ハイブリッドIPOとは?金融の効率化とSTO市場について

STO

世界的なチェスの大会を運営する「Worldchess」(イギリス)が、セキュリティトークン発行後にIPOを行う「ハイブリッドIPO」を発表しました。

 

IPO前にSTOによる資金調達を行うこの取り組みは世界的にも珍しく、「Worldchess」のような有名企業によるSTO実施は大きな話題を集めています。

 

日本でも、SBIインベストメントがセキュリタイズへ数億円規模の出資を行なったことが明らかになっており、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)と野村グループによる出資に続いて、金融のデジタル化に向けた取り組みが活性化してきています。

 

セキュリタイズは、「ST研究コンソーシアム」にも参加しており、日本のSTO市場の成長に大きな貢献を果たしていると言えます。

 

日本企業によるセキュリティトークンプラットフォームの構築も相次いで発表されており、

 

Progmat:MUFG、LayerX
ibet:合弁会社BOOSTRY(野村HDと野村総合研究所の合弁会社)

 

上記のプラットフォームを利用し日本ではSTOが行われることが予想されます。

 

現在のところ「ハイブリッドIPO」のようにSTOとIPO(新規株式公開)を組み合わせた資金調達の概念は世界でも珍しく感じられますが、今後はSTOが資金調達方法の1つとして普及していくことでしょう。

 

「Worldchess」の「ハイブリッドIPO」は2020年に実施が予定されており、株式の4-6%をセキュリティトークンとして発行します。

 

イギリスでは、暗号資産を取引可能な財産と認める法的声明をジュリスディクション・タスクフォース(新技術などへの法律の対応を支援するための委員会)が11月18日にも出しており、暗号資産に対する法整備への取り組みが行われています。

 

また、ドイツを中心にヨーロッパ全体が米中貿易摩擦の影響を受け、不景気に陥っている中で、各国が新たな景気刺激策としてブロックチェーンを活用した産業の活性化に力を入れています。

 

すでにEU全体では、2019年度のブロックチェーンに対する支出を約730億円と見込んでおり、欧州投資基金と欧州委員会は数百億円規模のブロックチェーンに関するファンドを発表しています。

 

金融領域においては、STOのみならず中央銀行デジタル通貨(CBDC)に前向きな姿勢をフランス銀行・デニス・ボー(Denis Beau)副総裁は見せており、ブロックチェーン技術を決済システムに導入する取り組みにも言及しています。

 

しかしながら、EUはデジタル通貨やステーブルコインの発行については否定的であり、「デジタルユーロ」の発行はまだ先の話となることが予想されます。

 

中国の「デジタル人民元」の発行が大きな注目を集める中で、「デジタルドル(USDT)」「デジタル円」の発行に関しては、現時点でその必要性を感じられないといった声が少なくありません。

 

将来的な国家戦略を見据え、米ドル(USDT)に対抗する貨幣としてデジタル人民元の普及を中国が目指しているとも考えられ、「一帯一路政策」と「インド太平洋構想」といった新たな国際秩序の枠組みにどのような貨幣が採用されるのでしょうか?

 

ブロックチェーン技術は金融市場のみならず、国際社会のあり方をも左右する可能性を秘めているとも言えますが、既存金融との融合など課題は多く残されています。

 

イギリスの法規制に準拠した「Worldchess」の「ハイブリッドIPO」は、ヨーロッパのSTO市場の活性化に大きな意味を持つとも考えられ、資金調達の効率化に向けた新たな取り組みに注目が集まります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました