Chainlink(チェーンリンク)|オラクルによるスマートコントラクトの統合と将来性

今回は、Chainlinkについて解説し、オラクルによるスマートコントラクトと外部システムのシームレスな統合を考察していきます。

 

Smart Contract Summit 2020が8月28,29日に開催されました。

 

・Chainlink
・Synthetix
・YEARN.FINANCE
・Ampleforth
・BZX
・Aave

 

といった企業の創業者達が基調講演、パネルディスカッションを行い、拡大を続ける市場の持続的な成長に向け、現状の取り組みや今後の懸念点などについて様々な議論が交わされました。

 

DeFi市場にはガバナンストークンの発行などを要因にここ数ヶ月で多くの資金が投じられていますが、従来の金融システムとは異なる分散型金融システムの利活用に伴うリスクへの懸念が広がっており、Chainlinkの共同創設者セルゲイ・ナザロフは、現在のような“greed phase”は持続することはないとし、Synthetix、Compound、Chainlinkといった企業はこのブームが終わった後も、Defi市場に存続するだろうと述べています。

 

市場では、dydxでのフラッシュローンやCompound、Uniswapを活用し、低流動性銘柄WBTCの価格下落(空売り)が引き起こされたことで、bZxが1300ETHの損害を被るといったケースも発生しており、システム上の欠点を利用した投資手法にも大きな警戒が必要であると言えます。

 

また、新たに発表されたDefiプロジェクトの中には、セキュリティ監査を受けていないとするものもあり、そのようなプロジェクトへの資産の預け入れは投資家保護の観点からは警戒が必要であると考えられます。

 

しかし、DeFiに関してはどのようにして法律による規制を施すべきなのか曖昧な部分も多く、いかにして投資家に危険性を周知するかについて様々な取り組みが必要であると言えます。

 

Chainlinkについて

 

Chainlinkは、スマートコントラクトとオフチェーンデータやAPIを接続するOracleの開発・提供を手掛けており、様々な分野における既存システムとのシームレスな統合を実現します。

 

・スマートコントラクトは、外部環境のデータにアクセス(接続)することができない。
・一元化されたオラクルは、単一障害点となってしまう。

 

といった課題を解決するためのソリューションとしてChainlinkは、分散オラクルネットワークを構築し、「信頼性の高い安全なミドルウェア」として複数のオラクルが外部からのデータを評価します。

 

Chainlinkは、複数の異なる外部ネットワークと相互に接続し、「複合機能性」を提供することができるとされ、農作物保険を例にすると、

 

・データプロバイダー(OpenWeatherMap、WorldWeatherOnline、WeatherBug etc…)が、分散型オラクルネットワーク「Chainlink」にデータを送信。

・分散型コンピューテーションでのデータ処理

・分散型オラクルネットワーク「Chainlink」を介して様々な支払いシステムでの保険支払いを実行(Paypal、SWIFT、ビットコイン etc…)

 

Chainlink公式日本語資料参照

 

といったようにスマートコントラクトを活用したよりシームレスなシステムの構築を実現。

 

これまでは、単一のデータ・システムにおけるスマートコントラクトの実行が行われてきましたが、「ミドルウェア」としてChainlinkのオラクルサービスを活用することで、様々なデータ・システムを統合することが可能となります。

 

Chainlink 市場での利活用

 

Synthetic Assetsやレンディングの分野では、ゴールドやインデックスなど資産価格の参照のためにChainlinkの分散型オラクルの技術「Chainlink Price Feeds」が活用されています。

 

リアルタイムな資産価格の取得をサポートし、

 

・デリバティブプラットフォームの価格決定(Synthetic)
・担保の合計値を保証(AAVE)

 

といったメリットを各企業のプラットフォームにもたらします。

 

また、「Chainlink Price Feeds」を使用することで法定通貨や通貨バスケットの価格に連動したステーブルコインの作成も可能となります。(Ampleforth、HAVEN)

 

LOOPRING、OPENLAWといった資産管理プラットフォームにおいても資産比率のリバランスのために「Chainlink Price Feeds」が活用されています。

 

スマートコントラクトを使用して分散型金融商品を作成するにはPrice Feeds(価格フィード)が重要であり、外部データとスマートコントラクトを繋ぐオラクルの提供によって、Chainlinkは分散型金融市場における重要なインフラストラクチャーの提供を実現しています。

 

Chainlinkは、EthereumとGoogle Cloudを統合し、BigQueryデータをブロックチェーン上で使えるようにした事例やそのほかにもStake Technologies(日本)、LCX(リヒテンシュタイン)、Bullionix(シンガポール)など各国の企業との技術提携やサービス提供を相次いで発表しており、市場の発展には欠かせない存在となりつつあると言えます。

 

オラクルによるスマートコントラクトと外部システムのシームレスな統合

Chainlinkについて今回はまとめてみました。

 

すでに2017年9月にICOで3,200万ドルを調達しているのですが、株式による資金調達は行わないのかちょっと気になりました。

 

有望な企業だと思うのですが、バイナンスとかでLINKトークンを購入するとなると少し抵抗がありますよね。

 

ChainlinkがシリーズA〜Cあたりで株式を担保にして、セキュリティトークン発行したらトークンによる調達市場もより活性化する、、、?と思う次第です。

 

有望なブロックチェーン関連の企業がSTO市場に参入すればと日頃から思っては見るものの資産を担保にしていないトークンによる調達の市場も変化を遂げており、コインチェックのIEOなど、より幅のある資本市場の形成が小規模ではあるものの行われている中、市場全体をより包括的に観測するべきであると考え、Chainlinkを調べてみた次第です。

 

(調達の形はさておき、スマコンと外部システムの間で技術的にどう機能しているのかより深く知りたいところです。)

 

bZxの新手のアービトラージ事件もスマートコントラクトに脆弱性があったわけではないですが、今後はChainlinkのオラクルを採用することをbZxの事業責任者のカイル・キスナーは示唆しており、より安全で信頼性の高いスマートコントラクトと外部システムの統合がChainlinkによって進むことが市場の健全性につながるとも考えられます。

 

毎週のように提携が発表され、コーネル大学が開発するオラクルデータ検証プロトコル「DECO」を買収するなど、Chainlinkの有する技術的価値とその利活用によるビジネスの発展への貢献は今後も大きな注目を集めることが期待されます。

 

オラクルによるスマートコントラクトと外部システムのシームレスな統合がどのように市場の形成を支えていくのか継続した調査を行なっていきます。

・参考文献

急成長する金融ブロックチェーン「DeFi」のリスク、そして規制課題は? [Consensus2020レポート]

システムの穴を突いて仮想通貨ETHを大量に獲得した方法:元GoolgeエンジニアがbZx不正利用問題を解説

bZx事件から見るDeFiの攻撃リスクとは?

分散型金融(DeFi)熱続く、取引所が次々にDeFiトークンをサポート

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