セキュリティトークン(デジタル証券)市況・概況|Overstockに続く成長企業の参入は?

デジタル証券(セキュリティトークン)市場は、ナスダック上場企業「Overstock」の株価上昇とともに、成長を遂げています。

 

参照: https://www.nasdaq.com/market-activity/stocks/ostk

 

「Overstock」の株価上昇率は最安値であった3月と比較すると2,354%と報じられており、昨日100ドルを突破したことからさらなる上昇率が期待されています。

 

これほど業績を伸ばすポテンシャルを秘めた企業が、デジタル証券(セキュリティトークン)を発行しているケースは現在のところ「Overstock」のみではありますが、3月にこの奇跡的な出来事を予想できた人は少ないでしょう。

 

未曾有の金融緩和と新型コロナウィルス感染拡大により偶発的に生み出された株価上昇ではあるものの今回の「Overstock」の事例はデジタル証券(セキュリティトークン)市場への関心を高め、より多くの投資家を惹きつけるきっかけとなったことは間違いありません。

 

今のところ「Overstock」と子会社「tZERO」が市場を牽引していますが、最近ではより多くの企業がデジタルアセットやブロックチェーンによる金融インフラ、サービスの提供に関心を抱いていることが報じられており、市場参加者の増加がデジタル証券(セキュリティトークン)市場の中長期的な発展を実現することでしょう。

 

デジタル証券(セキュリティトークン)市場・概況

 

経済回復への見通しが立たない状況下においても量的金融緩和政策が維持されていることを背景に米国ではNASDAQ総合指数や金先物が史上最高値を更新

 

また、金の上場投資信託(ETF)にも多くの資金が流入し、S&P500は今年の3月と現在までの指数を比較すると40%の上場率となっている中、ビットコインなどデジタルアセット市場にも多くの資金が投じられています。

 

デジタル証券(セキュリティトークン)市場の時価総額は6月29日には1億2,100万ドルだったものの8月6日には5億ドルを突破しており、急速な市場拡大が進行。

 

参照: (2020年8月8日15時・日本時間)

 

米国でEC小売事業を展開する「Overstock.com Inc」は新型コロナウィルスの影響によって業績を伸ばしており、株価は今年の3月につけた最安値2.54ドルから現在は100ドル前後で推移しており、この1ヶ月の間に株価は2倍となっています。

 

「Overstock.com Inc」が発行するデジタル証券(セキュリティトークン)「OSTKO」も最安値からほぼ10倍の価格となっており、子会社であるtZEROとともに市場の発展に貢献しています。

 

参照:

 

※ デジタル証券(セキュリティトークン)「OSTKO」はブロックチェーンベースの「Digital voting series A-1 preferred stock(デジタル投票シリーズA-1優先株)」のことです。

 

株式市場においては、Wayfair・Novavaxといった企業とともに1,000%以上の株価上昇率を記録した企業として「Overstock.com Inc」は報じられており、現在のところ「Overstock.com Inc」の業績好調を背景にデジタル証券(セキュリティトークン)市場の拡大が進行していると考えられます。

 

1企業の急速な業績拡大によって市場全体の時価総額が底上げされている一方で、その他の銘柄には依然として取引高が低調であることには注意しなくてはなりませんが、デジタル証券(セキュリティトークン)市場の歴史においても「Overstock.com Inc」の非常に重要な存在であると言えます。

 

※「Overstock.com Inc」がいなければとても寂しい市場になっていたことでしょう。

 

NASDAQ上場企業である「Overstock.com Inc」は、市場環境の変化の恩恵を受け急速な発展を遂げていますが、ブロックチェーン事業への参画を図っていることなどを背景に子会社tZEROによるプラットフォーム運営のみならず自社でもデジタル証券(セキュリティトークン)を発行していました。

 

「Overstock.com Inc」が「Digital voting series A-1 preferred stock」としてデジタル証券(セキュリティトークン)「OSTKO」を発行したように同様の事例が将来有望なビジネスモデルを有するNASDAQ上場企業によって行われるかは定かではありません。

 

しかし、デジタルアセット市場への資金流入が続く中、世界的な投資銀行であるゴールドマンサックスはブロックチェーンを活用した金融システムやデジタルアセットに高い関心を示しており、トークン発行を検討するともしています。

 

デジタル証券(セキュリティトークン)市場の真の発展は、大手企業の参入にあるとも考えられ、株式や社債などの資産を担保にしたトークンの発行(証券のデジタル化)が期待されます。

 

今週は、日本でも日本STO協会の正会員・賛助会員の増員に関する報道がなされており、海外のSTOの最新動向を踏まえ、デジタル証券(セキュリティトークン)の今後について考察していきます。

 

Polymath 「Token Studio 2.0」

 

デジタル証券(セキュリティトークン)発行プラットフォーム「Polymath」は、トークンの発行・管理プロセスの利便性を向上させるため「Token Studio」のバージョンを更新しました。

 

KYC / AML、法律サポート、ブローカーディーラー、カストディ、アドバイザリーサービスなどを提供する各プレイヤーとの効率的な連携を図る「Polymath Service Provider Marketplace」の提供も「Polymath」は行っており、デジタル証券(セキュリティトークン)エコシステムの構築に取り組んでいます。

 

「Polymath」が手がけるブロックチェーン「Polymesh」の活用に向けて「Token Studio 2.0」は開発されており、

 

・アセットタイプ
・ティッカーシンボル
・アセットの識別

 

などクライアントのニーズに合わせたデジタル証券(セキュリティトークン)の設計をサポートし、

 

・厳格なコンプライアンス要件の設定、対策
・管轄区域を問わず法規制に準拠することを保証
・KYCの確認による投資家の適切な管理

 

といったメリットをもたらすとされています。

 

「Polymath」はEthereumからPolymeshへの移行に取り組んでおり、英国でデジタル証券(セキュリティトークン)取引所の開設に取り組んでいる「Archax」はPolymesh tokenのサポートを発表しています。

 

より多くのSTO企業にPolymeshが活用されることがエコシステムの拡大に繋がると考えられ、今後も「Polymath」の取り組みに大きな注目が集まることでしょう。

 

テルアビブ証券取引所(TASE) ブロックチェーン証券貸付プラットフォーム

 

金融システムのデジタル化への対応を各国の企業が取り組む中、イスラエルではブロックチェーンを活用した証券貸付プラットフォームの設立をテルアビブ証券取引所(TASE)が計画しています。

 

証券取引の効率化や高度で低コストなセキュリティをブロックチェーンはもたらすとされ、P2Pによる投資家間での金融商品の直接貸付取引といった世界的にも珍しい取り組みをテルアビブ証券取引所(TASE)は進めており、今年11月2日に運用開始を予定。

 

「ブロックチェーン技術は、高度なレベルの安全性をもたらし、証券貸付プラットフォームの成長をサポートします。TASEはグローバルな金融イノベーションのリーダーであり、資本市場の技術的革新を戦略的に追求しています。」

 

とテルアビブ証券取引所(TASE)のEVP・クリアリング部門の責任者Orly Grinfeld氏は述べており、証券取引所によるブロックチェーンプラットフォーム開設の取り組みがどのようにその国の資本市場の発展に影響を及ぼすのか、11月2日のオープンが待たれます。

 

まとめ

 

各STO企業のサービス開発のみならずクラウドファンディング事業者や証券取引所の市場参加が活性化している傾向にあります。

 

Tokeny Solutions(ルクセンブルク):米国Fintech SaaS企業「Invenium Capital Partners」との連携により「Data Integrity and Price Discovery for Private Securities」に関するサービスを提供へ。

 

Wecan Tokenize(スイス):Geneva Management Groupとの連携によりデジタルトークンを活用したポルトガルの不動産の資金調達に成功。

 

Max Property Group(オランダ):オランダの金融市場局(AFM)からブロックチェーンベースの不動産クラウドファンディングプラットフォームの承認取得。

 

ヨーロッパ各国においては不動産市場への参入も盛んに行われており、時価総額のみならずデジタル証券(セキュリティトークン)市場の裾野の広がりが見込まれています。

 

セカンダリーマーケットのみならず各国のプライマリーマーケットの活性化がデジタル証券(セキュリティトークン)の発展には必要不可欠であり、今後もブロックチェーンに対応した資本市場の形成が進行することでしょう。

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