ブロックチェーン

ブロックチェーン×金融| FRB「FedNow」やLINE「LINK ME」について

FRB(連邦準備制度理事会)はおよそ10年半ぶりに利下げを行う一方で、金融システムへのブロックチェーン技術の導入を進めています。

 

リアルタイム決済サービスとして発表されたFedNow(フェッドナウ)は24時間365日使える特徴を持つとして、2023年〜2024年のリリースを計画しているとのことです。

 

・スタンダードチャータード銀行×リンクロジス「WeQChain」
・米IBM×欧州14銀行「we.trade」
・世界資源研究所(WRO)「RTプロジェクト」
・LINE×KYC・カストディ「LINK ME」
・Elliptic×AML「エリプティック・データセット」
・中国人民銀行×貿易金融

 

そのほかにも上記のようなブロックチェーン技術導入への取り組みが金融業界では行われています。

 

FRB FedNow(フェッドナウ)

 

FedNow(フェッドナウ)はリアルタイムでの決済サービスとして開発が進められています。

 

現在、FRBは「Automated Clearinghouse (ACH) payment」という決済システムを採用しており、

 

・営業時間内で清算は1日3回
・アメリカ企業の従業員は2週間ごとの給与振込

 

このように現状のシステムではリアルタイムでの決済ができないといった非効率さが課題とされています。

 

FRBは世界各国の銀行とのネットワークを構築しているため影響力が大きく、決済分野においては他の銀行の取り組みを妨げるといったデメリットも指摘されています。

 

最近ではJPモルガンがステーブルコイン「JPMコイン」の発行を計画するなど、決済サービスにブロックチェーン技術を活用する取り組みが進められています。

 

FedNow(フェッドナウ)にブロックチェーン技術を活用するかなど技術面の詳細は明らかにされていません。

 

今後は各国の中央銀行が発行する「CBDC」、Facebookが発行を計画している「Libra」など、決済サービスについては注目が集まります。

 

スタンダードチャータード銀行×リンクロジス「WeQChain」

 

世界70カ国に展開しているスタンダードチャータード銀行は、中国におけるサプライチェーン・ファイナンスの透明性向上を目的としてブロックチェーン技術を活用しています。

 

電子債券記録を用いて、より効率的にサプライチェーンに関わる中小企業が資金調達を行うことをサプライチェーン・ファイナンスと言います。

 

スタンダードチャータード銀行は、中国で金融サービスを展開する「リンクロジス」との提携を結んでおり、今年の8月にはブロックチェーンプラットホーム「WeQChain」にて金融取引を成功させています。

 

サプライチェーン・ファイナンスを行う際にはクレジット(信用情報)の審査に時間と手間がかかります。

 

今回のスタンダードチャータード銀行とリンクロジスの取り組みは、「WeQChain」における取引の透明性向上やクレジットの審査コストの最適化を目的としており、サプライチェーン・ファイナンスへのブロックチェーン技術の活用の事例として注目が集まります。

 

米IBM×欧州14銀行「we.trade」

 

「we.trade」はブロックチェーン技術を活用して、国際貿易をより効率的に行うことを目指しています。

 

・分散型技術:「we.trade」への参加者が取引情報を管理・共有
・スマートコントラクト:取引の契約から支払いまでのプロセス自動化

 

貿易金融サービスのプラットフォームとして「we.trade」は上記のような特徴があり、すでに欧州14銀行が参加しています。

 

「we.trade」はブロックチェーン基盤として「IBM Blockchain Platform」を利用しており、2018年7月には商用取引に成功しています。

 

「we.trade」を共通プラットフォームとすることで、国際貿易におけるクレジット(信用情報)の審査や管理もより円滑に行えるようになります。

 

「we.trade」は着実に取り組みを進めており、国際貿易における金融サービスとして、普及が期待されています。

 

世界資源研究所(WRO)「RTプロジェクト」

 

世界資源研究所(WRO)は2019年5月に「RTプロジェクト」を創立しており、ブロックチェーン技術を活用した越境振替サービスの展開を予定しています。

 

RT:Real Time

 

越境ECは増加傾向にあり、ブロックチェーン技術を活用することで第三者機関を必要としないP2P方式での決済が可能となります。

 

これにより越境ECの資金リスクを軽減することができ、よりスピーディーな決済-清算サービスを実現できます。

 

RT(Real Time)金融システムへの取り組みを世界資源研究所(WRO)は行っており、RTブラックリスト証拠保全プラットフォームといった機能によって信用調査もより円滑に行うとしています。

 

LINE×KYC・カストディ「LINK ME」

 

LINEはブロックチェーン技術を活用したサービスとして展開をしていた「Wizball」「4CAST」の終了を発表しています。

 

今後はブロックチェーン技術を活用した金融サービスの提供を目指すとしており、暗号資産ウォレット「LINK ME」の正式版を今年の10月にもローンチするとしています。

 

暗号資産ウォレット「LINK ME」の正式版にはKYC(本人認証)、カストディサービス機能が追加され、LINE IDでの簡単ログインができるといった特徴が明らかにされています。

 

新機能を追加した暗号資産ウォレットが、今年10月にローンチ予定となっていることから日本国内における暗号資産取引所の開設にも期待が集まります。

 

日本ではビットポイントのハッキング事件があったことから新規での取引所開設のハードルがより高くなったと考えられますが、カストディサービスについてはよりニーズが高まると考えられます。

 

Elliptic×AML「エリプティック・データセット」

 

暗号資産取引におけるアンチマネーロンダリングの予測と検出を行える「エリプティック・データセット」の開発をブロックチェーン企業の「Elliptic」は行っています。

 

「Elliptic」は2015年に大手会計事務所「KPMG」から暗号資産カストディ業務について適格認定を受けるなど、暗号資産の黎明期から活躍をしていました。

 

「エリプティック・データセット」は機械学習プラットフォームの「カグル(Kaggle)」で利用することができ、すでに総額60億ドルの取引を対象にしています。

 

暗号資産をめぐってはFATFがマネーロンダリング対策の一環として取引所に「受取人の顧客情報管理・共有」を求める規制を発表するなど、国際的な法的な枠組み作りに取り組んでいます。

 

暗号資産取引における最大の特徴であった「匿名性」を排除するために今後はOTC取引の増加が予想され、さらなる不正取引の増加も考えられます。

 

そのような中で、Ellipticの取り組みは大きな注目を集めており、暗号資産業界におけるアンチマネーロンダリングへの取り組みとしてさらなる発展が期待されています。

 

中国人民銀行×貿易金融

 

中国人民銀行(PBoC)はブロックチェーン技術の活用に積極的な姿勢を見せており、中央銀行デジタル通貨(CBDC)発行計画や貿易金融プラットフォームにおける外国為替取引などに取り組んでいます。

 

中国はアメリカによる経済制裁によって製造工場の海外移転や失業率の悪化など景気が落ち込んでいます。

 

そのため新しい景気刺激策やビジネスモデルの構築が急務とされ、AIやブロックチェーンなど新興産業への投資をアリババやテンセントが積極的に行っています。

 

中国人民銀行(PBoC)の貿易金融プラットフォームは深セン28の銀行との提携をすでに結んでおり、今年8月の正式稼働が予定されています。

 

ブロックチェーン上での取引記録の管理・共有は書類のやり取りの簡略化や取引情報の改ざん防止といったメリットを貿易金融にもたらすとして中国人民銀行(PBoC)の取り組みが今後、どのような広がりを見せるか大きな注目が集まります。

 

参考文献

 

外汇+税务+银行上链央行区块链 贸易金融可实时付汇

 

Elliptic releases data set for anti-money laundering in bitcoin, explores new AI techniques with research scientists

 

LINK CHAIN’S SLOW FORAY INTO DECENTRALIZED FINANCE

ブロックチェーン技術を活用した RT金融システムが目指す決済取引の未来像とは?

 

FinTechの脅威を感じて–欧州14銀行がブロックチェーンで挑む貿易金融の課題

 

We’ve completed our first joint transaction on blockchain platform with Linklogis

 

サプライチェーン・ファイナンスの導入メリットが大きい企業

 

Federal Reserve announces plan to develop a new round-the-clock real-time payment and settlement service to support faster payments

 

返信する

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA