ブロックチェーンを活用した金融のデジタルトランスフォーメーション(DX)の現状

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ドイツ国内の証券取引所の統括を行なっている企業グループであるドイツ取引所は、コメルツバンクやクレディスイス、UBSとの共同で債券取引への分散型台帳技術の導入への取り組みを行なっています。

 

証券取引の分野では、デジタルトランスフォーメーション(DX)の一環として分散型台帳技術によるデータ共有システムの構築への取り組みが行われており、日本でも三菱 UFJフィナンシャル・グループがセキュリティトークンとスマートコントラクトを活用した金融取引プラットフォーム「Progmat(プログマ)」を発表。

 

今回のドイツ取引所の債券取引には、ブロックチェーンCordaを活用して開発されたプラットフォームが使用されており、ルクセンブルクのHQLAX社が開発を手がけています。

 

世界各国でもブロックチェーンへの注目は高まっており、取引履歴の偽造を防止し、脱税を防止できるとして中国では金融のみならず各分野で導入が進んでいます。

 

・中国銀行 ブロックチェーン債券発行システムで金融債権(200億元)を発行
・バイドゥ ブロックチェーン、AI、ビッグデータを活用した「XuperChain」によるスマートシティプロジェクト(医療、交通、行政、司法)を公表
・国外への資本流出防止などを目的にブロックチェーンを活用した「デジタル人民元」の発行を予定

 

「暗号法(Cryptography Law)」を2020年1月に発効予定とされていますが、「デジタル人民元」の普及によって米ドルとの基軸通貨争いにも注目が集まります。

 

アメリカではGAFAが金融業へ進出することに対して、既存金融の秩序を乱すとして規制当局をはじめとして反対する声が上がっていますが、各分野で導入が進められています。

 

・Nasdaq 金融機関へのブロックチェーンPFを開発しているSymbiontに約21億円を出資
・バンク・オブ・アメリカ 貿易金融PFマルコ・ポーロ・ネットワークに参加
・IBM ブロックチェーンプラットフォーム「Food Trust」を各企業が活用

 

ネスレやウォルマートが食の安全性を高めるために食品トレーサビリティシステムに「Food Trust」を活用していますが、金融分野ではFacebook・Libraの失速など中国と比較すると社会的ニーズの低さによってブロックチェーンの普及が遅れているとも言えます、

 

日本ではERP(統合基幹業務システム)導入の際にも各企業ごとに異なるシステムを使用するといった事例もあり、企業や業界を横断した業務の統一化への取り組みは社会的関心は高いものの、実現は難しいとも考えられてきました。

 

一方で、金融の分野では現金や紙による取引をFintechを活用した取り組みによって効率化するキャッシュレス決済などがここ数年で普及しており、証券取引においてはセキュリティトークンとスマートコントラクトの活用がデジタルトランスフォーメーション(DX)を実現するとして「Progmat(プログマ)」など開発が進められています。

 

医療や行政の分野では、デジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みが活発に行われていますが、ブロックチェーンを導入するほど偽造防止に対してニーズが低いこともあり、ブロックチェーンの社会実装は特定の分野に限られることが予想されます。

 

金融の分野に関しては、「Progmat(プログマ)」のように有価証券をセキュリティトークンとして発行し、スマートコントラクトとプログラマブルマネー(デジタル通貨のようなものと想定されます)による自動決済によるデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現が果たされるとしてブロックチェーンを導入する取り組みには期待が寄せられています。

 

ドイツ取引所や中国銀行、大手銀行HSBCもスマートコントラクトを活用した債券市場の効率化への取り組みを行なっており、tzeroやOpenfinanceといったセキュリティトークン取引所とともにセカンダリーマーケットの発展を担うことが予想されます。

 

これまで、セキュリティトークンは発行プラットフォームを活用した資金調達方法(STO)として活用されてきましたが、既存金融商品(有価証券)のデジタル化とスマートコントラクトとの組み合わせによる金融市場の効率化への活用が行われることでしょう。

 

中国のキャッシュレス決済Alipayの開発・運営を行なっているアントフィナンシャルでは、ブロックチェーンを活用することで、およそ3ヶ月かかっていたサプライチェーン・ファイナンスにおける中小零細企業の資金調達(融資)を数秒でできると発表しています。

 

アントフィナンシャルは、これまで透明性の低かった中国の中小企業のファイナンス情報をブロックチェーンで共有・管理を行えるとして、リアルタイムでの資金調達(融資)を実現することを目指しています。

 

スマートコントラクトによる自動決済によって、デジタルトランスフォーメーション(DX)が急速に普及している金融市場ですが、既存金融商品(有価証券)のみならず収益配当権などのセキュリティトークン化によって、より多くの人々がトークンエコノミーを活用したセカンダリーマーケットでの取引を実現するための取り組みも進んでいます。

 

ブロックチェーンへの関心は高いものの、導入に関してはその必要性がない分野も多く存在しますが、金融分野においてはその活用がどのように社会を変革していくのか今後も注目が集まります。

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