TokenSoft ERC-1404|RegTechによるコンプライアンス業務の自動化

STO

米国では企業がセキュリティトークンプロトコルを利用して資金調達が行われており、Form F-1、N-2による登録届出書にもその詳細について記載がされています。(Theseus U.S. Debt Fund)

 

the shares will be issued in a digital format and represented on the Ethereum blockchain under the ERC-1404 standard. The ERC-1404 standard allows shareholders to interoperate with the entire Ethereum ecosystem with added functionality that allows the Fund to enforce transfer restrictions within the share’s “smart-contract.” This enables the Fund to control, among other things, the conditions under which shares may be transferred, to whom shares may be transferred and the number of shares that may be transferred

株式はデジタル形式で発行され、ERC-1404プロトコルに基づいてEthereumブロックチェーンに表示されます。ERC-1404プロトコルにより、株主は、ファンドが共通の「スマートコントラクト」内で譲渡制限を実施できるようにする追加機能を備えたEthereumエコシステム全体と相互運用できます。これにより、ファンドは、とりわけ、株式が譲渡される可能性のある条件、株式の譲渡先、および譲渡される可能性のある株式の数を制御することができます。

https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1780267/000119312519189247/d97053dn2.htm

 

TokenSoftの開発した「ERC-1404プロトコル」は幅広い分野で採用が見込まれているプロトコルであり、すでにFidelityのR&D部門であるFidelity Applied Technology Center(FCAT)と提携して実証実験を実施しています。

 

ERC-1404は、ブロックチェーン上で投資家のホワイトリスト登録や転送制限といった複雑な規制要件をクリアするために設計され、

 

・新規投資家のオンボーディング(KYC/AML)

・セキュリティトークンの継続的な管理

・配当および償還

 

といった業務・手続きの自動化によって、コンプライアンスプロセス全体の透明性および説明責任の確保を実現。

 

そのような実績から米国ブロックチェーン協会・セキュリティトークンワーキンググループの共同議長にTokenSoftのチーフリーガルオフィサーAlex Levineが選出されています。

 

RegTechによるコンプライアンス手続きの自動化

TokenSoftはセキュリティトークンワーキンググループにおいて規制当局や制作関係者との協議を通じて、下記の目的を達成するために指導的な役割を果たすとしています。

 

Regulatory Clarity

 

・Regulatory Clarity:既存の規制フレームワーク内でブロックチェーンを使用する方法に関するガイダンスの提供。

 

現在はSECへの免除規定Regulationへの準拠によって、セキュリティトークンの発行および取引の際にも投資家保護を遵守するためのロックアップ(譲渡制限)期間が設けられています。

 

一方、ブロックチェーンの使用を前提として証券法は作られておらず、新たな規制を設けるためにもガイダンスによる基準の制定は米国のみならず各国で重要です。

 

現在、日本でもSTO協会が「電子記録移転権利等の発行市場を担う基幹システムのガイドライン」を発表するなど、証券市場のデジタル化に向けては既存の市場関係者とブロックチェーン開発企業との慎重な協議が必要であると言えます。

 

Enhanced Compliance

 

・Enhanced Compliance:ERC-1404などのセキュリティトークンプロトコルを使用することで、従来の証券インフラでは実現が難しいとされてきたコンプライアンスの業務の効率化(強化)。その方法に関する教育とガイダンスを提供。

 

セキュリティトークンは有価証券の性質を持つために、「投資家の種別・マネーロンダリングへの関与・ロックアップ(譲渡制限)」といった条件の確認を転送時に行う必要があります。

 

・セキュリティトークンを発行し、投資家に転送する際の転送制限

・転送失敗時のエラーメッセージの表示

・ERC-20をサポートするウォレットと取引所との統合も可能

 

上記の機能もERC-1404には実装されており、有価証券のデジタル化に対応したプロトコルの利用によって、コンプライアンス手続きが自動化され、より安全なセキュリティトークンの取引が可能となります。

 

転送制限によって、コンプライアンスの遵守が自動化されることは、各国のセキュリティトークン市場においても活発な議論が行われるべきであると考えられ、TokenSoftが主導する教育とガイダンスの提供に注目が集まります。

 

Greater Automation

 

Greater Automation:ブロックチェーンインフラストラクチャがどのように自動化、情報開示に関する責任を強化できるかに関するガイダンスおよび評価制度の提供。コンプライアンス手順を可能な限り標準化することで、トランザクションのエラーを減らします。

 

“We’re excited to add TokenSoft’s expertise as we work with regulators to create nuanced standards to spur the blockchain economy’s growth. Securities law remains a vital issue and the TokenSoft team provides important perspective in support of a pro-business and pro-consumer regulatory solution.”
 — Kristin Smith, Executive Director of The Blockchain Association

 

上記のようにブロックチェーン協会の理事であるクリスティン・スミスは述べており、TokenSoftが有する専門的な知見がブロックチェーン経済の成長を促進し、企業および投資家向けの「regulatory solution」をサポートする上で重要な視点を提供するとしています。

 

まとめ

 

セキュリティトークンの本格的な実用化に向けては既存の市場関係者および投資家からの理解を醸成する環境の整備が重要であり、米国においては最先端のコンプライアンス技術を持つ企業による積極的に取り組みによって市場のさらなる発展が見込まれます。

 

米国のユースケースを参考に

 

・新規投資家のオンボーディング(KYC/AML)

・セキュリティトークンの継続的な管理

・配当および償還

 

といった基本的な機能から

 

・セキュリティトークンを発行し、投資家に転送する際の転送制限

・転送失敗時のエラーメッセージの表示

・ERC-20をサポートするウォレットと取引所との統合を可能に

 

といったより実践的な機能の実装についても検討が必要であると言えます。

 

・参考文献

ERC-1404, one year later
Signs of success for a compliance-first token standard
TokenSoft Joins The Blockchain Association
TokenSoft Inc., a leading fundraising and management platform for blockchain-enabled securities, today announced it will be joining the Blockchain Association.

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