・「Clubhouse」の価値と特徴
選ばれた人々による健全なコミュニティ形成
自発的な参加型ソーシャルメディア
即興的なコミュニケーション
Clubhouse、これから機能開発が進んで、まだまだ伸びると思う。音声サービス領域全体も盛り上がる。
というのが、CEO自らによるTownhallを聴いていて確信に近づいた。 pic.twitter.com/6MSrpUJeTN
— Naoki Aoyagi @メルペイ (@naoki) January 24, 2021
日本の音声SNS市場においてもインフルエンサーがすでに参画をし、
「どのように収益化を図るのか?」
「在宅勤務の普及でメディア事業に追い風が吹く中でどのタイミングでサービスが跳ねるのか?」
「YouTubeやTwitterの延長線上で音声だと難しい点・逆に使いやすい点はなんなのか?」
といった議論が交わされてきました。
「Clubhouse」が人気を集める理由としては、提供される情報のクオリティが高く、ネットワーク効果による「現象」として認知が進んでいることが挙げられ、今後も「あの人が使っているから自分も使ってみよう」と商品価値の高まりがどのレイヤーまで発展し、プロダクトの魅力が広まるのかに注目が集まることでしょう。
・従来のYouTuber、Instagramer、TikTokerにある過激な話題性のある虚業的なマーケティングが音声SNS市場で広まるのか?
・グローバルなディスカッションの場が偶発的に提供される魅力的な時間はいつまで続くのか?
といった議論もさることながら米国ではVC「REMUS」が18歳のTikToker「JoshRichards」を採用し、各プラットフォームでの収益化方法をより詳細に検証するといった取り組みも進んでおり、「音声SNS市場」においても「インフルエンサー経済」の発展が期待されます。
本稿では音声SNS「Clubhouse」について解説し、新たなインフルエンサービジネスとしての特徴や魅力について考察していきます。
>>音声メディア市場における「Clubhouse」の競合優位性|人気クリエイター獲得と収益化に向けて
Clubhouseにもいくつか強烈な引き算があるが、
・リスナーからの全てのレスポンス
・ほぼすべての文字情報を引き算
・データが消える刹那性とかかなぁ驚いた点は。「リアルタイムの重要性」に全集中してる感じ。 https://t.co/K9Lt76DDKT
— Takaya Shinozuka (@shinojapan) January 25, 2021
Clubhouse、何のためのサービスか?は、ユーザーに委ねている感じがする。まず様々な使い方をしてもらい、今後、必要に応じてユーザー層やコンテンツを絞り込んでいくのかなと。マネタイズはその時検討で、今はMAUやコンテンツ数を追う感じなのかなと。しかし、この焦燥感の醸成は上手い。笑
— 古城 巧 | STRIVE(VC) (@kojotaku29) January 25, 2021
新たなインフルエンサービジネスとしての「Clubhouse」

2010年代はマスメディアの衰退とともに個人での情報発信ビジネスが大きな発展を遂げ、YouTuber、Instagramer、TikTokerなど各SNSプラットフォームにおいて数多くのインフルエンサーが誕生しました。
音声SNSの場合は従来のインフルエンサービジネスの主体ではなかった40-50代も知見や経験を語ることで人気を得ることも可能となることから虚業的な側面が少ない本質的な価値提供が実現されると考えられます。
また、突発的に行われる著名人のディスカッションは従来のメディアには存在しない新鮮な顧客体験を創出することからサービス開始当初はシリコンバレーのアーリーアダプター層からの支持を得て、
・ベンチャーキャピタリスト間のディスカッション
・さまざまな有名人のトークショー
・DJナイト
・ネットワーキングイベント
・演劇
・政治的なディスカッション
などさまざまな領域の音声サービスを提供してきました。
2020年5月にアンドリーセンホロウィッツが主導したシリーズAラウンドで「Clubhouse」は、約1億ドルの評価と算定され、利用者の増加とともに「クラブハウスインフルエンサー」の育成にも最近では取り組んでいます。
このことから従来のYouTube、Instagram、TikTokとは異なるエコシステムの形成が期待され、他のソーシャルプラットフォームで多くのフォロワーがいない場合でも、「Clubhouse」で多くの視聴者を生み出す事例が増加することでプラットフォームとしての価値向上が図られることでしょう。
>>Clubhouseの特徴と差別化戦略|音声による人間的な繋がりの充足と現代の時代精神へのアプローチ
ClubhouseがQuoraっぽい意識高い系に終わるかFacebookのように途中から大衆化していくのか興味がある。動画を見る暇がないけど音声だったら流しっぱなしにできるインテリ層はいそう。特に北米だと車での通勤時間が耳の取り合いになってそうだし。音声メディアは可処分時間争奪戦の開拓地ではあるよね https://t.co/tQrMxBHuKC
— Masanori Kusunoki / 楠 正憲 (@masanork) January 25, 2021
ClubHouse楽しいなー
2000年代のmixiとかTwitterの黎明期を思い出す
このままキャズムを超えていくのだろうか
今夜なにか喋ってみよう
— 鶴田浩之 | 日本初「出世払い」のエンジニア養成機関やってます (@mocchicc) January 25, 2021
音声SNS「Clubhouse」のメリット・デメリット

子育てブロガーであり、ディズニーインタラクティブのコンテンツ責任者を務めたキャサリンコナーズ氏(50歳)は、「Clubhouse」のプラットフォーム上でフェミニズムと哲学に関する定期的なトークショーを主催しています。
「Clubhouse」の代表的なインフルエンサー約40人を選抜した「クリエイターパイロットプログラム」にも参加しているキャサリン氏は「クラブハウスでの興味深い特徴は、他のプラットフォームとは異なります」と述べており、Z世代やミレニアル世代ではない40・50代の人々が活躍する場であることが「Clubhouse」の特徴の1つです。
利用者拡大とともに参加層の低俗化が進んだことで、初期のTwitterやFacebookの牧歌的なプラットフォーム運営は駆逐されましたが、「Clubhouse」は「音声」を通じたコミュニケーションによって成立することから参加者はより洗練された情報発信を行わねばならず、限られた人々によってエコシステムの構築が進行。
一方、「Clubhouse」はマネタイズやデータアナリティクスの方法が確立されていないことが課題とされ、従来の電話会議のように明確なルール(開始時間/参加する人間)やコンプライアンスが明確化されておらず、現在は参加する人々の善意によって成立していると言えます。
ストックビジネスであるYouTuber、Instagram、TikTokでは広告収入目的で公共性やコンプライアンスに乏しいコンテンツが創出されやすいビジネスモデルと言えますが「Clubhouse」は音声によるストリーミングサービスである点において差別化戦略が構築されています。
すでに多くの人々が従来のSNSに飽きていることも「Clubhouse」の人気を後押ししている要因の1つであり、「あの人が使っているから自分も使ってみよう」といったネットワーク効果を活用した事業戦略の構築とともにさらなる普及が期待されます。
Clubhouseについて、弊社のドイツオフィスの同僚から聞いたのですが、ドイツではinviを売買している人も多数いるらしく”way too crazy”な状況との事.. https://t.co/cDzBSxDFbv
— 小野 直人 / BCG Digital Ventures – Director of BizDev (@ononaoton) January 25, 2021
Clubhouse 、Twitter始まった時にこれ誰がやるのというくらい、余った時間を使う方法を僕らは知らなかった。想像するなら、全く違った生活の中で使われるイメージなのかを想像したらいいかも。目で何かを追うのはもう飽和。次は耳を使うしかない。ソーシャルなのか、ラジオぽいものか、というと、
— SHINJI KIMURA (@shinzizm2) January 24, 2021
Clubhouse 会社情報

設立日 2020年3月15日
創設者 ポール・デイヴィソン、ローハン・セス
資金調達額 1,000万ドル(シリーズA)
※1月24日にシリーズBラウンドを発表
投資家 アンドリーセンホロウィッツ、Kortschak Investments
ビデオチャット「Houseparty」「Loom」、バーチャルオフィス「Pragli」など即興的なコミュニケーションツールは実用性が完備された「Zoom」「slack」とは異なる価値を提供しています。
このことからより知的好奇心がくすぐられる直感的なコミュニケーションのあり方を人々は潜在的に模索しているとも考えられ、メディアコミュニケーション市場全体がより「即興性」を追求することが期待されます。
もしや…と思って「Clubhouse 招待」でメルカリを見てみたら3万円で売ってる人がいましたw
ちなみにebayだと当然ながら件数はもっと多くて、200円から5万円までわんさかいます。市場とは… pic.twitter.com/JiC6nar7YY
— 平田 智基 (@t_10_a) January 25, 2021
1) ドイツでのClubhouseの爆発の仕方でひとまずわかったこと。グロースのいい教科書でした。
最初に人気テック系ポッドキャストの司会者2名が続きをClubhouseでやる(参加者12人)
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次回までに参加者増やす勝負を実施。telegramのグループで招待送る
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その一人がOMRのジャーナリスト。編集部を招待 https://t.co/J3C5AroDOd— Kenichiro Hara| DCM Ventures (原健一郎) (@kenichiro_hara) January 25, 2021