音声SNSアプリ・Clubhouseとは?即興性とインフルエンサービジネスとしての特徴

・「Clubhouse」の価値と特徴

選ばれた人々による健全なコミュニティ形成

自発的な参加型ソーシャルメディア

即興的なコミュニケーション

日本の音声SNS市場においてもインフルエンサーがすでに参画をし、

 

「どのように収益化を図るのか?」

「在宅勤務の普及でメディア事業に追い風が吹く中でどのタイミングでサービスが跳ねるのか?」

「YouTubeやTwitterの延長線上で音声だと難しい点・逆に使いやすい点はなんなのか?」

 

といった議論が交わされてきました。

 

Clubhouse」が人気を集める理由としては、提供される情報のクオリティが高く、ネットワーク効果による「現象」として認知が進んでいることが挙げられ、今後も「あの人が使っているから自分も使ってみよう」と商品価値の高まりがどのレイヤーまで発展し、プロダクトの魅力が広まるのかに注目が集まることでしょう。

 

・従来のYouTuber、Instagramer、TikTokerにある過激な話題性のある虚業的なマーケティングが音声SNS市場で広まるのか?

・グローバルなディスカッションの場が偶発的に提供される魅力的な時間はいつまで続くのか?

 

といった議論もさることながら米国ではVCREMUS」が18歳のTikTokerJoshRichards」を採用し、各プラットフォームでの収益化方法をより詳細に検証するといった取り組みも進んでおり、「音声SNS市場」においても「インフルエンサー経済」の発展が期待されます。

 

本稿では音声SNS「Clubhouse」について解説し、新たなインフルエンサービジネスとしての特徴や魅力について考察していきます。

 

>>音声メディア市場における「Clubhouse」の競合優位性|人気クリエイター獲得と収益化に向けて

 

新たなインフルエンサービジネスとしての「Clubhouse」

2010年代はマスメディアの衰退とともに個人での情報発信ビジネスが大きな発展を遂げ、YouTuber、Instagramer、TikTokerなど各SNSプラットフォームにおいて数多くのインフルエンサーが誕生しました。

 

音声SNSの場合は従来のインフルエンサービジネスの主体ではなかった40-50代も知見や経験を語ることで人気を得ることも可能となることから虚業的な側面が少ない本質的な価値提供が実現されると考えられます。

 

また、突発的に行われる著名人のディスカッションは従来のメディアには存在しない新鮮な顧客体験を創出することからサービス開始当初はシリコンバレーのアーリーアダプター層からの支持を得て、

 

・ベンチャーキャピタリスト間のディスカッション

・さまざまな有名人のトークショー

・DJナイト

・ネットワーキングイベント

・演劇

・政治的なディスカッション

 

などさまざまな領域の音声サービスを提供してきました。

 

2020年5月にアンドリーセンホロウィッツが主導したシリーズAラウンドで「Clubhouse」は、約1億ドルの評価と算定され、利用者の増加とともに「クラブハウスインフルエンサー」の育成にも最近では取り組んでいます。

 

このことから従来のYouTube、Instagram、TikTokとは異なるエコシステムの形成が期待され、他のソーシャルプラットフォームで多くのフォロワーがいない場合でも、「Clubhouse」で多くの視聴者を生み出す事例が増加することでプラットフォームとしての価値向上が図られることでしょう。

 

>>Clubhouseの特徴と差別化戦略|音声による人間的な繋がりの充足と現代の時代精神へのアプローチ

 

音声SNS「Clubhouse」のメリット・デメリット

子育てブロガーであり、ディズニーインタラクティブのコンテンツ責任者を務めたキャサリンコナーズ氏(50歳)は、「Clubhouse」のプラットフォーム上でフェミニズムと哲学に関する定期的なトークショーを主催しています。

 

「Clubhouse」の代表的なインフルエンサー約40人を選抜した「クリエイターパイロットプログラム」にも参加しているキャサリン氏は「クラブハウスでの興味深い特徴は、他のプラットフォームとは異なります」と述べており、Z世代やミレニアル世代ではない40・50代の人々が活躍する場であることが「Clubhouse」の特徴の1つです。

 

利用者拡大とともに参加層の低俗化が進んだことで、初期のTwitterFacebookの牧歌的なプラットフォーム運営は駆逐されましたが、「Clubhouse」は「音声」を通じたコミュニケーションによって成立することから参加者はより洗練された情報発信を行わねばならず、限られた人々によってエコシステムの構築が進行。

 

一方、「Clubhouse」はマネタイズやデータアナリティクスの方法が確立されていないことが課題とされ、従来の電話会議のように明確なルール(開始時間/参加する人間)やコンプライアンスが明確化されておらず、現在は参加する人々の善意によって成立していると言えます。

 

ストックビジネスであるYouTuberInstagramTikTokでは広告収入目的で公共性やコンプライアンスに乏しいコンテンツが創出されやすいビジネスモデルと言えますが「Clubhouse」は音声によるストリーミングサービスである点において差別化戦略が構築されています。

 

すでに多くの人々が従来のSNSに飽きていることも「Clubhouse」の人気を後押ししている要因の1つであり、「あの人が使っているから自分も使ってみよう」といったネットワーク効果を活用した事業戦略の構築とともにさらなる普及が期待されます。

 

Clubhouse 会社情報

設立日 2020年3月15日 

創設者 ポール・デイヴィソン、ローハン・セス

資金調達額 1,000万ドル(シリーズA)

※1月24日にシリーズBラウンドを発表

投資家 アンドリーセンホロウィッツ、Kortschak Investments

 

ビデオチャット「Houseparty」「Loom」、バーチャルオフィス「Pragli」など即興的なコミュニケーションツールは実用性が完備された「Zoom」「slack」とは異なる価値を提供しています。

 

このことからより知的好奇心がくすぐられる直感的なコミュニケーションのあり方を人々は潜在的に模索しているとも考えられ、メディアコミュニケーション市場全体がより「即興性」を追求することが期待されます。