国際金融・経済

中国経済減速の原因|消費主導型経済や国進民退について

 

中国では地方政府の債務問題の懸念から債務削減を目指す取り組みが行われ、国内総生産(GDP)における債務比率が安定し、財務の健全化が図られてきました。

 

しかし、2018年には米中貿易摩擦によって生産拠点の移転や民間企業の倒産が相次ぎ、失業者が急増。

 

中国政府は社会的不安が広がることを懸念して、雇用低迷に関する報道の規制などを行なっており、設備投資、インフラ投資、消費刺激といった分野で景気刺激策を講じています。

 

今回は中国経済減速の原因や今後の見通しについて解説していきます。

 

中国経済の現状と課題

 

これまでの中国経済はインフラ投資や設備投資といった「途上国型経済」によって発展してきましたが、最近では個人消費の拡大から「消費主導型経済」への転換の時期に差し掛かっているとも言えます。

 

2018年の中国の名目GDPは1470兆円であり、アメリカは2230兆円であることから今後は消費大国として国際的な地位を中国が確立するとも考えられます。

 

将来的にはアジア全体の「途上国型経済」が中国によって大きく発展する可能性もありますが、現状は雇用不安から2019年上半期は自動車や小売り市場で大幅な減益を記録しています。

 

個人消費が伸び悩む中で、中国政府はインフラ投資による景気刺激策を打ち出し、2019年上半期は建機やセメント市場において増益を記録しています。

 

しかしながら、「消費主導型経済」への転換に向けては製造工場の海外移転が今後も加速すると考えられ、雇用問題が解決されない限り、個人消費が拡大することは難しいと言えます。

 

そのため中国経済は過渡期にあるといえ、今後も途上国型経済型の経済刺激策を講じていくことが予想されます。

 

どのように雇用を拡大させ、「消費主導型経済」への転換を図るかが当面の中国経済の課題と考えられます。

 

中国 「国進民退」について

 

中国の民間企業は社会保険料に加えて城市維持建設税や付加価値税も負担しており、税金の企業負担が大きいことで知られています。

 

また、国有経済の増強と民有経済の縮小と目指した「国進民退」を中国当局が2018年から打ち出したことで、資産の海外移転を行なった民間企業も存在します。

 

大きな発展を遂げた中国経済ですが、最近は「私有制の根絶」を目指す取り組みや「社会主義市場経済」への傾向があり、経済刺激策以前の社会思想の面で大きな不安要素を抱えていると言えます。

 

しかし、民間による経済促進活動が抑制される中でも米中貿易交渉の再開などプラス材料もあり、今後は5G投資への活性化も期待されています。

 

自動運転やAI、ブロックチェーンといった最先端の技術を活用した産業の活性化への取り組みも行われている中で、「国進民退」への取り組みがどのように中国で行われていくのか注目が集まります。

 

中国経済減速の原因について

 

・労働者賃金の上昇
・海外企業の撤退
・中国人民元の上昇
・輸出競争力の低下
・政府や地方政府の汚職
・地方政府債務問題
・不動産投資市場の減退
・所得格差の拡大
・地方銀行経営の悪化
・経済指標の信憑性が薄い

 

低コストに支えられた経済成長が限界を迎えた中国経済ですが、中国経済の低迷には上記のような要因が挙げられます。

 

今後は経済成長率は緩やかに上昇下降を繰り返していくと考えられますが、「消費主導型経済」の成熟にむけて、まずは消費者マインドの改善が必須であると考えられます。

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参考文献

中国、地方政府の資金調達支援 インフラ建設を促進

中国28年ぶり低成長、長期化に3つの不安

成長率が鈍化した中国経済、実は「40年前の日本」とソックリ

中国で倒産500万件、失業1000万人 米中貿易戦争影響か

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