データエコシステムとブロックチェーン技術|ニューリテールの現状と課題

今回は、中国のデータエコシステムの現状とブロックチェーン技術の有用性について考察していきます。

 

オンラインビジネスは相互的に連携し合い、エコシステムの拡大とともに新たなビジネスモデルの構築を実現してきました。

 

既存の小売業者がECサイトでの商品販売を始める事例も相次いでおり、これまでのビジネスに新たな付加価値をもたらすとしてデジタル化が進行。

 

今後は、顧客の行動データをオフライン・オンラインを問わず蓄積し、より適切なタイミングで良質な顧客体験をもたらすことが企業には求められると考えられ、「信用・健康・購買」などに関するデータを活用した新たなエコシステムの構築も行われています。

 

データエコシステムにおいては、包括的なデータ収集とその活用によるサービスの高速改善が競争原理とされ、オンラインサイトのみならず、店舗におけるリアルな顧客サービスにおいてもデジタル起点の思考が必要とされます。

 

また、製品を製造し、販売するといった従来のバリューチェーン型から「データを活用し、新しい顧客との接点をオフライン・オンラインで作ることによって、より優れた価値提供を継続して行う」バリュージャーニー型のビジネスモデルの構築が重要とされています。

 

企業はオンライン・オフラインが融合(Online Merge Offline)した市場の中で、どのようにしてデータを収集・活用し、顧客との接点を確保し、顧客体験(全体体験)を向上させていくのでしょうか?

 

まずは、中国企業の事例を見ていきましょう。

 

 

顧客データの活用と経済活動の活性化

 

従来の百貨店をビックデータを活用し最適化し、顧客データを活用したデジタルマーケティングやロジスティクス機能の効率化に銀泰百貨(インタイム)は、取り組んでいます。

 

銀泰百貨(インタイム)は、タイムリーな顧客ニーズの把握によって、より効率的なトレンド分析や新商品開発を実施し、顧客体験の向上を実現。

 

また、10km圏内に住む顧客に対しては2時間以内の発送が可能となっており、オンライン・オフラインの両方に対応した販売・ロジスティクス機能を有しているのが特徴です。

 

店頭に並ぶ商品も在庫として管理されており、配送ロボットがバックヤードからの指示のもと店員から商品をピックアップするといったユニークな取り組みも行われています。

 

百貨店としての機能のみならず倉庫としての機能も有しており、オンラインでの売れ行きをオフラインでの在庫管理、陳列商品にも反映するなど、小売業における新しい顧客体験を提供。

 

日本でも店舗で販売していた商品をオンラインサイトで販売することで、新たな顧客層の獲得を実現するケースが多くありますが、中国では百貨店そのものが様々なテクノロジーを活用して新商品の開発やロジスティクス機能を強化しています。

 

また、顧客データを活用することで、年齢層や好みに応じて顧客が求める商品を提供するといった販売の最適化をも実現しており、百貨店にお店を構えるテナントに対してもより効率的な経営をサポート。

 

中国百貨店市場におけるテナント別売上高(2018年度)においては銀泰百貨(インタイム)の21のテナントがランクインしており、顧客体験のみならず経済活動そのものの活性化にも貢献しています。

 

小売業界におけるデジタル化の進展と新たな経済圏の創出

 

小売業界はデジタル化が遅れている一方で、その市場規模は4.5兆ドルとされており、データを活用した顧客への多角的なアプローチと機能拡大によって「ニューリテール」の実現を図る取り組みが各国で進行。

 

・盒馬鮮生(フーマー):人海戦術による生鮮食品の短時間配送。銀泰百貨と同様に「EC+実店舗+倉庫」の機能とデータエコシステムの活用によって、スーパーのデジタル化を業界に先駆けて推進。よりきめ細やかな顧客層への対応を実現するために事業の多角化を行い、顧客体験の向上を目指しています。

 

・Walmart(ウォルマート):自動ピックアップロボット「Alphabot」・在庫管理ロボット「Auto-S」・店舗受取用の保管マシーン「ピックアップタワー」を活用したデジタル化をはじめとして、駐車場での商品ピックアップなど業務効率化を推進。

 

日本でもメルカリで農家から直送で農作物を購入できるようになり、「食べチョク」「ポケットマルシェ」といったC2Cマーケットプレイスも普及し始めています。

 

仲介業者を介さないことによる新たな経済圏の創出が産業のデジタル化を促進している昨今の状況下においては、店舗に行かずとも顧客は商品の購入を行えるといったメリットがある一方、リアルにコミュニケーションを図る接点が減少しているとも言えます。

 

スターバックスは各国にリザーブロースタリーを展開し、非日常かつスペシャルな顧客体験を提供する取り組みを行っており、顧客データをもとにしたデジタルマーケティング・ロジスティクス機能の強化のみならず「思わず行ってみたくなる」体験価値の提供が今後の小売業には求められることでしょう。

 

まとめ

 

デジタルエコシステムの拡大はオンライン・オフラインを融合し、より良い顧客体験の提供を促進するだけではなく、リアルな顧客との接点の価値向上といった観点からも考察するべきだと考えられます。

 

小売業のデジタル化し、良くも悪くも味気のない体験(顧客としては)が増える中で、メルカリでのちょっとした生産者さんとのやり取りが心地よく感じることも多々あり、体験価値の向上を各企業はどのように実現し、新たな経済圏を創出するのでしょうか?

 

「希少性の高い顧客体験」の提供が重要される中、シームレスな決済・情報の信用性の担保といった観点からはブロックチェーンを活用したデジタル通貨の活用も中国では見込まれています。

 

顧客(個人)情報の相互運用性が高まる中、百貨店やECサイトとった小売業のみならず、都市開発・国際的な経済圏の創出といった観点から将来的なブロックチェーン技術の幅広い活用が期待されていると考えます。

 

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