空きがあれば事前に予約することができ、配送管理の透明性向上にもつながるとして注目されています。

 

スマート家電

 

家電製品をはじめとして様々なデバイスがインターネットと接続されるようになりました。

 

スマホアプリで使用状況を管理することができ、スマホがリモコンがわりになるなど、より快適な生活を実現するために「スマート家電」の活用が進められています。

 

ウォルマートではスマート家電の管理にブロックチェーン技術の活用を目指しており、2018年8月には特許を申請しています。

 

将来的にはスマホ家電で培ったブロックチェーンによる管理システムを住居や製造といった分野にも活かすことを計画しています。

 

ネスレ(Nestle)

 

スイスの大手食品会社「ネスレ(Nestle)」はデジタル広告や食品のサプライチェーン管理の分野でブロックチェーン技術の活用を行っています。

 

食品追跡「Food Trust(フードトラスト)」
分散型マーケットプレイス「OSA DC」
デジタル広告「JICWEBS」

 

より安全で効率的な食品提供の実現にむけて、上記の取り組みをネスレは進めています。

 

IBM Food Trust(フードトラスト)

 

 

ネスレはIBMの食品追跡ブロックチェーン・ネットワーク「Food Trust(フードトラスト)」に参加しており、2019年4月にはフランスの食品関連企業の「Mousline」が出荷するマッシュポテトの追跡サービスに取り組んでいます。

 

この取り組みにはフランスの小売関連企業「カンフール」も参加しており、3社が共同でブロックチェーン技術を活用した食品追跡事業を行うとして注目を集めました。

 

・食品の種類
・製造場所、日時
・品質
・店頭販売までの期間
・保存場所

 

商品に貼られたQRコードを読み取ることで上記の商品情報を確認することができ、消費者は「食の安全性」や「流通経路」についてリアルタイムで知ることができるようになります。

 

「Food Trust(フードトラスト)」には「アルバートソンズ・カンパニーズ」やウォルマート(Walmart)、ユニリーバ(Unilever)といった食品関連企業が参加しており、食品追跡にブロックチェーン技術を活用する取り組みは今後も拡大することが予想されます。

 

マーケットプレイス 「OSA DC」

 

 

サプライチェーン業界において製品廃棄物は長年の課題とされています。

 

「OSA DC」はサプライチェーンに関連する情報を収集し、AI技術によって分析することで、製品廃棄物が抱える問題を解決する取り組みを進めています。

 

AI技術とブロックチェーン技術を活用した「分散型マーケットプレイス」の開発を「OSA DC」は行っており、より効率的なサプライチェーンの構築を目指しています。

 

2018年11月にはネスレが「OSA DC」との契約を結んでいます。

 

デジタル広告「JICWEBS」

 

 

ウェブサイトに表示される広告については

 

ブランドセーフティ:ネガディブな内容の記事への掲載
アドフラウド:なりすましや無効なトラフィック、広告料金の過剰請求
ビューアビリティ:閲覧機会のない広告

 

上記のような事例について検証する仕組み(アドベリフィケーション)が必要であるとされており、より透明性の高いデジタル広告のあり方が模索されています。

 

ネスレは「JICWEBS(Web標準化企業団体)」によるブロックチェーン技術をデジタル広告サプライチェーンに活用する実証実験に参加を表明しており、これにはマクドナルドやヴァージンメディアも参加しています。

 

「JICWEBS(Web標準化企業団体)」が企画するプロジェクトはデジタル広告におけるブロックチェーン技術の有効性だけでなく、運用効率や投資利益率(ROI)についても調査対象とされています。

 

将来的にデジタル広告へのブロックチェーン技術の導入に関してのコンサルタント業務を行うことも「JICWEBS(Web標準化企業団体)」は視野に入れて取り組みを進めており、ネスレとしても新たな顧客層の開拓や広告運用の最適化に向けて取り組みを進めていくと考えられます。

 

マスターカード(Mastercard)

 

マスターカード(Mastercard)は積極的にブロックチェーン技術の導入を行っており、フェイスブックのリブラ(Libra)協会にも参加を表明しています。

 

クレジットカード会社として全世界で利用されているマスターカード(Mastercard)ですが、ステーブルコインが新しい決済手段として普及が見込まれる中で、新たなビジネスモデルの構築が必要不可欠であると言えます。

 

・暗号資産ウォレット開発へ求人募集
・暗号資産用クレジットカード発行へ
・ブロックチェーンに関する特許を申請
・製品追跡プラットフォームの構築

 

すでにマスターカード(Mastercard)では上記の取り組みを進めており、今回はその詳細について解説していきます。

 

 暗号資産ウォレット開発

 

今年の8月にはマスターカード(Mastercard)が暗号資産関連の求人募集したことが話題となりました。

 

・ブロックチェーンエンジニア
・商品開発担当者
・製品管理担当者
・暗号資産ウォレット生産管理担当者

 

上記の他にも決済プラットフォーム、戦略的プログラムなどの担当者も募集しており、マスターカード(Mastercard)はブロックチェーンや暗号資産事業への本格的な参入を行うことが伺えます。

 

金融の分野ではフェイスブックがステーブルコインLibraを発表するなど取り組みを進めており、JPモルガンなども積極的な商品開発を進めています。

 

マスターカード(Mastercard)は暗号資産ウォレットの開発を行うことが予想されますが、大手企業による取り組みによってブロックチェーン業界がさらなる発展を遂げると考えれます。

 

Coinbeneとの提携 クレジットカード発行へ

 

 

今年の7月にはマスターカード(Mastercard)ブラジルとCoinbeneブラジルが「デジタル通貨とフランスの法定通貨を交換できるクレジットカード」を発行しました。

 

このクレジットカードは中華人民共和国建国70周年を記念して行われたもので、主にブラジル在住の中国人を対象にしています。

 

マスターカード(Mastercard)のネットワークを通じて現金の引き出しができる機能も実装されており、Coinbeneのブラジルにおける事業展開を促進するとして話題を集めました。

 

ブロックチェーン技術による新たな金融サービスの展開を進めるマスターカード(Mastercard)の取り組みに今後も注目が集まることが予想されます。

 

ブロックチェーンに関する特許申請

 

マスターカード(Mastercard)はクレジットカードの決済において認証情報を安全に送信する技術の開発を目指しています。

 

この取り組みの一環として、ブロックチェーン技術を活用したシステムについての特許申請を2018年6月に行っています。

 

また、マスターカード(Mastercard)では複数のブロックチェーンを共通のブロックチェーンに記録することのできる技術を開発しており、2018年10月にはその特許についても申請を行っています。

 

製品追跡

 

 

マスターカードはブロックチェーン技術を活用してアパレル用品のコピー品や偽装防止への取り組みを行っています。

 

高級ブランドはコピー品が市場に出回ることで、1年間で303億ドル(約3兆2000億円)の損失を被っていました。

 

今回は有名セレクトショップ「フレッド・シーガル」をはじめとした企業と提携し、生産から流通までをブロックチェーン上で追跡できるトレーサビリティプラットフォームを構築しました。

 

購入者はQRコードから商品がどこで生産され、流通経路はどこなのかわかるので、これまで以上に商品についての情報を深く知ることができます。

 

販売者としても新たなブランド価値の創出の方法としてマスターカードのトレーサビリティプラットフォームを活用することができ、今後はアパレルブランドだけでなく、その他の小売業社への提供も予定されています。

 

マイクロソフト

 

ブロックチェーン技術の導入が各分野で進められていますが、マイクロソフトは独自開発のブロックチェーンネットワーク「Azure Blockchain Service」を通じて、サービス開発や管理を簡素化することに成功しています。

 

JPモルガンやスターバックスをはじめとして、

 

・ConsenSys
・Transmute
・株式会社digglue
・G&J Pepsi社
・エン・ジャパン
・SKILL

 

といった企業との連携や共同事業を進めており、分野も企業コンサルティングから農業まで多岐に渡っています。

 

今回はマイクロソフトによるブロックチェーン技術の活用事例を解説し、ブロックチェーンによる新たなビジネスモデルの創出について考えていきます。

 

JPモルガンと提携を発表

 

 

JPモルガンはブロックチェーン技術「Quorum(クオーラム)」を開発しており、マイクロソフトとの連携によって、企業に向けたコンサルティング事業や技術導入を進めていくとしています。

 

マイクロソフトの「アジュール・ブロックチェーン・サービス」のクラウド上では、様々な「Quorum(クオーラム)」のブロックチェーンツールを利用することができるようになり、ビジネスを安全かつ円滑に行えるソリューションとして普及することが期待されています。

 

分散型IDシステム

 

 

個人情報の管理にブロックチェーン技術を活用する取り組みをマイクロソフトは実施しています。

 

現代において、個人情報は企業やサービスごとに管理がされています。

 

そのためどこでどのように使用されているかわからず、サーバーなどがハッキングにあった際には個人情報の不正流出が大きな問題となることも少なくありません。

 

そこで、マイクロソフトは「分散型IDシステム」の開発を進めており、個人情報の分散管理と自己所有をブロックチェーン技術を活用して行うネットワークの開発を進めています。

 

このネットワークは「ION(Identity Overlay Network)」と呼ばれており、Sidetreeプロトコルをベースとして秒間数万回の操作を行える性能を有しています。

 

世界規模の分散型IDシステム構築に向けた取り組みをマイクロソフトは目指しており、「Decentralized identity Foundation(分散ID財団)」にも加盟をしています。

 

この財団にはConsenSysやTransmuteといった企業も参画しており、今後もブロックチェーン技術を活用した「分散型IDシステム」構築への取り組みには注目が集まります。

 

アジュール・ブロックチェーン・サービスについて

 

 

スターバックスはブロックチェーン技術を活用し、コーヒー豆のサプライチェーンの追跡システムの開発を目指しています。

 

この追跡システムを利用することで、コスタリカやコロンビアの農園から各店舗への流通が可視化され、顧客にとっても自分が飲むコーヒーについて詳しく知ることができるとされています。

 

このスターバックスが活用するブロックチェーン技術はマイクロソフトの「Azure Blockchain Service(アジュール・ブロックチェーン・サービス)」によるもので、コーヒー豆のリアルタイム追跡など「食の安全性」への取り組みとしても注目を集めています。

 

株式会社digglueと提携を発表

 

 

株式会社digglueは日本マイクロソフトとの業務提携によって、ブロックチェーンの仕組みや機能を学べるサービスの開発を行っています。

 

これはMicrosoft Azureの「Ethereum Proof-of-Authority on Azure」によって実現したもので、今後は導入支援サービスの展開も予定しています。

 

ブロックチェーン技術の学習環境を整備し、より多くの分野で活用が行われることを株式会社digglueと日本マイクロソフトは目指しています。

 

Mobility as a Serviceにブロックチェーンを活用

 

 

「MaaS(Mobility as a Service)」はクラウドによる交通のシームレス化を目指し、各国で取り組みが行われています。

 

MaaSの普及にあたっては属性情報(ユーザーの年齢や性別)の管理が課題とされており、マイクロソフトが開発を進める分散管理システム「ION(Identity Overlay Network)」による検証が今年の6月に行われました。

 

このIONによる検証を通じて、ユーザーがスマートフォンで属性情報の管理・認証を行えることがわかり、今後もMaaSにブロックチェーン技術を活用する日本マイクロソフトの取り組みには注目が集まることが予想されます。

 

「Power Platform」ブロックチェーンツールとAIを追加

 

 

マイクロソフトはスピーディーなデータ分析や業務効率化を促進するソリューションである「Power Platform」の開発を進めており、ブロックチェーンツールとAIを新しい機能として追加することを明らかにしています。

 

「Power Platform」はすでにペプシコーラで製造から販売までを担う「G&J Pepsi社」で導入が行われています。

 

在庫管理や店舗監査を行うアプリを「Power Platform」によって構築し、現場の生産性を向上させたとして高く評価を受けています。

 

日本マイクロソフト、エン・ジャパン、SKILLと提携を発表

 

 

HR(Human Resources)分野では、企業の採用活動や人事・労務管理をクラウド上で管理するサービスの開発が進められています。

 

より効率的な人員配置や社員のモチベーション向上につながる評価制度など、労働力不足が不安視される中で、各企業が社内制度の改善などに取り組んでいます。

 

その課題を解決しようと日本マイクロソフト、エン・ジャパン、SKILLはブロックチェーンの共同検証などを目的とした連携を発表しています。

 

日本マイクロソフトは「アジュール・ブロックチェーン・サービス」によるブロックチェーン技術の提供を行い、エン・ジャパン、SKILLは職歴や学歴情報といった証明情報の記録・確認作業をブロックチェーン上で運用していきます。

 

将来的にはブロックチェーン技術を活用して、SKILLが職歴情報の証明サービス、エン・ジャパンは人材の採用や評価事業を展開することを明らかになっています。

 

FarmBeatsがブラジルで展開

 

 

マイクロソフトは農業における作業効率向上を目指し、ブロックチェーン技術を活用した「FarmBeats」をブラジルで展開しています。

 

「FarmBeats」によってマイクロソフトは農業にビックデータやAIの活用も目指しており、土壌の栄養素や温度といった統計的なデータ分析によって農作物の生産性向上が図られると期待されています。

 

アメリカやインド、ニュージーランドなどでは「FarmBeats」を使用し、水の使用料の30%削減に成功しています。

 

参考文献

・マイクロソフト

マイクロソフトとJPモルガンがブロックチェーン技術で提携

米マイクロソフト、ビットコイン・セカンドレイヤーの分散型IDシステムIONの試験版を公開

Decentralized identity Foundation

テクノロジを駆使してお客様とのパーソナルなつながりを構築するスターバックス

Microsoft delivers new advancements in Azure from cloud to edge ahead of Microsoft Build conference

digglueと日本マイクロソフト、ブロックチェーンの教育分野で連携開始【フィスコ・ビットコインニュース】

MaaSのリスク低減に向けブロックチェーン利用を実証–マイクロソフトら5社

SKILLやマイクロソフト、HR分野におけるブロックチェーンの活用

Exclusive: Microsoft Registers Blockchain and AI Platform for Agriculture in Brazil

・マスターカード

Mastercard Enables Luxury Shoppers To Purchase With Confidence

Mastercard Is Building a Team to Develop Crypto, Wallet Projects

CoinBene lança cartão Mastercard que pode ser carregado com

Method and system for partitioned blockchains and enhanced privacy for permissioned blockchains 

METHOD AND SYSTEM FOR PAYMENT CARD VERIFICATION VIA BLOCKCHAIN

・ネスレ

Join a growing community of media, marketing and advertising professionals today

World’s Second-Largest Grocer Joins IBM Food Trust Blockchain

Carrefour – Nestlé Blockchain: Technology for food transparency with Mousline!

OSA DC 公式サイト

・ウォールマート

Walmart Wants to Patent a Stablecoin That Looks a Lot Like Facebook Libra

The MediLedger Project

Walmart Joins Pharmaceutical-Tracking Blockchain Consortium MediLedger

ウォルマート、中国の物流施設に1200億円投資 ブロックチェーン技術を利用した食品追跡システムも

ウォルマート、IBMのブロックチェーン技術を食品トレーサビリティに活用へ

米小売大手Walmart、野菜などの管理にブロックチェーン導入へ 大腸菌対策で

MANAGING SMART APPLIANCES USING BLOCKCHAIN TECHNOLOGY

日本IBMが中外、武田、アステラスらと実証実験。「医療×ブロックチェーン」を開始。

ブロックチェーンで廃棄プラスチックを仮想通貨に変える「プラスチックバンク」

We Turn Blockchain into Business Results.

・IBM

IBM, Chainyard unveil blockchain-based ‘Trust Your Supplier’ network

HDD大手シーゲイト、IBMとともに製品追跡ブロックチェーンの試験運用へ

ブロックチェーン技術を活用した電力融通に関する実証試験の実施について

IBM、ブロックチェーンベースの決済ネットワーク「Blockchain World Wire」を市場投入

IBM Pilots Blockchain and IoT Sensor Solution To Track Sustainable Groundwater Usage In California

─カリフォルニア─ 水管理:流域変更と水取引

 

****************
STOnlineはSNSを開始しました。

Twitter: @stonline_jp

Facebook: @sto.on.line.io

返信する

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA