ヨーロッパにおけるセキュリティトークンビジネスの展望

STO

TokenSoftは、スイスに設立された「TokenSoft International AG」を通じて、ヨーロッパでのセキュリティトークン事業を展開しています。

 

ヨーロッパ市場では、ドイツやイギリス、スイスを中心にSTOが実施され、各国の法規制に応じて様々な特徴を有しているのが特徴です。

 

今回は、ヨーロッパでのセキュリティトークンへの取り組みを解説し、セキュリティトークンビジネスの展望について考察していきます。

 

ヨーロッパ セキュリティトークン市場の現状

 

スイスでは、blockimmoがブロックチェーンベースの不動産取引プラットフォームを開発し、2019年3月にはおよそ289万ドルの不動産(アパート、レストラン)取引に成功しています。

 

blockimmoは、「STX.SWISS」と共同で、株式の20%をセキュリティトークンとして発行し、STOを実施。

 

このSTOは、スイス金融市場監督局(FINMA)およびリヒテンシュタイン金融市場監督局(FMA)からの認可を受け、行われてます。

 

また、「OverFuture SA」は、ブロックチェーン上でIPOを行う「デジタルIPO」の実施を発表しています。

 

株主情報のブロックチェーン上での管理・共有を行うことで、IPOプロセスの効率化が図られるとされていますが、日本では

 

・主幹事証券会社
・株主名簿管理人
・株式会社証券保管振替機構

 

といったプレイヤーがIPOには必要不可欠であり、どのような規制に基づいてブロックチェーン上で、上場に向けた各種業務が行われるのか注目が寄せられています。

 

イギリスでは、株式をセキュリティトークン化し、IPO前のラウンドでSTOを実施する「ハイブリッドIPO」の実施を「Worldchess」が発表しており、ヨーロッパにおいては国ごとに多種多様なセキュリティトークンの活用を目指す取り組みが行われています。

 

そのような市場環境の中でもドイツでのSTOはヨーロッパ市場においても大きな注目を集めています。

 

ドイツのセキュリティトークン市場

 

ドイツでは、規制当局であるBafinからの認可を受けるために多くの企業がSTOプロジェクトの監査手続きに取り組んでいます。

 

ETO(Equity Token Offering)プラットフォーム「Neufund」は、3,387,752ユーロに及ぶETOに成功。

 

Bafinとの協議の中では、プロジェクトの開示情報の監査のみならず、

 

・最低投資額
・大口投資家限定

 

といったこれまで前例のない募集要項についても話し合いが行われました。

 

「Neufund」がBafinの認可を受けてからは、

 

・P2Pの中小企業向けの融資プラットフォームを運営する「Bitbond
・有望スタートアップ企業の投資ポートフォリオを提供しているVCファンド「StartMark

 

といった企業が社債セキュリティトークンを発行しています。

 

また、不動産証券を担保としたセキュリティトークンの発行も「Fundament Group」が行っており、ベルリン、ハンブルクなどを拠点とした不動産をポートフォリオとして、2億5000万ユーロに及ぶSTOが実施されています。

 

米国では「RealT」がRegS、Dに準拠して不動産事業を営む有限会社の部分的所有権のセキュリティトークン発行を実施し、Uniswapを通じて、海外投資家への販売を行っており、各国の規制当局および規制ごとに不動産セキュリティトークンの定義も異なることがわかります。

 

さらには、不動産開発プロジェクトへの参加証明書をセキュリティトークンとして発行するといったユニークな取り組みもBlack Mantaが実施しています。

 

その他のヨーロッパ諸国でも規制当局の認可を受け、下記のようにSTOが行われています。

 

デンマーク:ARYZE

リヒテンシュタイン:Smartchem

 

まとめ

 

“Due to the regulatory clarity in Switzerland and due to the comfort that the regulators have there with blockchain-based assets, the pace of innovation has been a little bit faster in Switzerland and so that’s why we do see more activity out in Switzerland,”

 

TokenSoft Inc.のCEOであるMason Bordaはこのように語っており、高い技術力を持つ米国企業が海外市場に参入することで、さらなる市場の発展が見込まれると考えられます。

 

規制が明確になっている地域では、ブロックチェーンシステム開発企業としてもカスタマイズがしやすい一方で、多くの国々ではセキュリティトークンおよび暗号資産に関する法規制が明確化されていないといった課題が存在しています。

 

また、法規制が定められた国や地域においても既存の金融市場の安定性を担保するために厳格なセキュリティトークン規制が整備されるといった事例もあり、米国においてもSEC登録免除規定「Regulation」の改正案が提出されるなど、セキュリティトークンをめぐる法規制に関しては今後も議論が必要であると考えられます。

 

TokenSoftのスイスでの展開がヨーロッパのセキュリティトークン市場にどのような好影響をもたらすのか大きな期待が寄せられていますが、米国企業の海外進出は各国のセキュリティトークンビジネスの高度化を図る上でも重要な意味を持つことでしょう。

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