イギリスの金融当局である金融行為規制機構(FCA)はサンドボックスプログラムを提供しています。FCAのサンドボックスプログラムは、金融業界にイノベーションをもたらそうとしている企業が監督のもと、限定的に実際のマーケットにサービスを提供し、フィードバックを受けるというプログラムです。このプログラムは実際の市場において新たな金融イノベーションがどのような影響をもたらすのか、どのようなフィードバックがあるのかを検証するために始められました。
1年に2回実施され、今までに4回実施されています。このプログラムに参加するに当たって、企業はFCAの参加資格を満たさなければなりません。
参加基準
1: そのビジネスは、イギリスの金融業界で正しく規制されている産業にイノベーションをもたらそうとしている、もしくは規制されているビジネスを支援しようとしているか?
2: そのビジネスは新たなイノベーションをもたらすものか、もしくは既存のビジネスと十分に異なるものか?
3: そのビジネスは、消費者に対して明確なメリットをもたらすか(直接もしくは企業間競争によって)?
4: ビジネス事業者は、そのビジネスをサンドボックスて検証することを本当に必要としているか?
5: あなたには、実際のマーケットであなたのビジネスを試すための準備ができているか?
これとは別に、サンドボックスに参加する会社はイギリス国内で事業実態がなある必要があります。ほとんどの場合、イギリスの銀行口座も必要とされています。
メリット
1: サンドボックスに参加し、FCAの監督の元で実際のマーケットでビジネスを試したということは、投資家の安心材料となります。
2: サンドボックスに参加した事業の40%とはサンドボックス検証期間中、もしくはその後に投資を受けました。
3: 事業は、サンドボックスでの消費者からのアップデートと、実際に事業を展開する際の事業可能性を検証することができます。
4: FCAは、事業者が規制に則った事業展開を行うようにアドバイスをすることができます。
データ
1: およそ50%の事業がリテールバンキング事業。
2: 全体のおよそ80%がスタートアップ会社であるが、大企業も一定数参加しています。
3: DLT技術がもっとも多く使われました。
4: 複数の事業が、暗号通貨による送金サービスを検証した。サンドボックスに参加するに当たって、FCAは万一顧客の資産が失われた場合、全額補償することを要求しました。
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