デジタル資産運用市場の拡大について|ビットコインによる確定拠出年金(401k)プランが米国で2021年からスタート

米国ではデジタルアセットを活用した多角的なビジネスモデルが確立され、資産運用の1つの手法としてビットコイン投資がより多くの人々に知られるようになりました。

 

最近では、資産運用会社グレースケールが500,000を超えるビットコイン(BTC)を管理し、「Grayscale Bitcoin Trust BTC」をはじめとしたデジタルアセット投資信託の総額(AUM)は98億ドルに到達するなどデジタルアセット資産運用市場が拡大しています。(2020年11月13日時点)

 

また、大手決済サービス企業Paypalは、デジタルアセットの売買サービスを米国で開始し、取引所のみならず、より多くの人々が投資に参加できるインフラ整備が進行。

 

競合であるモバイル決済企業Squareは、2018年から送金アプリ「Cash App」でのビットコイン(BTC)投資サービスを提供し、最近では売上高16億3,000万ドル、営業利益3,200万ドルにまで事業が成長を遂げています。

 

本稿では、各事例を参考にデジタルアセット資産運用市場の拡大について解説していきます。

 

ビットコインによる確定拠出年金(401k)運用が米国でスタート

資産運用会社であるデジタル・アセット・インベストメント・マネジメント(DAiM)は、ポートフォリオの最大10%のビットコイン(BTC)を組み込む確定拠出年金(401k)プランの作成支援サービスの提供を開始。

 

確定拠出年金(401k)は、1978年に制定された米国内国歳入法の民間企業に勤める従業員向けの条項が「401(k)」であることからその名がつけられ、年金制度として1990年代から米国で定着し始めました。

 

日本でもiDeCoが個人型確定拠出年金として普及していますが、米国では企業型確定拠出年金プランとして運用するポートフォリオの一部にビットコインを組み込み、従業員が退職した際には譲渡するといった商品設計が可能となっています。

 

DAiMは、選択肢が少なかった従来の確定拠出年金(401k)プランの改善に向けた取り組みの一環として201910月からビットコインをポートフォリオに加える確定拠出年金(401k)プランに関するテストを実施してきました。

 

確定拠出年金(401k)を通じたビットコインへのアクセスの拡大は、デジタルアセット市場の多角化といった意味でも非常に重要な事例であると言え、サービスの提供は2021年1月からを予定しています。

 

デジタルアセット資産運用市場の拡大について

今年の10月にはデジタルアセットのレンディングサービスを提供している「BlockFi」が「Grayscale Bitcoin Trust BTC」の約5%以上を保有していることが明らかになりました。(当時のレートでは3.3億ドルに相当)

 

また、Squareも4709ビットコイン(BTC)の購入を発表しており、従来の現金や株式のみならず資産の一部をデジタルアセットとして保有する事例が確認されています。

 

日本では上場企業やデジタルアセット関連企業が、ビットコイン(BTC)の運用を大々的に行っているといった報道はなされていませんが、中長期的にはデジタルアセット投資のインフラ整備が進むことが予想され、社会的な需要は高まることでしょう。

 

現在は市場全体の中では、投資商品としての存在感は低いものの資産運用市場は拡大を続けており、今後はブロックチェーン技術を活用した証券化ビジネスの効率化の実現とともに、高利回りなセキュリティトークンの普及も見込まれています。

 

セキュリティトークンは、株式や不動産を担保に法規制に準拠し、発行されるトークンのことで、最近ではバーボンウィスキーといった様々な実物資産を担保にした発行計画が発表されています。

 

従来の資産運用市場がデジタルアセットの受け入れを進めている中、将来的な市場展望としてはセキュリティトークン投資も市場の一部となると考えられます。

 

まとめ

これまでは価格変動の激しさから投機対象として認知されてきたビットコインですが、上限供給量が2100万BTCである希少性の高い資産であることなどから再評価が進み、現在では資産運用市場においても大きな注目を集めています。

 

資産運用会社グレースケールは、すでにビットコインを500,000以上も管理しており、ソフトウェア企業であるマイクロストラテジーは21454BTCを今年の8月に購入するなど、新たな資産クラスとして今後もその価値を証明していくことでしょう。