Tezosを活用したDeFi(分散型金融)の将来性|Harbingerのデータフローについて

分散型金融(DeFi)市場では、$7.13B (USD) に及ぶ資産がロックされており、8月1日に ($4.01B)と比較すると、約30億ドルの増加となっています。

 

参照: https://defipulse.com/ (8月27日現在)

 

Compoundのロバート・レシュナー、イーサリアムのヴィタリック・ブテリンは、分散型金融(DeFi)の現状や市場参加について注意を呼びかけるなど、健全性な市場形成に向けた取り組みが確認されており、投資家保護などの観点からより慎重な投資を心がけることが重要であると考えられます。

 

そのような中、DeFiアプリケーションの開発促進に向けて、TezosはHarbinger oraclesとの統合を発表。

 

Harbinger oraclesは、複数の取引所からのリアルタイムな価格データ(price date)をTezosブロックチェーンを活用して処理することで、第三者機関を介さないといったDeFiの欠点を克服することができ、信頼できる価格フィードの提供を実現します。

 

Harbingerが提供するprice oraclesによって、データは常に信頼性の高い状態で更新され、ステーブルコイン、貸付プラットフォーム、保険商品など新たなDeFiプロトコルやアプリケーションの開発が促進されることでしょう。

 

Harbingerのデータフローについて

 

Harbingerのデータフローは、下記の通りです。

 

1 Harbinger Poster(投稿者)
・継続的に署名者から価格を取得(Retrieve signed price)
・Price Storage Contract に署名された価格データを投稿(Post signed price date)

 

2 Price Storage Contract
・Tezosのスマートコントラクト言語Michelsonにコンパイルされたreference contract
・Harbinger Posterからの価格データを格納
・署名済み価格データ取り消しやネットワーク通知機能を有する

 

3 Price Normalizer Contract
・加重平均価格計算などを用いて価格データの正規化をサポートするreference contract

 

4 DeFi Protocols and dApps
・Price Storage Contract、Price Normalizer Contractから価格データを取得
・reentrancy attacksを回避するためにコールバックでのデータを取得をTezosスマートコントラクトは推奨

 

5 The Harbinger command-line interface
・interfaceの利用によってPrice Storage Contract、Price Normalizer Contractの展開や更新、データの参照が可能となります。

 

すでにTezosコミュニティはCarthageNetおよびMainnetにて、

 

・Coinbase
・Binance
・Gemini
・OKEx

 

のPrice Storage Contract、Price Normalizer Contractの展開を行なっています。

 

分散型金融(DeFi)市場におけるTezosとHarbinger oraclesのコラボレーションが今後、どのように発展し、市場を活性化していくのか大きな期待が寄せられています。

Tezosについて

Tezosブロックチェーンは、セキュリティトークン市場においても活用が行われており、2019年7月には、Toeknsoftのセキュリティトークン発行のサポートを開始しています。

 

これによってToeknsoftを利用する発行体はTezosブロックチェーンを利用したセキュリティトークン発行を行えるようになり、投資家はKnoxを使用して安全にセキュリティトークンを管理できるようになります。

 

米国においてTezosプラットフォームを利用したSTOは増加しており、TokenSoftを介したSTOも全体の25%〜35%がTezosブロックチェーンで行われています。

 

SecuritizeやtZEROがTezosのプラットフォームを利用してSTOを実施し、ラテンアメリカ最大の投資銀行であるBanco BTG Pactual S.A.とドバイの資産運用会社Dalma CapitalによるSTOにもTezosブロックチェーンは利用されています。

 

Tezosの特徴
・形式検証
・オンチェーンガバナンス:90日サイクルでのアップデート

Tezosブロックチェーンは、形式検証を採用していることからスマートコントラクトの安全性が高いとして、近年ではセキュリティトークンの発行のみならず、フランス憲兵隊サイバー犯罪部門の経費管理にも用いられるなど、多くの分野で活用が行われています。

 

90日サイクルでのアップデート機能がプロトコルに組み込まれており、3回の投票を経て、80%の賛成があれば合意を得られたとして自動的にハードフォークします。

 

Tezos オンチェーンガバナンスによるアップデートの歴史

 

・Tezos 004 Athens:Gas Limit、ステーキング条件緩和

賛成:99.89%

 

・Tezos 005 Babylon:合意形成アルゴリズム改良(EmmyからEmmy+へ)、スマートコントラクト強化(エントリポイントのサポート)、デリゲーション手続きの単純化

賛成:84.53%

 

・Tezos 006 Carthage:Gasリミット緩和、スマートコントラクトVM命令の強化、細かいバグ修正、プロトコルのコードクリーンアップ

2019年11月に提案され、2020年3月にアップデート

 

・Tezos 007 Delohi(?):匿名化技術 zk-SNARKsのスマートコントラクトへの導入、プログマブルステーキング、投票システムの改良、新ストレージサブシステム

 

・Tezos 008、009:PBFTベース合意アルゴリズムへの移行、Layer2ソリューション対応、Prediction marketによるプロトコル改訂案の評価と報酬決定

 

参考文献:https://www.slideshare.net/camlspotter/tezso-and-onchain-governanace-towards-kyoto-amendment

 

プロトコルが90日間のサイクルで更新されていくために開発者にとっては多くの確認業務が必要となりますが、今後はアプリ開発者・ユーザーに対する周知や新しいプロトコルの事前テストを実施していくとしています。

 

ちなみにTezos 014はKで始まる都市名がプロトコル名に採用されることから日本の京都(Kyoto)がその候補として注目されています。

 

TokenSoft Tezosブロックチェーン導入のメリット

Institutional Grade Smart Contracts:Tezosブロックチェーンは、形式検証を採用し、定期的にスマートコントラクトをアップデートします。

 

Secure Custody:形式検証されたマルチシグネチャスマートコントラクトによって、高度なセキュリティを実現。これにより、コールドウォレット導入とスマートコントラクトの管理が可能になります。

 

Familiarity:FA1.2プロトコルには、ERC-1404から着想を得たいくつかの機能が含まれているため、銀行、証券、および税法に関しては、管轄区域ごとに要件を適用できます。

 

Upgradability:Tezosは、関係者がプロトコルをアップグレードでき、新しい技術機能をスムーズに採用し、最先端のサービス提供を可能にします。

 

Tezosブロックチェーンは、Difiおよびセキュリティトークン市場に高レベルのセキュリティと拡張性を提供することから今後も利活用が広がっていくことでしょう。

 

・参考文献

 

Introducing Harbinger: a Self-Sustaining Price Oracle for Tezos

 

Tezos Integrates Harbinger Price Oracle As Network Prepares For DeFi

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