フランス・セキュリティトークン市場の現状|Blockpulse・Equisafeの取り組み

STO

フランスでは国内初のセキュリティトークン取引所の開設を目指して「Blockpulse」が「Lemonway」と提携を結び、ブロックチェーン技術を活用した証券の発行・管理サービスを提供することを明らかにしています。

 

フランスでは、ソシエテジェネラル銀行が債券のトークン化の実証を実施するなど、証券のデジタル化には前向きな取り組みが行われてきました。

 

「Blockpulse」のサービスを活用することでSTOによる資金調達を行いたい企業は、法的文書、電子署名、オンラインペイメント、キャップテーブル、株式変動のレジストリをプラットフォームで簡単に作成することができます。

 

「Blockpulse」の共同創設者兼社長であるThibaut Ingelaere氏は、「Blockpulseにはすでに12のクライアントがあり、まもなくさまざまなパートナーシップを発表する予定です。」と語っています。

 

今回はフランスSTO市場における各企業の取り組みについて解説していきます。

 

 

Blockpulse:フランス国内初のセキュリティトークン取引所開設へ

 

33万ユーロの資金調達に成功している「Blockpulse」は、2020年の第2四半期中に独自のプラットフォームを通じてより多くの資金調達を予定しています。

 

日本国内でもエンジェル投資家などがスタートアップ企業への投資を行うなど、近年ではプライベートエクイティ投資への注目が高まりつつあります。

 

米国では同様の事例としてナスダックプライベートマーケットやSHEREPOSTといったプライベートエクイティ取引所がありが、ブロックチェーンベースでのセキュリティトークン取引所としてはtZEROやOpenfinancenetworkが挙げられます。

 

現在のところセキュリティトークン取引所への上場銘柄は数種類と市場としては小さいものではありますが、フランスをはじめとして各国で取り組みが行われることでより多くの人々から関心を集めることが予想されます。

 

「Blockpulse」は、フランス銀行から“Agent prestataire de service de paiment.”として登録を受けたことでトークン発行に対するユーロの支払いを管理できるようになり、今後18ヶ月以内には「スタートアップ企業向けの証券取引所」になることを目指しています。

 

Lemonway:投資プラットフォーム向けのヨーロッパ有数のデジタル決済ソリューションプロバイダー。KYC / LCBFTサービスを提供。

 

Equisafe:フランス初の不動産担保セキュリティトークン

 

パリの西部郊外にある高級不動産であるAnnA Villaは、フランス初の不動産担保セキュリティトークンとして2019年6月に発行されました。

 

フランスのデジタル投資銀行「Equisafe」は、セキュリティトークン発行業務などを通じて、AnnA VillaのSTOを支援しました。

 

通常の不動産証券の立ち上げは、構成に数週間かかり、費用は20,000ユーロ近くになりますが、Equisafeは、AnnA Mansionのプロセスを完了するのに30分しかかかりませんでした。

 

Equisafeは、ブロックチェーン技術を活用することで、証券発行プロセス全体を効率化することができ、今後は15のセキュリティトークン化プロジェクトを計画しているとのことです。

 

このEquisafeの取り組みは、EUでのSTOのさらなる普及と、フランスSTO市場の発展に貢献するとして大きな注目を集めています。

 

AnnA Mansionの所有権を合弁会社である「SAPEB AnnA」に譲渡し、イーサリアムブロックチェーンを利用して100個のセキュリティトークンに分割。

 

各トークンはそれぞれ100,000ユニットに分割され、発行プラットフォームを通じて最低投資額6.5ユーロで取引が行われました。

 

このフランス初の不動産担保STOによって、合計650万ユーロが調達され、建物の所有権がブロックチェーン上で取引された歴史的な実例となりました。

 

各トークンには、購入・売却履歴や取引の条件、配当権、投票権に関する情報が記載されており、ブロックチェーン技術によって、これらの情報は改ざんされず、いつでもアクセスできます。

 

フランスは暗号資産やブロックチェーンを景気刺激策として活用できるよう、他国に先んじて法規制を整備してきましたが、トークン化された証券は依然として既存の証券法の対象となります。

 

Equisafeは、証券のトークン化のためのフルスタックサービスとしての展開を目指しており、発行、管理、流通市場の活性化を促進します。

 

Equisafeの今後の展開について

ブロックチェーンを通じて多くの投資家がセキュリティトークン化された金融商品にアクセスしやすくすることをEquisafeは目指しており、今後6か月から9か月にかけて15を超えるSTOプロジェクトがあるとしています。

 

不動産に加えて、証券、投資ファンド、美術、さらには映画制作への参加権など、規制された実世界の資産にセキュリティトークンを活用することで、市場の流動性を向上させることに繋がります。

 

最近では、英国のワールドチェスがSTOをIPOの前に行う「ハイブリッドIPO」を発表するなど、ヨーロッパにおいてもSTOへの取り組みが盛んに行われています。

 

まとめ

 

不動産担保STOを手がけているドイツのFundament Groupは、およそ74億ドルに及ぶ資金調達に成功しており、2019年の海外スタートアップ企業の資金調達ランキングで1位に輝いています。

 

EUがセキュリティトークンに関係している企業が88社あるとされており、最も企業が多いドイツは20、次いでスイスは15の企業が確認されています。

 

証券市場のデジタル化の促進にSTOを活用する取り組みが盛んに報じられていますが、ヨーロッパでは不動産(担保証券も含む)のセキュリティトークン化も確認されており、今後は不動産STOへの注目が高まるとも考えられます。

 

日本においても、株式会社リードリアルエステートがSecuritizeプラットフォームを使用して、銀座、新宿、渋谷、などの不動産物件のトークン化を発表しており、各国で行われる不動産のトークン化への取り組みに期待が寄せられています。

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