ジブラルタルのSTO市場概況|セキュリティトークンに関する法規制について

STO

ジブラルタルでは、2017年に設立されたGSX Groupを中心として証券市場にブロックチェーン技術を採用する取り組みが行われています。

 

GSX Groupの主な企業
Gibraltar Stock Exchange (GSX)
Global Blockchain Exchange (GBX)

 

GSX Groupは、シンガポールの子会社であるHashstacs Inc.が開発を進めるSecurities Trading Asset Clearing & Settlement (STACS)ブロックチェーンを採用しており、既存の金融機関との統合や他のブロックチェーンとの相互運用といった機能を有しているのが特徴です。

 

Hashstacs Inc.:Chong Sing FinTech HoldingsおよびPrime FinTechとの共同事業

 

ジブラルタルのデジタル・金融サービス担当大臣であるアルベルトイゾラは

 

「すべてのトークンの提供がデフォルト(標準・基準の意味)で証券(セキュリティ)の発行」

 

となることを想定していると発表

 

今回は、ジブラルタルのセキュリティトークンに関する法規制について解説していきます。

 

ジブラルタルのセキュリティトークンに関する法規制について

 

積極的なブロックチェーン技術の活用が見込まれる中、ジブラルタル政府は

 

「すべてのトークンがセキュリティトークン(ユーティリティトークンであることを証明できない限り)」

 

とみなされる可能性があるとしています。

 

また、アンチマネーロンダリング(AML)に関する大学の授業に出席することをジブラルタルの金融会社の従業員に義務付けるといった取り組みも検討されています。

 

市場の発展のためにはまずは法整備が重要であり、セキュリティトークンをどのように定義するのか各国でこれまで多くの議論が交わされてきました。

 

すべてのトークンをセキュリティトークンとみなすといった法的見解はマレーシアでも採用されており、デジタル資産取引所(DAX)であるLuno、SINEGY、Tokenize Xchangeが発行企業の審査を行うといったガイドラインが定められています。(2020年後半に施行)

 

台湾では「調達上限が約1億円・認定投資家限定」といった厳格なSTO規制が定められたことで、制度の見直しを求める声もあがっており、ジブラルタルやマレーシアのように発行企業に対して証券であることの証明を求める制度設計が市場形成にどのような影響を与えるのでしょうか?

 

各国のセキュリティトークンに関する法規制について

 

日本では改正金融商品取引法のもとでセキュリティトークンは「電子記録移転権利」とされ、流動性を制限することで2項有価証券として取り扱われるように制度を再設計することなどが議論されています。

 

証券会社が中心となり、市場形成が進むことが見込まれており、セキュリティトークン取引所の開設も予定されています。

 

米国においてはSECへの登録規定である「Regulation」に準拠してSTOを実施しており、コンプライアンス要件を遵守することで、証券市場の健全な発展とともにセキュリティトークンの有効的な活用が行われています。

 

米国では1990年代から私募市場の規制緩和が進展し、調達上限と投資家条件がきめ細やかに定められた現行の「Regulation」が設計されています。

 

各国ではセキュリティトークンに関する法律が未整備であるところも多く、成長企業の資金調達市場や資本市場そのものが米国よりも小規模です。

 

ジブラルタルでは、ICOとSTOに個別の法律を提供する新たなフレームワークの導入も予定されており、今後は各国で市場の健全性を重視した法整備が行われ、ブロックチェーン技術を活用した資金調達を検証する取り組みが実施されると考えられます。

 

その有用性が高まり、STOが市場に定着したのちに、規制緩和を行うべきであると言えるでしょう。

 

まとめ

GSX Groupは、STACSブロックチェーンを導入したトークン化プラットフォーム「GRID」を発表しており、将来的には株式のトークン化をサポートするとしています。

 

セキュリティトークン市場においては、取引高が増加しないことでOpenfinanceNetworkが上場企業に契約の見直しを求めるなど、各企業が収益面で苦戦を強いられる傾向にあります。

 

一方で、不動産トークンの取引は増加傾向にあり、tZEROは、提携する証券会社を増やし、Vertaloとの実物資産トークンの取引事業を発表するなど、その将来性については明るい見通しも立ち始めています。

 

まずは、法整備が行われ、数年後の規制緩和を目指して健全なプラットフォーム運営が行われることが重要であり、ジブラルタルのように取引所事業から派生し、各プラットフォームが構築されている国では、どのような市場形成が行われるのか注視していこうと思います。

 

・参考文献

 

Gibraltar Financial Services Commission Issues Full License to Gibraltar Blockchain Exchange
The Gibraltar Financial Services Commission (GFSC) has approved a full license to the Gibraltar Blockchain Exchange (GBX) under Gibraltar’s Financial Service

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