ブロックチェーンの活用事例や市場規模

ブロックチェーンは新興技術の1つとしてAI(人工知能)やモビリティ(自動運転)とともに大きな注目を集めています。

 

すでに日本国内でも選挙での投票や食品のトレーサビリティへの活用が行われており、データの改ざんが困難であり、業務の効率化が図れる点においてブロックチェーンの導入が各分野で進められています。

 

ブロックチェーン技術にはスマートコントラクトと呼ばれる自動での取引や契約を実行する仕組みによって、金融の分野でも活用が期待されており、国際送金の迅速化や銀行口座を持たない人への決済サービスの提供を目指す取り組みが進められています。

 

多くのブロックチェーン企業がシステム開発を手がけており、技術的な支援を行うコンサルサービスも行われているなど、各業界でも商用化に向けた取り組みが本格化している中で、今回はブロックチェーンの最新事例や市場規模について解説していきます。

 

目次

ブロックチェーン市場規模や成長率

 

BaaS(Blockchain as a Service)ソリューションはブロックチェーンプラトフォームからアプリケーションの構築まで支援するものであり、大手IT企業が中心に提供、ビジネスへの応用が進められていますが、

 

ITに関する調査・助言を行なっているガートナー ジャパンが発表した「日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル:2018年」によると、ブロックチェーンの普及(主流の採用までに要する年数)にはまだ5〜10年かかるとの予想がされています。

 

 

出典:「日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル:2018年」 ガートナー (2018年10月)

 

また、矢野経済研究所の調査では2019年に171億円、2022年には1235億円に市場規模が発展すると予測されており、2017年から2022年まで年平均成長率が108.8%と見込まれています。

 

 

出典:「国内ブロックチェーン活用サービス市場を調査」 株式会社矢野経済研究所

 

実証実験や支援体制の整備が行われていく中で、市場規模は拡大することが予想され、実用化にむけて社会実装が進むことが考えられます。

 

今回はBaaS(Blockchain as a Service)の現状と課題について解説し、今後の展望を予想していきます。

 

ブロックチェーン「過度な期待のピーク期」から幻滅期へ

 

ハイプ・サイクルとはガードナー社によって作られた概念で、この曲線と図を見るだけでそのテクノロジーが世の中に浸透し、社会的にどのような位置付けになるかがわかるようになっています。

 

視覚的にテクノロジーがどれだけ成熟し、ビジネスに応用されているのかが理解でき、自社ビジネスへの導入を検討する際の指針として用いられています。

 

2019年現在において、ブロックチェーンは「過度な期待のピーク期」から「幻滅期」へさしかかっているとされ、世間からの過剰な注目や期待が薄れていくことが考えられます。

 

社会実装にむけた取り組みが本格化し、より高い技術や応用力が問われることが予想されますが、Microsoftが展開する「Azure Blockchain as a Service」などプラットフォームの提供では最近では行われています。

 

各分野ではコンソーシアムやネットワークを構築し、技術の共有や情報交換が活発に行われるなど、ビジネス向けにブロックチェーンを活用しようとする取り組みが行われていますが、

 

人的リソースや資金をブロックチェーンに投じることができる大手企業に現在では限定されていると言え、日本では「ブロックチェーンを理解している」と答えた経営層はわずか16.7%と2018年度の調査よりも大きな減少が見受けられます。

 

また、自社サービスにブロックチェーン技術を導入する際には

 

・セキュリティの観点から考えると、監視すべき箇所が多いため責任の所在が不明確

 

・データの削除や誤ったスマートコントラクトの自動処理の際の仕様変更に関する意思決定が困難

 

といったデメリットやリスクが存在します。

 

ブロックチェーンの市場規模

 

経済産業省はブロックチェーン市場規模を67兆円と発表しており、特に下記の分野においてはその活用が期待されています。

 

サプライチェーン 市場規模 32兆円

 

・小売
・貴金属管理
・美術品等真贋認証

 

メリット:原材料の製造〜流通・販売をリアルタイムで追跡できる

 

取引プロセスの自動化・効率化 市場規模 20兆円

 

・IoT
・電力事業

 

メリット:契約や履行プロセスを記録できる

 

シェアリング 市場規模 13兆円

 

・デジタルコンテンツ
・チケット
・オークション

 

メリット:利用権の移転情報やユーザーの評価を記録できる

 

5〜10年先を見据えたブロックチェーンの活用について

 

ハイプ・サイクルをみていくと、新しく創出されたテクノロジーを既存の産業に導入するには中長期的な計画が必要であることがわかります。

 

大きな期待を集め、ここ数年注目を集めていたブロックチェーンですが、

 

・世界銀行 ブロックチェーン債で1億800万ドルを調達
・会計事務所 デロイトが「ブロックチェーン・イン・ア・ボックス」をローンチ
・ウォルマート「ブロックチェーンを利用したドローン用システム」の特許申請

 

上記のような取り組みが8月だけでも行われており、開発に関する特許の申請が年々増えていることは今後の発展を裏付ける1つの証左だと考えられます。

 

中国やアメリカにおいては資本力のある企業が積極的にブロックチェーン技術を活用したビジネスモデルの構築を行っており、決済サービスなど金融業界でも導入への取り組みが活性化しています。

 

より身近にブロックチェーンを感じられるようになるのはまだ先の話となりそうですが、社会実装にむけた企業の取り組みに今後も注目が集まります。

 

ブロックチェーンと物流|ニトリがLayerXと共同事業を展開

 

物流業界においてはブロックチェーン導入への取り組みが行われており、

 

・書類手続きの効率化

・商品のリアルタイム追跡

・取引の信頼性の担保

 

といったメリットがあります。

 

ブロックチェーン上で取引情報を共有・管理することで、コスト削減ができるだけでなく、需要と供給の予測も可能となります。

 

このことで、物流全体の最適化が図られることとなり、生産・配送・販売の面で業務の効率化も実現できます。

 

食料品や医療品、海運などさまざまな領域ですでにブロックチェーンの導入は行われており、IBMやウォールマート、マイクロソフトといった大企業が世界的な取り組みを実施。

 

日本では、ニトリがLayerXと共同でブロックチェーンの導入を進めており、下記のようなメリットがもたらされるとしています。

 

・運送会社:車両の安定供給 荷主との契約〜決済の電子化

・ドライバー:スキルや実績のデータ化によるキャリア形成(直接契約ができるように)

・荷主:物流強化(選択肢増加)

 

ニトリは2020年に入ってから化粧品やアパレル業界への本格導入を発表しており、家具業界のみならず、多角的な経営を行っていくことを明らかにしてています。

 

すでに米国の小売業界ではかつて有名企業であったトイザラずなどが経営不振に追い込まれるなど、ネット通販大手のAmazonの台頭によって、寡占化が進行しています。

 

Amazonは実店舗の展開を行うなど、小売大手企業のウォールマートと激しいシェア争いを繰り広げています。

 

将来的には日本でも市場の寡占化が進むことが考えられ、

 

・商品ジャンルの多角化

・物流量の増加への対応

・物流網のデジタル化を推進

 

上記の取り組みを実施することで、ニトリはさらなる事業拡大を目指していると言えるでしょう。

 

また、LayerXは、昨年11月に三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)と共同で、セキュリティトークンとスマートコントラクトを活用した金融取引プラットフォーム「Progmat」の開発を発表しています。

 

金融と物流の領域でブロックチェーンの導入事業を手掛けるなど、日本のブロックチェーン市場を牽引しており、今後の取り組みにも注目が集まります。

 

従来の物流業界では、荷物の受け取りの際にも紙にサイン(捺印)をするなど、多くのプロセスが手動で行われる場合が多く、様々なプレイヤーが関与しています。

 

ブロックチェーンの持つ「改ざん不可」といった特徴によって、より効率的な業務プロセスが構築できるとされており、ブロックチェーンの社会実装が日本でも本格的に進行していると言えるでしょう。

 

ニトリは家具業界で32期連続の増収増益を達成するなど、全国576店舗(2020年2月現在)で、売上高6,081億円、営業利益1,007億円(2019年2月期連結決算)を誇る企業でありながらも、未来への先行投資として、物流へのブロックチェーン導入および多角化経営を目指しています。

 

ニトリが事業拡大を図る主な理由としてあげられるのが、「3000店舗、売上高3兆円」の長期目標です。

 

この目標を達成するべく、家具業界で店舗数の増加を図るよりも化粧品・アパレル業界においてM&Aやグローバル化を行うことが将来的な経営の拡大につながるとも考えられます。

 

日本企業では、ユニクロやワークマンといったアパレル企業が海外展開や機能性を重視した差別化戦略によって、急成長を遂げており、ニトリは家具業界のみならず様々な分野で事業展開を予定しています。

 

モビリティ分野におけるブロックチェーンの活用事例

 

モビリティの分野では、小田急がシンガポールのモビリティーXとの連携を行うなど積極的な取り組みを行なっています。

 

小田急は、すでに新宿駅などでMaaSアプリ「EMot(エモット)」の実証実験を行っており、目的地までの経路検索をするだけで、交通機関などモビリティのチケット予約や購入がワンストップでアプリ上でできるとしています。

 

汎用型のMaaSアプリ開発のために、タイムズ21やジャパンタクシーと連携しており、対象となる飲食店でのサブスクサービスや交通機関のデジタルフリーパスサービスもスマホで見せるだけで行うことができます。(東京、神奈川、静岡など限定地域・駅で実証実験中)

 

交通弱者へのサービス提供など社会的ニーズの高まっている中で、日本ではいち早く小田急がMaaSに関するソフトウェアの開発や導入を行なっており、モビリティーXのMaaSアプリ「ジップスター」との相互連携など、海外での利用も視野に入れていることがわかります。

 

ICTを活用して公共交通機関での移動をシームレスに行うサービスであるMaaSは、各国で取り組みが進められていますが、ブロックチェーンを導入する事例も確認されています。

 

・シェアカーチケットのトークン化で遅延リスクを軽減

 

ブロックチェーンプラットフォーム「Microsoft Azure」を活用したシェアカーチケットのトークン化の実証実験を日本マイクロソフトやJR東日本情報システムが実施。

 

このトークンを使うとシェアカーの予約やドアのロック解除ができる仕組みになっており、公共交通機関が遅延した場合でもシェアカーを利用して目的地までの移動が可能となります。

 

・自動車ごとにブロックチェーンで決済などの情報を管理

 

ホンダやBMWなどは、自動車ごとにIDを割り振りして、ブロックチェーン上で決済情報を管理するサービスの実証実験を行うとしています。自動決済手段として自動車を活用するのが目的で、より効率的な決済と情報共有を実現するとしています。

 

自動車が金融サービスの提供を行うにはブロックチェーンによる情報共有や管理が大きな役割を果たすとも考えられますが、各企業ごとのシステムの連携など課題は存在しています。

 

全ての公共交通機関が1つのブロックチェーンプラットフォームを介して連携を行うことは難しいと考えられますが、キャッシュレス決済におけるPayPayとLINEPayの事例にもあるように、大手企業の連携によってサービスの統一化が図られるとも予想されます。

 

自家用車を持つ人が減少し、カーシェアリングの利用が広まっている現在においては、公共交通機関の利用や決済を一括して管理できるMaaSの普及が見込まれています。

 

IBM

 

大手テック企業の「IBM」はこれまで共同で事業を行ってきた企業がアウトソージングの契約を縮小するなど、事業構造の転換が急務とされています。

 

クラウドやAIの分野でも自社サービスのシェア拡大に行き詰まっており、世界中で「脱IBM」への取り組みが進められるといった問題にIBMは直面しています。

 

これまで、IBMは多岐にわたる分野で技術提供を行ってきた企業ですが、最近ではブロックチェーン技術の活用を目指し、実証実験や共同事業の立ち上げを相次いで発表しています。

 

・サプライチェーン「Chainyard」
・偽造防止「Seagate Technology」
・再生可能エネルギー「中国電力」
・電子決済「IBM Blockchain World Wire」
・水資源管理「IBM Research」

 

上記の分野や企業へのブロックチェーン技術の提供をIBMは行っているなど、アメリカ大手企業による取り組みが最近では活性化してきています。

 

サプライチェーン

 

 

IBMとブロックチェーン企業「Chainyard」はブロックチェーン技術を活用した効率的なサプライチェーン管理にむけた取り組みを行っています。

 

両社が共同開発した「Trust Your Supplier」と呼ばれるブロックチェーンプラットフォームは下記の企業が参加しており、サプライチェーンの情報管理・共有のコスト削減に繋がるとしています。

 

・Anheuser-Busch InBev(アメリカ)
・Cisco(アメリカ)
・Lenovo(アメリカ)
・Nokia(アメリカ)
・Schneider Electric(アメリカ)
・GlaxoSmithKline(イギリス)
・Vodafone(イギリス)

 

「Trust Your Supplier」は「IBM Blockchain Platform」上で構築され、より信頼性の高いサプライチェーン管理システムとして今後も注目が集まりそうです。

 

医薬

 

医療業界では患者の医療データの管理・共有にブロックチェーン技術が活用されています。

 

製薬会社はより効率的なサプライチェーン管理の取り組みとしてブロックチェーン技術の導入を進めており、アメリカでは偽薬防止へにむけてすでに大手製薬会社が協業を行うなどしています。

 

日本では、下記の企業と日本IBMがブロックチェーン技術の実証実験を目指しています。

 

・アステラス製薬株式会社
・協和発酵キリン株式会社
・グラクソ・スミスクライン株式会社
・塩野義製薬株式会社
・第一三共株式会社
・大日本住友製薬株式会社
・武田薬品工業株式会社 湘南ヘルスイノベーションパーク
・田辺三菱製薬株式会社
・中外製薬株式会社
・ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社
他7社

 

参加団体
・一般社団法人ITヘルスケア学会 医療ブロックチェーン研究会
・独立行政法人国立病院機構京都医療センター
他1団体

 

オブザーバ
・神奈川県

 

廃棄プラスチック

 

 

IBM Technologyとプラスチックバンク(Plastic Bank)はブロックチェーン技術を活用して海洋プラスチック廃棄物の削減への取り組みを行っています。

 

プラスチックバンクは海洋プラスチック廃棄物を回収した人々にトークンを報酬として付与し、ハイチやフィリピンを中心として新しいエコシステムの構築に取り組んでいます。

 

海洋汚染の改善と貧困層への経済支援をIBM Technologyとプラスチックバンクは目指しており、ブロックチェーン技術の活用によって、プラスチック廃棄物にまつわるあらゆるプロセスや取引の透明性を向上させることに成功しています。

 

偽造防止

 

 

IBMとSeagate Technology(Seagate)はブロックチェーン技術を活用したHDDの偽造防止の共同事業に取り組んでいます。

 

海賊版のゲームソフトをHDDに入れて販売するといった違法行為に対しては日本でも厳罰化が進んでいますが、HDDそのものの偽装品を返品してくるといったケースやドライブにユーザーデータが残ってしまうリスクが最近では課題とされていました。

 

両社のブロックチェーン技術を活用したHDDの製品追跡プロジェクトはこのような課題を解決するために行われており、試験運用が進められています。

 

再生可能エネルギー

 

 

中国電力では再生可能エネルギーの売買にブロックチェーンを活用する実証実験を実施しています。

 

再生可能エネルギーの固定価格買取制度に基づく買取期間が、2019年11月に終了することを受けて、今後は個人や企業同士が電力の取引を行うことが予想されています。

 

そこで、日本アイ・ビー・エム株式会社はIBMクラウド上でブロックチェーン技術の基盤を構築し、中国電力に提供することで、より透明性の高い取引を目指す実証実験を行っています。

 

この実証実験では取引を希望する人同士をマッチングさせるサービスや発電量・電力消費量を模擬データとして利用することで、新しいサービス開発の検証が行われました。

 

電気事業そのものをイノベートする取り組みとしてブロックチェーン技術は期待を集めており、海外でも電力取引に活用する取り組みが進んでいます。

 

電子決済

 

 

IBMは国際的な電子決済ネットワークの構築を行っており、全世界で規制当局との協議を行っています。

 

このネットワークは「IBM Blockchain World Wire」と呼ばれ、Stellarプロトコルを採用しています。

 

将来的には72カ国47種類の通貨での支払いを目指しており、米ドルと連動したステーブルコインの発行も視野に入れた取り組みを進めています。

 

「IBM Blockchain World Wire」におけるステーブルコイン発行には国際銀行6行がすでに発行に賛同する署名を行っており、下記の法定通貨と連動したステーブルコインの発行も計画しています。

 

・ユーロ
・韓国ウォン
・ブラジルレアル
・インドネシアルピア
・フィリピンペソ

 

水資源管理

 

 

アメリカ・カリフォルニア州では干ばつが問題となっており、地下水の有効的な活用を目指す取り組みが行われています。

 

世界中の多くの地域では水不足が社会問題となっており、生物の多様性を保全することとのバランスをどう取るのかが課題とされています。

 

カリフォルニア州では干ばつによる水不足のために農作物の生産が減少し、失業率の悪化といった事態も招いています。

 

そこで、水資源の保全にIoT技術の導入を行っている「IBM Research」ではブロックチェーン技術を活用した地下水の管理システムを構築しています。

 

・地下水量のデータを「loTリモートセンサー」で取得
・「IBMブロックチェーン・プラットフォーム」に記録
・スマートコントラクトで記録を管理・共有
・リアルタイムで地下水の利用状況が確認できる

 

このような仕組みを構築し、ブロックチェーン上で農家や消費者がリアルタイムで地下水を管理することに成功しています。

 

Walmart

 

世界最大のスーパーマーケット企業のウォルマート(Walmart)はAmazonとの差別化を図るために宅配サービス「インホーム・デリバリー」を発表しました。

 

 

Amazonはドローンなどを駆使してネット通販におけるラストワンマイル問題(不在による再配達と人件費など)の解決を目指していますが、ウォルマートは「インホーム・デリバリー」によって自宅の冷蔵庫まで食品を届けます。

 

スマートエントリーシステムによって自宅内への配送が可能となり、顧客は宅配人の胸に取り付けられたカメラによって遠隔監視を行うことができます。

 

このように最先端技術の導入や新たなビジネスモデル構築に取り組んでいるウォルマートはブロックチェーン技術の活用も積極的に行っています。

 

・ステーブルコインの特許申請
・医療品サプライチェーンコンソーシアムへの参加
・IBM Food Trustへの参加
・配送管理
・スマート家電管理

 

本記事ではウォルマートの取り組みについて解説していきます。

 

ステーブルコインで購入履歴を管理

 

 

スーパーで買い物をする際には、ビザやマスターカードといったクレジットカードでの支払いをはじめとして、最近ではキャッシュレス決済が普及しています。

 

ウォルマートでは店舗での支払いに関してブロックチェーン技術を導入する計画を明らかにしており、独自のデジタル通貨としてステーブルコインの発行を目指しています。

 

現在のところは特許の申請を行っているとされ、フェイスブックの「Libra」やJPモルガンの「JPMコイン」と同様に大手企業による決済サービスとして注目を集めています。

 

最近ではFRBもリアルタイム決済システムの開発を発表しており、各国の中央銀行でもCBDC(中央銀行発行デジタル通貨)の発行が計画されています。

 

ブロックチェーン技術を活用した決済サービスの普及が予想されますが、日本における企業ごとの「Pay」サービスと同様に、各組織ごとに細分化される可能性もあります。

 

各企業の取り組みによってブロックチェーン技術による新たなビジネスモデルの確率が期待されますが、既存の金融システムの秩序を乱すとしてLibraは開発中止を求められていることから実用化にむけては規制当局との協議が必要不可欠であると言えます。

 

ウォルマートは27カ国に展開しており、その利用者の多さからステーブルコイン発行の影響は大きいと考えられます。

 

医療品サプライチェーン

 

 

医療業界ではサプライチェーンの管理にブロックチェーン技術を活用する取り組みが行われており、

 

「MediLedger Project Contract and Chargebacks」

 

と呼ばれるコンソーシアムに多くの企業が参加しています。

 

 

ファイザー社
マクケッソン・コーポレーション
アメリソース・バーゲン
プレミア社

 

ウォルマートは「MediLedger」への参加を今年6月にも発表しており、医療品のサプライチェーン管理におけるブロックチェーンネットワークの構築を目指すとしています。

 

医療業界では、患者の医療データの管理システムが各病院でバラバラであることや電子カルテの導入事例が少ないことなどが課題とされています。

 

食品サプライチェーン

 

 

ウォルマートは中国における物流を強化するために生鮮食品配送センターの設立に取り組んでおり、今後10〜20年間で1200億円の投資を予定しています。

 

中国ではすでに180都市・400店鋪以上に進出をしているウォルマートですが、ECサイトにおける食品雑貨の販売で中国国内で大きなシェアを持つ「JD DAOJIA」との連携も発表しています。

 

ブロックチェーン企業「VECHAIN」(シンガポール)
中国連鎖経営協会
プライスウォーターハウスクーパース
食品メーカーの科爾沁牛業

 

との連携によって、ブロックチェーン技術を活用した食品の追跡システムの構築を行っています。

 

中国における生鮮食品の安全性やサプライチェーン管理にブロックチェーン技術を活用することをウォルマートは目指しています。

 

消費大国への経済構造の変化を遂げようとしている中国においてウォルマートは消費者の取り込みに取り組んでおり、ステーブルコイン発行とともにウォルマート独自の経済圏創出が急務であると考えられます。

 

IBM Food Trustの導入

 

 

「IBM Food Trust」はブロックチェーン技術による食品サプライチェーン追跡システムとしてIBMが開発を進めており、ウォルマートもこの取り組みに参加しています。

 

・食品の安全性の向上
・食品廃棄物の効率的活用
・原産地、出荷状況の確認
・生産、卸売、小売における追跡

 

このようなメリットが「IBM Food Trust」を利用することで得られるためウォルマートは農家に対して「IBM Food Trust」を活用するように呼びかけを行うなどしています。

 

・Trace:食品追跡
・Certifications:証明書検証
・Data Entry and Access:データ管理

 

上記の機能が「IBM Food Trust」では月額制で利用可能となっており、今後も利用拡大が期待されています。

 

配送管理

 

 

ウォールマートはブロックチェーン技術を活用して配送管理の効率化を目指しています。

 

どの配送ロッカーが空いているのかをブロックチェーン上で確認することができ、商品の安全な配送を実現することができます。

 

ロッカーに空きがあれば事前に予約することができ、配送管理の透明性向上にもつながるとして注目されています。

 

スマート家電

 

家電製品をはじめとして様々なデバイスがインターネットと接続されるようになりました。

 

スマホアプリで使用状況を管理することができ、スマホがリモコンがわりになるなど、より快適な生活を実現するために「スマート家電」の活用が進められています。

 

ウォルマートではスマート家電の管理にブロックチェーン技術の活用を目指しており、2018年8月には特許を申請しています。

 

将来的にはスマホ家電で培ったブロックチェーンによる管理システムを住居や製造といった分野にも活かすことを計画しています。

 

ネスレ(Nestle)

 

スイスの大手食品会社「ネスレ(Nestle)」はデジタル広告や食品のサプライチェーン管理の分野でブロックチェーン技術の活用を行っています。

 

食品追跡「Food Trust(フードトラスト)」
分散型マーケットプレイス「OSA DC」
デジタル広告「JICWEBS」

 

より安全で効率的な食品提供の実現にむけて、上記の取り組みをネスレは進めています。

 

IBM Food Trust(フードトラスト)

 

 

ネスレはIBMの食品追跡ブロックチェーン・ネットワーク「Food Trust(フードトラスト)」に参加しており、2019年4月にはフランスの食品関連企業の「Mousline」が出荷するマッシュポテトの追跡サービスに取り組んでいます。

 

この取り組みにはフランスの小売関連企業「カンフール」も参加しており、3社が共同でブロックチェーン技術を活用した食品追跡事業を行うとして注目を集めました。

 

・食品の種類
・製造場所、日時
・品質
・店頭販売までの期間
・保存場所

 

商品に貼られたQRコードを読み取ることで上記の商品情報を確認することができ、消費者は「食の安全性」や「流通経路」についてリアルタイムで知ることができるようになります。

 

「Food Trust(フードトラスト)」には「アルバートソンズ・カンパニーズ」やウォルマート(Walmart)、ユニリーバ(Unilever)といった食品関連企業が参加しており、食品追跡にブロックチェーン技術を活用する取り組みは今後も拡大することが予想されます。

 

マーケットプレイス 「OSA DC」

 

https://youtu.be/FQw4XiRWkpc

 

サプライチェーン業界において製品廃棄物は長年の課題とされています。

 

「OSA DC」はサプライチェーンに関連する情報を収集し、AI技術によって分析することで、製品廃棄物が抱える問題を解決する取り組みを進めています。

 

AI技術とブロックチェーン技術を活用した「分散型マーケットプレイス」の開発を「OSA DC」は行っており、より効率的なサプライチェーンの構築を目指しています。

 

2018年11月にはネスレが「OSA DC」との契約を結んでいます。

 

デジタル広告「JICWEBS」

 

 

ウェブサイトに表示される広告については

 

ブランドセーフティ:ネガディブな内容の記事への掲載
アドフラウド:なりすましや無効なトラフィック、広告料金の過剰請求
ビューアビリティ:閲覧機会のない広告

 

上記のような事例について検証する仕組み(アドベリフィケーション)が必要であるとされており、より透明性の高いデジタル広告のあり方が模索されています。

 

ネスレは「JICWEBS(Web標準化企業団体)」によるブロックチェーン技術をデジタル広告サプライチェーンに活用する実証実験に参加を表明しており、これにはマクドナルドやヴァージンメディアも参加しています。

 

「JICWEBS(Web標準化企業団体)」が企画するプロジェクトはデジタル広告におけるブロックチェーン技術の有効性だけでなく、運用効率や投資利益率(ROI)についても調査対象とされています。

 

将来的にデジタル広告へのブロックチェーン技術の導入に関してのコンサルタント業務を行うことも「JICWEBS(Web標準化企業団体)」は視野に入れて取り組みを進めており、ネスレとしても新たな顧客層の開拓や広告運用の最適化に向けて取り組みを進めていくと考えられます。

 

マスターカード(Mastercard)

 

マスターカード(Mastercard)は積極的にブロックチェーン技術の導入を行っており、フェイスブックのリブラ(Libra)協会にも参加を表明しています。

 

クレジットカード会社として全世界で利用されているマスターカード(Mastercard)ですが、ステーブルコインが新しい決済手段として普及が見込まれる中で、新たなビジネスモデルの構築が必要不可欠であると言えます。

 

・暗号資産ウォレット開発へ求人募集
・暗号資産用クレジットカード発行へ
・ブロックチェーンに関する特許を申請
・製品追跡プラットフォームの構築

 

すでにマスターカード(Mastercard)では上記の取り組みを進めており、今回はその詳細について解説していきます。

 

 暗号資産ウォレット開発

 

今年の8月にはマスターカード(Mastercard)が暗号資産関連の求人募集したことが話題となりました。

 

・ブロックチェーンエンジニア
・商品開発担当者
・製品管理担当者
・暗号資産ウォレット生産管理担当者

 

上記の他にも決済プラットフォーム、戦略的プログラムなどの担当者も募集しており、マスターカード(Mastercard)はブロックチェーンや暗号資産事業への本格的な参入を行うことが伺えます。

 

金融の分野ではフェイスブックがステーブルコインLibraを発表するなど取り組みを進めており、JPモルガンなども積極的な商品開発を進めています。

 

マスターカード(Mastercard)は暗号資産ウォレットの開発を行うことが予想されますが、大手企業による取り組みによってブロックチェーン業界がさらなる発展を遂げると考えれます。

 

Coinbeneとの提携 クレジットカード発行へ

 

 

今年の7月にはマスターカード(Mastercard)ブラジルとCoinbeneブラジルが「デジタル通貨とフランスの法定通貨を交換できるクレジットカード」を発行しました。

 

このクレジットカードは中華人民共和国建国70周年を記念して行われたもので、主にブラジル在住の中国人を対象にしています。

 

マスターカード(Mastercard)のネットワークを通じて現金の引き出しができる機能も実装されており、Coinbeneのブラジルにおける事業展開を促進するとして話題を集めました。

 

ブロックチェーン技術による新たな金融サービスの展開を進めるマスターカード(Mastercard)の取り組みに今後も注目が集まることが予想されます。

 

ブロックチェーンに関する特許申請

 

マスターカード(Mastercard)はクレジットカードの決済において認証情報を安全に送信する技術の開発を目指しています。

 

この取り組みの一環として、ブロックチェーン技術を活用したシステムについての特許申請を2018年6月に行っています。

 

また、マスターカード(Mastercard)では複数のブロックチェーンを共通のブロックチェーンに記録することのできる技術を開発しており、2018年10月にはその特許についても申請を行っています。

 

製品追跡

 

 

マスターカードはブロックチェーン技術を活用してアパレル用品のコピー品や偽装防止への取り組みを行っています。

 

高級ブランドはコピー品が市場に出回ることで、1年間で303億ドル(約3兆2000億円)の損失を被っていました。

 

今回は有名セレクトショップ「フレッド・シーガル」をはじめとした企業と提携し、生産から流通までをブロックチェーン上で追跡できるトレーサビリティプラットフォームを構築しました。

 

購入者はQRコードから商品がどこで生産され、流通経路はどこなのかわかるので、これまで以上に商品についての情報を深く知ることができます。

 

販売者としても新たなブランド価値の創出の方法としてマスターカードのトレーサビリティプラットフォームを活用することができ、今後はアパレルブランドだけでなく、その他の小売業社への提供も予定されています。

 

マイクロソフト

 

ブロックチェーン技術の導入が各分野で進められていますが、マイクロソフトは独自開発のブロックチェーンネットワーク「Azure Blockchain Service」を通じて、サービス開発や管理を簡素化することに成功しています。

 

JPモルガンやスターバックスをはじめとして、

 

・ConsenSys
・Transmute
・株式会社digglue
・G&J Pepsi社
・エン・ジャパン
・SKILL

 

といった企業との連携や共同事業を進めており、分野も企業コンサルティングから農業まで多岐に渡っています。

 

今回はマイクロソフトによるブロックチェーン技術の活用事例を解説し、ブロックチェーンによる新たなビジネスモデルの創出について考えていきます。

 

JPモルガンと提携を発表

 

 

JPモルガンはブロックチェーン技術「Quorum(クオーラム)」を開発しており、マイクロソフトとの連携によって、企業に向けたコンサルティング事業や技術導入を進めていくとしています。

 

マイクロソフトの「アジュール・ブロックチェーン・サービス」のクラウド上では、様々な「Quorum(クオーラム)」のブロックチェーンツールを利用することができるようになり、ビジネスを安全かつ円滑に行えるソリューションとして普及することが期待されています。

 

分散型IDシステム

 

 

個人情報の管理にブロックチェーン技術を活用する取り組みをマイクロソフトは実施しています。

 

現代において、個人情報は企業やサービスごとに管理がされています。

 

そのためどこでどのように使用されているかわからず、サーバーなどがハッキングにあった際には個人情報の不正流出が大きな問題となることも少なくありません。

 

そこで、マイクロソフトは「分散型IDシステム」の開発を進めており、個人情報の分散管理と自己所有をブロックチェーン技術を活用して行うネットワークの開発を進めています。

 

このネットワークは「ION(Identity Overlay Network)」と呼ばれており、Sidetreeプロトコルをベースとして秒間数万回の操作を行える性能を有しています。

 

世界規模の分散型IDシステム構築に向けた取り組みをマイクロソフトは目指しており、「Decentralized identity Foundation(分散ID財団)」にも加盟をしています。

 

この財団にはConsenSysやTransmuteといった企業も参画しており、今後もブロックチェーン技術を活用した「分散型IDシステム」構築への取り組みには注目が集まります。

 

アジュール・ブロックチェーン・サービスについて

 

 

スターバックスはブロックチェーン技術を活用し、コーヒー豆のサプライチェーンの追跡システムの開発を目指しています。

 

この追跡システムを利用することで、コスタリカやコロンビアの農園から各店舗への流通が可視化され、顧客にとっても自分が飲むコーヒーについて詳しく知ることができるとされています。

 

このスターバックスが活用するブロックチェーン技術はマイクロソフトの「Azure Blockchain Service(アジュール・ブロックチェーン・サービス)」によるもので、コーヒー豆のリアルタイム追跡など「食の安全性」への取り組みとしても注目を集めています。

 

株式会社digglueと提携を発表

 

 

株式会社digglueは日本マイクロソフトとの業務提携によって、ブロックチェーンの仕組みや機能を学べるサービスの開発を行っています。

 

これはMicrosoft Azureの「Ethereum Proof-of-Authority on Azure」によって実現したもので、今後は導入支援サービスの展開も予定しています。

 

ブロックチェーン技術の学習環境を整備し、より多くの分野で活用が行われることを株式会社digglueと日本マイクロソフトは目指しています。

 

Mobility as a Serviceにブロックチェーンを活用

 

 

「MaaS(Mobility as a Service)」はクラウドによる交通のシームレス化を目指し、各国で取り組みが行われています。

 

MaaSの普及にあたっては属性情報(ユーザーの年齢や性別)の管理が課題とされており、マイクロソフトが開発を進める分散管理システム「ION(Identity Overlay Network)」による検証が今年の6月に行われました。

 

このIONによる検証を通じて、ユーザーがスマートフォンで属性情報の管理・認証を行えることがわかり、今後もMaaSにブロックチェーン技術を活用する日本マイクロソフトの取り組みには注目が集まることが予想されます。

 

「Power Platform」ブロックチェーンツールとAIを追加

 

 

マイクロソフトはスピーディーなデータ分析や業務効率化を促進するソリューションである「Power Platform」の開発を進めており、ブロックチェーンツールとAIを新しい機能として追加することを明らかにしています。

 

「Power Platform」はすでにペプシコーラで製造から販売までを担う「G&J Pepsi社」で導入が行われています。

 

在庫管理や店舗監査を行うアプリを「Power Platform」によって構築し、現場の生産性を向上させたとして高く評価を受けています。

 

日本マイクロソフト、エン・ジャパン、SKILLと提携を発表

 

 

HR(Human Resources)分野では、企業の採用活動や人事・労務管理をクラウド上で管理するサービスの開発が進められています。

 

より効率的な人員配置や社員のモチベーション向上につながる評価制度など、労働力不足が不安視される中で、各企業が社内制度の改善などに取り組んでいます。

 

その課題を解決しようと日本マイクロソフト、エン・ジャパン、SKILLはブロックチェーンの共同検証などを目的とした連携を発表しています。

 

日本マイクロソフトは「アジュール・ブロックチェーン・サービス」によるブロックチェーン技術の提供を行い、エン・ジャパン、SKILLは職歴や学歴情報といった証明情報の記録・確認作業をブロックチェーン上で運用していきます。

 

将来的にはブロックチェーン技術を活用して、SKILLが職歴情報の証明サービス、エン・ジャパンは人材の採用や評価事業を展開することを明らかになっています。

 

FarmBeatsがブラジルで展開

 

 

マイクロソフトは農業における作業効率向上を目指し、ブロックチェーン技術を活用した「FarmBeats」をブラジルで展開しています。

 

「FarmBeats」によってマイクロソフトは農業にビックデータやAIの活用も目指しており、土壌の栄養素や温度といった統計的なデータ分析によって農作物の生産性向上が図られると期待されています。

 

アメリカやインド、ニュージーランドなどでは「FarmBeats」を使用し、水の使用料の30%削減に成功しています。

 

ネスレ(Nestle)

 

スイスの大手食品会社「ネスレ(Nestle)」はデジタル広告や食品のサプライチェーン管理の分野でブロックチェーン技術の活用を行っています。

 

食品追跡「Food Trust(フードトラスト)」
分散型マーケットプレイス「OSA DC」
デジタル広告「JICWEBS」

 

より安全で効率的な食品提供の実現にむけて、上記の取り組みをネスレは進めています。

 

食品追跡×ブロックチェーン 「Food Trust(フードトラスト)」

 

ネスレはIBMの食品追跡ブロックチェーン・ネットワーク「Food Trust(フードトラスト)」に参加しており、2019年4月にはフランスの食品関連企業の「Mousline」が出荷するマッシュポテトの追跡サービスに取り組んでいます。

 

この取り組みにはフランスの小売関連企業「カンフール」も参加しており、3社が共同でブロックチェーン技術を活用した食品追跡事業を行うとして注目を集めました。

 

・食品の種類
・製造場所、日時
・品質
・店頭販売までの期間
・保存場所

 

商品に貼られたQRコードを読み取ることで上記の商品情報を確認することができ、消費者は「食の安全性」や「流通経路」についてリアルタイムで知ることができるようになります。

 

「Food Trust(フードトラスト)」には「アルバートソンズ・カンパニーズ」やウォルマート(Walmart)、ユニリーバ(Unilever)といった食品関連企業が参加しており、食品追跡にブロックチェーン技術を活用する取り組みは今後も拡大することが予想されます。

 

マーケットプレイス×ブロックチェーン 「OSA DC」

 

https://youtu.be/FQw4XiRWkpc

 

サプライチェーン業界において製品廃棄物は長年の課題とされています。

 

「OSA DC」はサプライチェーンに関連する情報を収集し、AI技術によって分析することで、製品廃棄物が抱える問題を解決する取り組みを進めています。

 

AI技術とブロックチェーン技術を活用した「分散型マーケットプレイス」の開発を「OSA DC」は行っており、より効率的なサプライチェーンの構築を目指しています。

 

2018年11月にはネスレが「OSA DC」との契約を結んでいます。

 

デジタル広告×ブロックチェーン「JICWEBS」

 

ウェブサイトに表示される広告については

 

ブランドセーフティ:ネガディブな内容の記事への掲載
アドフラウド:なりすましや無効なトラフィック、広告料金の過剰請求
ビューアビリティ:閲覧機会のない広告

 

上記のような事例について検証する仕組み(アドベリフィケーション)が必要であるとされており、より透明性の高いデジタル広告のあり方が模索されています。

 

ネスレは「JICWEBS(Web標準化企業団体)」によるブロックチェーン技術をデジタル広告サプライチェーンに活用する実証実験に参加を表明しており、これにはマクドナルドやヴァージンメディアも参加しています。

 

「JICWEBS(Web標準化企業団体)」が企画するプロジェクトはデジタル広告におけるブロックチェーン技術の有効性だけでなく、運用効率や投資利益率(ROI)についても調査対象とされています。

 

将来的にデジタル広告へのブロックチェーン技術の導入に関してのコンサルタント業務を行うことも「JICWEBS(Web標準化企業団体)」は視野に入れて取り組
みを進めており、ネスレとしても新たな顧客層の開拓や広告運用の最適化に向けて取り組みを進めていくと考えられます。

NTT×ブロックチェーン

 

新たなビジネスモデルをブロックチェーン技術を活用し、構築しようとする取り組みは日本でも活発に行われています。

 

ブロックチェーン技術による業務の効率化は、これまでの事業モデルを転換する可能性を秘めており、多くの企業が導入を検討しています。

 

しかし、実際に実用化に漕ぎ着けるまでには実証実験が必要不可欠であり、中長期的なビジョンに基づいて各企業は取り組みを進めています。

 

NTTグループでは「データ監査」「銀行間送金」「ブロックチェーンアプリ開発」「IoT」といった分野でブロックチェーン技術の活用を目指し、下記の企業との連携を相次いで発表しています。

 

・博報堂DYホールディングス
・ABI(イタリア銀行協会)
・オラクル社
・BiiLabs

 

本記事ではNTTグループのブロックチェーン技術活用の事例を解説していきます。

 

ブロックチェーン×データ監査

 

博報堂DYホールディングスはマーケティングデータの活用を目指していますが、企業間での連携はコンプライアンスの面で実現が難しく、安全なデータ連携の実現が課題とされてきました。

 

そこで、NTTデータとの協業を行い、ブロックチェーン技術を活用した「データ監査基盤」の構築に取り組んでいます。

 

分散化台帳技術によって、データの改ざんや不正流出といった問題を防止することができ、より安全な購買データや各企業毎の顧客データの取り扱いを実現できます。

 

独自開発のマーケティングデータ基盤である「生活者DMP(データマネジメントプラットフォーム)」を博報堂DYホールディングスは構築しており、ブロックチェーン技術による「データ監査基盤」を活用することで、データの安全管理に取り組んでいます。

 

ブロックチェーン×銀行間の送金

 

NTTデータではイタリアの銀行間送金にブロックチェーン技術を活用する取り組みを進めています。

 

イタリアには銀行が1000行以上もあり、銀行間の送金はそれぞれの銀行ごとで決められていました。

 

そのため送金業務が日毎、週毎で行われるなど、非効率な運営が課題とされてきました。

 

今回、ブロックチェーン技術を活用した送金ルールの作成を行い、共通の仕組みを構築することで、この課題解決に向けた取り組みをNTTデータはABI(イタリア銀行協会)と共同で行っています。

 

「Spunta Banca(スプンタ・バンカ)」と呼ばれるこのプロジェクトにはイタリアにある18行の銀行が参加し、ブロックチェーンプラットフォーム「Corda」を使用しています。

 

ブロックチェーン×アプリ開発

 

NTTデータ先端技術はオラクル社の「Oracle Blockchain Platform Cloud」を活用した「ブロックチェーンアプリ開発サービス」を発表しています。

 

「ブロックチェーンアプリ開発サービス」はNTTデータ先端技術が開発した「独自アクセラレーター」によって、短時間でアプリ開発が行うことができます。

 

これによってブロックチェーンアプリの開発の納期が短縮できるようになり、NTTデータ先端技術は各分野にむけてのブロックチェーン技術導入のコンサルティングサービスを展開していくとしています。

 

ブロックチェーン×IoTデータマーケットプレイス

 

NTT Nexcenterはブロックチェーンシステム開発を推進するためにBiiLabsとの提携を発表しています。

 

BiiLabsはブロックチェーン技術を活用して、運転した分だけ保険料が決まる自動車保険の開発に成功している会社です。

 

NTT NexcenterとBiiLabsはIoTデータマーケットプレイスシステムの開発を連携して行うとしています。

アクセンチュア×ブロックチェーン

 

コンサルティング企業「アクセンチュア」は、様々な分野でブロックチェーン技術を活用したサービスの展開を行っています。

 

・ブロックチェーンプラットフォーム
・ソフトウェアライセンス管理
・保険証券管理
・個人認証
・サプライチェーン

 

上記の業務や分野へのブロックチェーン技術の活用にアクセンチュアは取り組んでおり、本記事ではその内容や将来性について解説していきます。

 

アクセンチュア ブロックチェーン・ハブについて

 

アクセンチュアはブロックチェーンプラットフォーム「ブロックチェーン・ハブ」の展開を行っています。

 

すでに「ふくおかフィナンシャルグループ」では導入を進めており、複数のブロックチェーンシステムの統合管理を行えるソフトとして実用化されています。

 

ビジネスを展開する上で、他のブロックチェーンシステムとの連携は必要不可欠であり、これまではその仕組み作りが課題とされてきました。

 

その課題を解消するべくアクセンチュアでは「ブロックチェーン・ハブ」を開発し、今後はより幅広い分野での活用が期待されています。

 

ブロックチェーン×ソフトウェア資産管理

 

アクセンチュアではブロックチェーン技術を活用したSAM(ソフトウェア資産管理)アプリケーションの開発に取り組んでいます。

 

ソフトウェアライセンスはメーカーや商品ごとに販売の形態が異なり、使用実態の把握といった面でも管理のコストが課題とされています。

 

また、企業にとってはコンプライアンスにも関わる期限切れや不正使用といった問題も存在しており、より効率的なソフトウウェアライセンスの管理をアクセンチュアでは目指しています。

 

コンピューター1台でも、ソフトウェアライセンスは数多く管理されており、コンピューターの台数が多ければ多いほどに管理コストは増大します。

 

また、管理の行き届かない部分で、社員が不正なソフトウェアをインストールしてしまうといったリスクも存在します。

 

ライセンス違反で多額の違約金が支払われた事例も存在しており、アクセンチュアの取り組みは企業の社会的・金銭的リスクの削減にも繋がると期待されています。

 

ブロックチェーン×保険証券管理

 

いざという時のためにいろんな保険に加入すると保険証券の管理や整理整頓が必要になります。

 

家族全員分の保険証券をクリアファイルに入れている人も多いかと思いますが、最近ではクラウド上で保険証券を管理するアプリ「folder」などより効率的な保険証券の管理が行われるようになりました。

 

保険証券管理アプリ「folder」ではスマホで撮影するだけで契約データとの紐付けが行われるといった取り組みも今後は計画されています。

 

アクセンチュアではチューリッヒ・ベネルクスと共同で、ブロックチェーン技術を活用した保険証券管理システムを構築しています。

 

この保険証券管理システムによって、顧客は債券の状況や履歴の確認をより効率的に行えるようになります。

 

現在のところアクセンチュアの保険証券管理システムはベルギー、オランダ、ルクセンブルク在住のチューリッヒ・ベネルクスの顧客を対象としていますが、今後はより幅広い地域での活用が期待されています。

 

ブロックチェーン技術を活用することで、より透明性の高い情報管理・共有が行われるようになり、保険証券に関わる事業者の相互的な運用により業務効率化が図られると考えられます。

 

ブロックチェーン×旅行

 

アクセンチュアはブロックチェーン技術を活用した「Known Traveller Digital Identity」と呼ばれるサービスを提供しています。

 

このサービスは旅行の際に利用が見込まれており、

 

・ブロックチェーンによる個人情報の管理
・税関への生体認証と旅程の登録が可能に
・政府や旅行会社が観光客を識別

 

上記のようなメリットをもたらすとしています。

 

観光客はスムーズな旅行を実現し、政府や旅行会社はテロリストの識別など、航空業界の安全性強化に繋がると考えられます。

 

観光客自身が「Known Traveller Digital Identity」への登録を行う必要はありますが、より良い旅行体験が実現できるとして期待が寄せられています。

 

・カナダ政府
・オランダ政府
・エアフランスKLM
・エアカナダ

 

上記の政府や関係企業との連携が予定されており、国際競争力の活性化など今後も取り組みに注目が集まります。

 

ブロックチェーン×サプライチェーン

 

サプライチェーンにブロックチェーン技術を導入する取り組みは世界各国で盛んに行われています。

 

従来は船荷証券にハンコをもらうために郵送をしていたのが、ブロックチェーン上で輸送書類を管理・共有することで、より効率的なサプライチェーンシステムが実現できます。

 

書類によるやり取りは情報の改ざんも可能であり、取引の透明性も確保されないといった課題を抱えていました。

 

ブロックチェーン技術を活用することで、書類のやり取りが簡略化され、より信頼性の高い取引が可能となります。

 

アクセンチュアはマスターカードとアマゾンなどとともにブロックチェーン技術を活用した「循環サプライチェーン」の構築を目指しています。

 

アクセンチュア×船上での電子決済

 

日本郵船とアクセンチュア、シティグループは船上での電子決済プロジェクトに関する提携を結んでおり、キャッシュレス化による業務効率化を目指しています。

 

このプロジェクト発足に際して、日本郵船は新会社「MarCoPay Inc.」(マルコペイ インク)を設立しており、外国人船員がスマホアプリから電子決済や国際送金ができるサービス「MarCoPay」の展開を計画しています。

 

これまでは長期間にわたる船上生活で現金の管理が難しいことが課題とされており、MarCoPayによってよりスムーズな給与の支払いや管理ができると期待されています。

 

「MarCoPay Inc.」は日本郵船とTDG(Transnational Diversified Group)が50%ずつ出資を行っており、フィリピン・マニラに設立されました。

 

現在はフィリピンにおける電子決済事業者としての認可を得るために取り組みを進めています。

 

「MarCoPay」にはブロックチェーン技術の活用は行われていないものの、アクセンチュアの金融業界での経験と実績を他の分野で活用する動きは今後も注目が集まると考えられます。

 

テンセント×ブロックチェーン

テンセント(騰訊控股)はWechatやWechat payのみならず、各分野へのブロックチェーン技術の活用にも積極的に取り組んでいます。

 

・地下鉄の電子領収書発行
・観光地での領収書発行
・拡張現実(AR)ゲーム
・独自プラットフォーム開発
・スマート医療サービス

 

このような事業にブロックチェーン技術の導入を行っており、アリババと並んで世界のブロックチェーン市場を牽引しているといえます。

 

ブロックチェーン×電子領収書 中国深圳市の地下鉄で発行

 

メッセンジャーアプリ「WeChat(微信)」はスマホ決済をはじめとしてブロックチェーン技術を活用した電子領収書の発行も簡単に行えます。

 

取引履歴の改ざん防止などブロックチェーン技術を活用するメリットは大きく、深圳市の地下鉄ではQRコードによる決済で乗車し、降車後に乗車記録を確認することができます。

 

乗車記録から電子領収書を発行する手続きを行うとWeChatアプリからでも領収書発行が可能となっており、深圳市税務局や高灯科技がこの事業に協力しています。

 

日本では日本マイクロソフトがブロックチェーン技術を活用し、予約から決済までを行う実証実験を今年の1月に行っており、下記の企業も参加しました。

 

・東日本旅客鉄道
・JR東日本情報システム
・みずほ情報総研

 

顧客の利用履歴がハッキングなどによって漏洩することを防止できるとしてブロックチェーン技術の導入が日本でも進められており、MaaS(Mobility as a Service)でも属性情報の管理にブロックチェーン技術の活用が行われています。

 

ブロックチェーン×観光業

 

テンセントはチケットや領収書の発行手続きをオンラインで行えるようにブロックチェーン技術を活用した事業を雲南省との協力のもとで展開しています。

 

世界の有名な観光地はチケットの受け渡しなども捥りで行われることで混雑を招いているといった課題を抱えています。

 

中国ではオンライン上でのチケット購入や発券を行えるものの、領収書の発行は現地で行わなくてはなりませんでした。

 

テンセントの取り組みは観光業の効率化を実現できるだけでなく、飲食店や地下鉄などでの領収書の発行手続きにも活用されており、さらなる発展が期待されています。

 

日本でも領収書の電子化への取り組みは進んでいますが、主要な観光地では文化的な視点からキャッシュレス化は進んでいないといえます。

 

領収書発行手続きへのブロックチェーン技術の活用は、 小売・卸売・金融業への応用も考えられ、注目を集めることが予想されます。

 

ブロックチェーン運用基盤「TBaaS」

 

「TBaaS」(TencentBlockchain as a Service) はテンセントが開発・提供するブロックチェーン運用基盤であり、深圳市地下鉄の電子領収書発行にも採用されています。

 

中国ではブロックチェーン技術の社会実装が急速に進んでいますが、公共機関への導入が活発に行われています。

 

すでに実用化が進んでいることを考えると、膨大な情報の管理を担える技術力をテンセントは有していると言え、税金の還付申請や納付もWeChat Payで行うことができます。

 

ブロックチェーン×ゲーム

 

「Let’s Hunt Monsters(ハントモンスターズになろう)」は騰訊控股(テンセント)が開発したブロックチェーンゲームです。

 

「Let’s Hunt Monsters」はポケモンGOと同じような仕組みで、バーチャルモンスターが拡張現実(AR)に表示されます。

 

ユーザーは街中でバーチャルモンスターをゲットし、騰訊控股(テンセント)独自のブロックチェーン上で取引が可能となります。

 

クリプトキティ(Cryptokitties)がブロックチェーンゲームとしては人気を集めましたが、「Let’s Hunt Monsters」は「中国で最もダウンロードされている無料ゲーム」としてリリース前から話題を呼んでいました。

 

Tencent FiT ブロックチェーン信頼性評価認証で1位を獲得

 

テンセントの子会社である「Tencent FiT」はブロックチェーンの信頼性評価認証で1位を獲得するなど、中国でも高い評価を得ています。

 

毎秒10,000トランザクション処理が可能なブロックチェーンプラットフォーム「TrustSQL」を「Tencent FiT」は開発しており、デジタル信用社会の実現に向けた取り組みを進めています。

 

ブロックチェーン×医療

 

インターネット上で医療サービスを受けられるソリューションの開発をテンセントは進めており、AIとブロックチェーン技術の活用に取り組んでいます。

 

この取り組みによって情報共有の強化を図ることができ、より高度な医療を実現することができます。

 

テンセントはロンドンにおいて医療系企業のMedopadとAI(人工知能)を活用した医療アプリのテストを実施しており、パーキンソン病の臨床試験も共同で行っています。

 

テンセントでは医療分野に対して積極的な投資を行っており、ブロックチェーン技術は効率的な情報共有・収集、偽薬の検証など幅広い活用が期待されています。

 

積水ハウス ブロックチェーン不動産情報管理システム

 

日本の大手住宅メーカである積水ハウスは、日本最大級の暗号資産の取引所bitFlyerとの共同事業で、bitFlyerが開発した世界最速の処理能力を持つブロックチェーン型データベース「miyabi」を用いた不動産情報管理システムの構築に取り組んでいます。

 

これによって「賃貸オーナー・住宅物件管理会社・不動産紹介会社」が持つ不動産情報を共有でき、事業者側は物件管理~入居までのプロセスを簡易化することができます。

 

世界でも初の取り組みであるこの不動産におけるブロックチェーン事業は、将来的にアプリによって情報提供から契約を行えるようになり、利便性向上や時間的コストの削減を顧客にもたらします。

 

不動産業界のさらなる流動性の向上や他業種との融合による新たな市場拡大が期待でき、関連企業の積和不動産株式会社では運用にむけて準備が進められています。

 

積水ハウスのIT業務部長である上田和巳は、「不動産契賃貸契約がホテルを予約するような手軽さでできることを目指し、市場規模の拡大も期待している」と述べており、煩雑な書類手続きや改ざんといった不透明なリスクを軽減するといったメリットもあります。

 

提携企業の拡大によって、日本の不動産業界において統一的なプラットフォームを担うことを掲げていますが、このシステムが広まれば不動産仲介業者は淘汰される可能性があります。

 

2020年には管理システムをもとにしたサービスの展開を目指しており、保険会社や銀行との提携といった取り組みが今後は活発になると予想されます。

 

2019年4月から積水ハウス・KDDI・日立が共同で「企業間情報連携プラットォーム」構築の取り組みを開始しました。

 

住友商事×bitFlyer 不動産賃貸契約にブロックチェーンを活用

 

住友商事は株式会社bitFlyerの「miyabi」を活用した賃貸契約プラットフォームの共同開発を発表しました。

 

不動産業界ではブロックチェーン技術の導入が進んでおり、スマートコントラクトの「データ改ざん不可能」「契約(取引)の自動化」といった特徴を生かした新しいビジネスモデルの構築が行われています。

 

今回は不動産物件の見学予約から契約まで一括で行えるプラットフォームの開発に向けた業務提携とあって、日本国内では大きな注目を集めています。

 

「不動産×ブロックチェーン」の現状

 

最近ではフランスの不動産がイーサリアムベースでトークンとして発行が行われるなど、ブロックチェーン技術による不動産の小口化への取り組みも活発に行われています。

 

アメリカやブラジルではホテルの運営会社や不動産投資会社が自社の株式をセキュリティトークンとして発行し、資金調達を行うといった取り組みも行われています。

 

日本ではJ-REITなど不動産の証券化市場も最近は発展を遂げていますが、少額投資が可能になることでより多くの投資機会の提供が可能となります。

 

住友商事や株式会社bitFlyerのような不動産情報管理・共有
トークン発行(小口化)による資金調達

 

これらの取り組みによって不動産市場の流動性向上が図れるとして、「不動産×ブロックチェーン」には大きな期待が集まっています。

 

不動産賃貸契約の今後について

 

不動産賃貸契約は不動産紹介会社を通じてオーナーと契約し、それ以前にも内見予約やネットでの物件選びなど多くの手続きが必要となります。

 

対面で不動産紹介会社へ足を運び、そこから複数の物件を回るなど手間と時間がかかり、賃貸契約書についても紙ベースでサインが必要となるなど多くの作業を必要とします。

 

そして、入居者だけでなく、不動産関連業者も同様の手続きへの対応が必要となり、業務負荷の増大や従業員の減少といった課題が存在しています。

 

また、書類の管理についてもそれぞれの会社ごとのデータベースや書類で保管されており、情報の改ざん、紛失を防止するといった面も課題としてあげられます。

 

今回の住友商事と株式会社bitFlyerの取り組みは不動産関連企業がプラットフォームを通じて、不動産情報の管理・共有を行うことができるなど、賃貸契約にまつわる全ての業務の効率化を目指しています。

 

2019年後半にはプロトタイプの開発を終え、一般にむけたサービス提供を開始するとしており、ブロックチェーンによる不動産賃貸契約の業務効率化が期待されています。

 

国土交通省 賃貸契約にブロックチェーンを活用

 

不動産賃貸契約は書類の手続きなどが面倒で、1つ契約する際でも不動産紹介会社や管理会社、オーナーと多くの時間と手間を必要とします。

 

紙ベースでの契約によって情報の書き換えといったリスクもあり、リアルタイムで不動産情報が反映されないために選んだ物件が先に契約されていたというケースも少なくありません。

 

そのような中で、不動産コンサルティング会社「イタンジ」は賃貸契約の電子化サービス「電子契約くん」を国土交通省に提供することを発表しており、国土交通省では今年の10月から社会実験を予定しています。

 

「電子契約くん」は自動契約を実行する「スマートコントラクト」の機能が施されており、ブロックチェーン技術を活用した賃貸契約の実現に取り組んでいます。

 

今回は国土交通省の取り組みについて解説していきます。

 

「電子契約くん」について

 

先日、住友商事と株式会社bitFlyerがブロックチェーン技術を活用した不動産賃貸契約プラットフォームの開発を発表したばかりですが、今度は国土交通省が社会実験を行うことが明らかになりました。

 

国土交通省は社会実験「賃貸契約における重要事項説明書等の電磁的方法による交付」を今年の10月1日から行うとしており、「電子契約くん」はその取り組みの一環として活用が期待されています。

 

賃貸契約を「電子契約くん」によって電子化し、インターネットを活用した会議を行うことでより効率的な賃貸契約の実現を国土交通省は目指しています。

 

ブロックチェーン技術の1つである「スマートコントラクト」によって関連会社との情報管理・共有もより効率的に行えるようになります。

 

また、駐車場契約や火災保険契約といった関連契約についても「電子契約くん」で行うことができ、これまでは紙ベースで送られてきた賃貸契約書や重要事項説明書も電子交付されるとしています。

 

「電子契約くん」のメリットについて

 

「電子契約くん」によってリアルタイムでの不動産情報の共有が可能となるため、ホームズやスーモといった不動産情報サイトがどのような取り組みを行うのかにも注目が集まります。

 

これまではサイトごとに礼金や敷金の表記が異なり、契約の段階で短期解約金が2ヶ月分と明かされるなどの手法がまかり通っていました。

 

「電子契約くん」の普及は不動産賃貸契約の健全化にも繋がると考えられ、不動産市場の流動化向上といった面でも大きな役割を果たすことが期待されています。

 

マルタ共和国 ブロックチェーンによる賃貸契約が義務化へ

 

マルタ共和国ではブロックチェーンを利用して賃貸契約ができるようになりました。

 

これはマルタ共和国ジェセフ・マスカット首相が明らかにしたもので、賃貸法の改正によってマルタ共和国のすべての賃貸契約がブロックチェーン上に登録され、事業者には登録を義務付けるとしています。

 

不動産業界ではブロックチェーンによって不動産投資の流動性向上を目指す動きが本格化してきています。

 

アメリカでは不良債権と化した不動産をポートフォリオとした不良債権投資が流行しており、「Resolute.Fund」が不良不動産をセキュリティトークンとして発行しています。

 

ブラジルでは景気後退によって不良債権となった不動産をポートフォリオとして管理・販売している「ReitBZ」が投資銀行BTG Pactualと協働でSTOを実施して、世界中の投資家から投資を募っています。

 

今回はマルタ共和国におけるブロックチェーンによる賃貸契約をふまえて世界中で行われている活用事例を紹介していきます。

 

不動産×ブロックチェーン 国内事例について

 

日本ではスルガ銀行不正融資問題によって不動産業界全体の信用が低下しました。

 

このことを受けて、三井住友信託銀行では賃料や入退去情報を管理し不透明な取引や情報の改ざんを防止するシステムの開発を進めています。

 

この三井住友信託銀行による取り組みはブロックチェーンで不動産情報を管理・共有するオフィスビル情報管理システムとして、市場の健全性の向上を図れるとして期待されています。

 

また、積水ハウスでは物件管理から入居までのプロセスを簡略化する不動産情報管理システムをブロックチェーン上で開発しています。

 

賃貸オーナーや管理会社、不動産紹介会社が協働で管理・共有を行えるので利便性の向上や時間的なコスト削減につながります。

 

流動性向上による市場規模の拡大を図れるなどメリットがありますが、仲介業者が自然淘汰されるといったデメリットも存在します。

 

不動産×ブロックチェーン 将来性や今後は?

 

海外ではPropyという不動産売買サービスがすでにアプリとして世に出ており、日本でもニセコの不動産が香港の投資家に購入されたといった事例があります。

 

不動産情報はネットで簡単に知ることができますが、ブロックチェーン上で共有、管理することで下記のようなメリットをもたらします。

 

・煩雑な書類手続きが不要に
・詐欺や不当な契約の防止
・不動産市場の流動性の向上

 

世界中の売り手と買い手(投資家)を結びつけ、必要書類の手続きもブロックチェーン上で行うことが可能になります。

 

今後は日本でも円高傾向が続くと予想されており、不動産市場が停滞する可能性があります。

 

将来的に不動産業界の活性化を目指すためにもブロックチェーン技術の導入が不動産業界の各分野で進んでいます。

 

農業×ブロックチェーン

 

日本では2019年2月にEU加盟国(現在28各国)との経済連携協定である日欧EPAが発行され、TPP11と比較すると下記のような関税率の変化があります。

 

TPP11

 

品目
無税輸入枠(オーストラリア)6000t
牛肉関税下げ26.6%
豚肉高価格帯(従価税)1.9%
低価格帯(従量税)125円/kg

 

日欧EPA

 

品目1年目2年目
ソフトチーズ輸入枠拡大2万t(製品換算)2.1万t
枠内関税下げ21〜37.5%19.6〜35%
ハードチーズ関税下げ24.7〜27.9%23〜26.1%
牛肉関税下げ27.5%26.7%
豚肉高価格帯(従価税)の関税下げ2.2%2%

 

日欧EPAによって国内の農林水産業は最大1100億円の生産額減少が見込まれており、日米FTAも同様の影響があると考えられます。

 

2019年4月に行われた日米貿易交渉第一回会合では

 

・農産品
・自動車

 

といった物品貿易を中心に議論が行われました。

 

日本市場におけるアメリカからの輸入品が他国の物品との価格競争などで不利にならないことを目的としており、特に農産品と自動車についてはアメリカは高い関心を抱いています。

 

特に牛肉・豚肉はオーストラリア・カナダ産が日本で幅広いシェアを獲得していることから、アメリカとしても輸入量の増加を求めています。

 

しかし、日本の農業に与える影響は大きく、すでにTPP11、日欧EPAによって牛肉は年間59万トン以上を輸入しています。

 

日欧EPAはTPP11を超える水準で輸入量や関税が適用されているため、日米FTAも同様の譲歩が見られると予想されています。

 

アメリカは2018年12月21日に『対日貿易交渉目的』を公表しており、下記の22項目を提示しています。

 

交渉項目
物品貿易
衛星植物検疫(SPS)
税関・貿易円滑化・原産地規則
貿易の技術的障害(TBT)
良き規制慣行
透明性・公表・行政措置
サービス貿易(電気通信・金融含む)
デジタル貿易と越境データ移転
投資
知的財産
医療品・医療機器の手続的公正性
国有・国営企業
競争政策
労働
環境
腐敗防止
貿易救済
政府調達
中小企業
紛争解決
一般規定
為替

 

両国ではまず物品貿易に関する交渉を行い、その他の分野では「適切な時期に」交渉を行うとしています。

 

2020年にアメリカ中間選挙を控えているためにトランプ大統領としてもアメリカ国内の農業従事者からの支持を取り付けたいという狙いがあります。

 

 

日米FTA 農業への影響

 

農作物についてはアメリカとTPP11加盟国、EUの国々とでは関税率に大きな差が生まれています。

 

特に牛肉と豚肉においては下記のような関税率の差が生まれています。

 

TPP11加盟国(オーストラリア・カナダ) 26.6%
EUの国々(日欧経済連携協定締結国) 26.7%
アメリカ 38.5%

 

アメリカとしては早期妥結を目指していることが明かされており、TPP11の水準である26.6%の関税率を適用すると考えられます。

 

BSE(牛海綿状脳症)月齢制限撤廃
防カビ剤表示撤廃
遺伝子組み換え食品表示撤廃

 

これらについても議論が交わされており、「日本産の農産品の消費量減少」「食の安全性の基準変更」といった影響が考えられます。

 

自由貿易の推進によって国内農業の構造改革を行い、国際競争力を高めるといった狙いがあるといえますが、国内の農家は後継者不足などの問題を抱えており、価格競争による国内産業の衰退を危惧する声も少なくありません。

 

日米FTAのメリットとしては輸入品の物価が下がり、国内物価の価格競争が行われることで消費者にとっては安価で物品を購入できることが挙げられます。

 

輸入品による供給が増えるため国内で天候不良が起こった際にも安定した価格で物品の購入ができます。

 

また、関税の引き下げの対象となっている輸出品については海外での売り上げが見込めるため、自由貿易の恩恵を受けることができます。

 

農業におけるブロックチェーン技術の活用

 

2017年6月には「改正畜産経営安定法」が成立し、酪農家が生産した生乳を農協が全量買い取ることを定めていた「指定団体制度」が廃止されました。

 

その代わりに酪農家が農協を介さず直接メーカーと取引を行う場合には補助金が出るようになります。

 

酪農家の多くは新たな流通経路を構築しなくてはならないために、流通や販売経路が構築されている海外メーカーに有利になるように「指定団体制度」が廃止されたともいえます。

 

そのような中で、農業においては「誰がどこでいつ生産し、出荷・加工されたのか?」をブロックチェーン技術によって確認し、サプライチェーンの透明性を向上させる取り組みが進められています。

 

生産者と消費者がブロックチェーン技術によって直接やりとりできるようになるなど「食の安全性」を守るためにもこの取り組みは注目を集めており、安全基準の異なる海外の食品であっても製造過程や鮮度などが把握できると期待されています。

 

海外農作物の輸入増加に伴い食品汚染が不安視される中、ブロックチェーン技術によって生産農家と直接取引ができるようになれば、市場の価格変動に関係なく安全な農作物を購入することができます。

 

生産者にとってもどのような経路で自分が生産した農作物が販売されているのかわかるようになります。

 

また、手作業で行われていた事務作業のコスト削減といったメリットもあり、サプライチェーンの効率化も図ることができます。

 

ブロックチェーンプラットフォームにおいて生産から出荷までの工程がデータとして記録されるため、将来的には第三者による融資システムが農業分野でも構築される可能性もあります。

 

海外では倉荷証券システムが農業で活用されており、農業金融の1つの手法として注目を集めています。

 

ブロックチェーンを活用するとデータの改ざんが不可能となり、金融機関が融資を行う際にもブロックチェーン上の取引履歴が信頼性を保証します。

 

海外での活用事例 「IBM×マヒンドラ財閥」

インドの農業発展を目指すマヒンドラ財閥は2016年11月にIT大手企業「IBM」とのブロックチェーン技術を活用した「サプライチェーンファイナンス」の共同開発に乗り出しました。

 

ブロックチェーン技術による農作物サプライチェーンの透明性向上によって、農業生産者がより円滑な資金調達を行えるよう取り組みが進められています。

 

マヒンドラ財閥は農業の効率性向上を促進させるためさまざな取り組みを行なっており、農家へのトラクターの販売をはじめとして、融資サービスなどマイクロファイナンスにも力を入れています。

 

海外での活用事例 「IBM×Twiga」

 

IBMと農作物物流サービスを展開する「Twiga Food」はブロックチェーン技術を活用することで、売上履歴から融資の可否の判断を行える小口融資サービスの開発を共同で行っています。

 

この取り組みはケニアの農作物小売店にむけて実証実験が行われており、すでに200件以上の融資を実行しています。

 

ケニアの農作物小売店はブロックチェーンによってお店のクレジットスコア(信頼性)が保証され、信頼が高まるほどにさらなる融資枠の獲得も可能となります。

 

これまでは金融サービスを受けることのできなかった農作物小売店もブロックチェーンによって回転資金の確保や事業投資を行えるようになります。

 

海外での活用事例 「IBM Food Trust」

 

「IBM Food Trust」はブロックチェーン技術を活用した食品サプライチェーンネットワークを構築しています。

 

IBMの持つIoTやビックデータの活用も行えるため、食品サプライチェーンの透明性向上が可能となります。

 

食品情報の共有によって品質管理も期待されており、生産者と小売業者だけでなく、加工や流通に携わる業者とも協力して業務の効率化を図ることもできます。

 

サプライチェーンの最適化によって食品廃棄物削減といったメリットも存在し、保管温度情報などもブロックチェーンで管理することが「IBM
Food Trust」では可能となります。

 

海外での活用事例「AgriDigital」

 

AgriDigitalはオーストラリアの農作物取引プラットフォームです。

 

穀物取扱業者CBHグループとの連携によって、ブロックチェーン技術の導入を進めており、農作物のサプライチェーンの全行程を管理することができるブロックチェーンプラットフォームとして開発が進められています。

 

スマートコントラクトによってリアルタイムでの取引が可能となり、AgriDigitalでは希望価格と取引を事前に設定しておくことで最適なタイミングで売買を行うことができます。

ブロックチェーン×デジタル広告

 

デジタル広告は企業やサービスの認知度向上にとって非常に重要な役割を担っており、消費者である私たちもGoogleやYahoo!を通じて様々な広告を日常的に目にしています。

 

しかし、最近ではデジタル広告を表示させないアプリが登場し、過剰な誇張表現によって健康促進を煽るクリエイティブへの規制強化も行われています。

 

企業側としては、サービスの認知度向上によって売り上げを増加させたい思いがありますが、費用対効果の悪い広告などの展開によって広告宣伝費だけがかさんでいくといった事例も少なくありません。

 

そのためデジタル広告を「いつ、どこで、誰」に対して「どれくらいの頻度」で表示すれば効果的なのか?といった問題について各企業は頭を悩ませています。

 

そこで、ブロックチェーン技術を活用したデジタル広告の最適化への取り組みが行われており、日本ではTOYOTAがブロックチェーン企業Lucidityとの協力によってWebサイトへの訪問者数向上に取り組んでいます。

 

ブロックチェーン技術を活用した費用対効果向上や不正防止に向けた取り組みによって、デジタル広告業界がどのように変化していくのか解説します。

 

TOYOTA Lucidityとの取り組み

 

https://youtu.be/6I3xMkjwExs

 

ブロックチェーン技術を活用することで、仲介業者を介すことなく広告インプレッションや支払いデータの検証を行うことができ、透明性の向上によって不正行為や詐欺の防止も期待されています。

 

TOYOTAはLucidityとの取り組みによって、ウェブサイト訪問者の21%増加に成功しました。

 

TOYOTAでは広告宣伝の最適化だけでなく、ブロックチェーン技術を自動車部品の製造にも活用する取り組みが行われています。

 

マクドナルド 「JICWEBS(Web標準化企業団体)」のブロックチェーンテストに参加

 

マクドナルドとネスレ、ヴァージンメディアは「JICWEBS(Web標準化企業団体)」のブロックチェーンテストに参加しています。

 

これは、ブロックチェーン技術をデジタル広告に活用し、透明性がどれだけ向上するかといった実証実験を行うもので、2019年末までのテストを予定しています。

 

将来的にはサプライチェーンの最適化も目指しており、より効率的な業務に向けた取り組みが行われています。

 

ブロックチェーンと広告業界の今後

 

決済手段にもブロックチェーン技術が活用されており、広告だけでなく様々な分野で取り組みが進んでいます。

 

業務の効率化や透明性向上といった課題に対してはスマートコントラクトの自動契約といった機能が活用されており、今後も幅広い業種において活躍が期待されています。

 

広告業界は消費者の広告離れが大きな課題とされており、わざとらしい広告表現や複数回に渡る広告表示が嫌悪の対象となっています。

 

そのような中で、消費者の興味関心や購買意欲に対して最適な広告運用を目指すことで、より効果的なマーケティングの実現が可能となります。

 

フェイスブックは顧客情報を流出させ、アメリカ大統領選挙においてトランプ陣営が有利なように広告宣伝を行わせたとして多額の賠償金を払う事態に発展していますが、広告の重要性はマーケティングにおいて非常に重要になってきており、ブロックチェーン技術の導入によってより良い広告運用がなされることを期待しましょう。

ブロックチェーン×金融

 

FRB(連邦準備制度理事会)はおよそ10年半ぶりに利下げを行う一方で、金融システムへのブロックチェーン技術の導入を進めています。

 

リアルタイム決済サービスとして発表されたFedNow(フェッドナウ)は24時間365日使える特徴を持つとして、2023年〜2024年のリリースを計画しているとのことです。

 

・スタンダードチャータード銀行×リンクロジス「WeQChain」
・米IBM×欧州14銀行「we.trade」
・世界資源研究所(WRO)「RTプロジェクト」
・LINE×KYC・カストディ「LINK ME」
・Elliptic×AML「エリプティック・データセット」
・中国人民銀行×貿易金融

 

そのほかにも上記のようなブロックチェーン技術導入への取り組みが金融業界では行われています。

 

FRB FedNow(フェッドナウ)

 

FedNow(フェッドナウ)はリアルタイムでの決済サービスとして開発が進められています。

 

現在、FRBは「Automated Clearinghouse (ACH) payment」という決済システムを採用しており、

 

・営業時間内で清算は1日3回
・アメリカ企業の従業員は2週間ごとの給与振込

 

このように現状のシステムではリアルタイムでの決済ができないといった非効率さが課題とされています。

 

FRBは世界各国の銀行とのネットワークを構築しているため影響力が大きく、決済分野においては他の銀行の取り組みを妨げるといったデメリットも指摘されています。

 

最近ではJPモルガンがステーブルコイン「JPMコイン」の発行を計画するなど、決済サービスにブロックチェーン技術を活用する取り組みが進められています。

 

FedNow(フェッドナウ)にブロックチェーン技術を活用するかなど技術面の詳細は明らかにされていません。

 

今後は各国の中央銀行が発行する「CBDC」、Facebookが発行を計画している「Libra」など、決済サービスについては注目が集まります。

 

スタンダードチャータード銀行×リンクロジス「WeQChain」

 

世界70カ国に展開しているスタンダードチャータード銀行は、中国におけるサプライチェーン・ファイナンスの透明性向上を目的としてブロックチェーン技術を活用しています。

 

電子債券記録を用いて、より効率的にサプライチェーンに関わる中小企業が資金調達を行うことをサプライチェーン・ファイナンスと言います。

 

スタンダードチャータード銀行は、中国で金融サービスを展開する「リンクロジス」との提携を結んでおり、今年の8月にはブロックチェーンプラットホーム「WeQChain」にて金融取引を成功させています。

 

サプライチェーン・ファイナンスを行う際にはクレジット(信用情報)の審査に時間と手間がかかります。

 

今回のスタンダードチャータード銀行とリンクロジスの取り組みは、「WeQChain」における取引の透明性向上やクレジットの審査コストの最適化を目的としており、サプライチェーン・ファイナンスへのブロックチェーン技術の活用の事例として注目が集まります。

 

米IBM×欧州14銀行「we.trade」

 

「we.trade」はブロックチェーン技術を活用して、国際貿易をより効率的に行うことを目指しています。

 

・分散型技術:「we.trade」への参加者が取引情報を管理・共有
・スマートコントラクト:取引の契約から支払いまでのプロセス自動化

 

貿易金融サービスのプラットフォームとして「we.trade」は上記のような特徴があり、すでに欧州14銀行が参加しています。

 

「we.trade」はブロックチェーン基盤として「IBM Blockchain Platform」を利用しており、2018年7月には商用取引に成功しています。

 

「we.trade」を共通プラットフォームとすることで、国際貿易におけるクレジット(信用情報)の審査や管理もより円滑に行えるようになります。

 

「we.trade」は着実に取り組みを進めており、国際貿易における金融サービスとして、普及が期待されています。

 

世界資源研究所(WRO)「RTプロジェクト」

 

世界資源研究所(WRO)は2019年5月に「RTプロジェクト」を創立しており、ブロックチェーン技術を活用した越境振替サービスの展開を予定しています。

 

RT:Real Time

 

越境ECは増加傾向にあり、ブロックチェーン技術を活用することで第三者機関を必要としないP2P方式での決済が可能となります。

 

これにより越境ECの資金リスクを軽減することができ、よりスピーディーな決済-清算サービスを実現できます。

 

RT(Real Time)金融システムへの取り組みを世界資源研究所(WRO)は行っており、RTブラックリスト証拠保全プラットフォームといった機能によって信用調査もより円滑に行うとしています。

 

LINE×KYC・カストディ「LINK ME」

 

LINEはブロックチェーン技術を活用したサービスとして展開をしていた「Wizball」「4CAST」の終了を発表しています。

 

今後はブロックチェーン技術を活用した金融サービスの提供を目指すとしており、暗号資産ウォレット「LINK ME」の正式版を今年の10月にもローンチするとしています。

 

暗号資産ウォレット「LINK ME」の正式版にはKYC(本人認証)、カストディサービス機能が追加され、LINE IDでの簡単ログインができるといった特徴が明らかにされています。

 

新機能を追加した暗号資産ウォレットが、今年10月にローンチ予定となっていることから日本国内における暗号資産取引所の開設にも期待が集まります。

 

日本ではビットポイントのハッキング事件があったことから新規での取引所開設のハードルがより高くなったと考えられますが、カストディサービスについてはよりニーズが高まると考えられます。

 

Elliptic×AML「エリプティック・データセット」

 

暗号資産取引におけるアンチマネーロンダリングの予測と検出を行える「エリプティック・データセット」の開発をブロックチェーン企業の「Elliptic」は行っています。

 

「Elliptic」は2015年に大手会計事務所「KPMG」から暗号資産カストディ業務について適格認定を受けるなど、暗号資産の黎明期から活躍をしていました。

 

「エリプティック・データセット」は機械学習プラットフォームの「カグル(Kaggle)」で利用することができ、すでに総額60億ドルの取引を対象にしています。

 

暗号資産をめぐってはFATFがマネーロンダリング対策の一環として取引所に「受取人の顧客情報管理・共有」を求める規制を発表するなど、国際的な法的な枠組み作りに取り組んでいます。

 

暗号資産取引における最大の特徴であった「匿名性」を排除するために今後はOTC取引の増加が予想され、さらなる不正取引の増加も考えられます。

 

そのような中で、Ellipticの取り組みは大きな注目を集めており、暗号資産業界におけるアンチマネーロンダリングへの取り組みとしてさらなる発展が期待されています。

 

中国人民銀行×貿易金融

 

中国人民銀行(PBoC)はブロックチェーン技術の活用に積極的な姿勢を見せており、中央銀行デジタル通貨(CBDC)発行計画や貿易金融プラットフォームにおける外国為替取引などに取り組んでいます。

 

中国はアメリカによる経済制裁によって製造工場の海外移転や失業率の悪化など景気が落ち込んでいます。

 

そのため新しい景気刺激策やビジネスモデルの構築が急務とされ、AIやブロックチェーンなど新興産業への投資をアリババやテンセントが積極的に行っています。

 

中国人民銀行(PBoC)の貿易金融プラットフォームは深セン28の銀行との提携をすでに結んでおり、今年8月の正式稼働が予定されています。

 

ブロックチェーン上での取引記録の管理・共有は書類のやり取りの簡略化や取引情報の改ざん防止といったメリットを貿易金融にもたらすとして中国人民銀行(PBoC)の取り組みが今後、どのような広がりを見せるか大きな注目が集まります。

自動車業界×ブロックチェーン

 

自動車業界はかつてないほど最先端技術の導入の取り組みが行われており、その1つとして「ブロックチェーン技術」の活用も大きな注目集めています。

 

中国・深センではすでに無人の自動運転バスが公道を走る実証実験が行われるなど、ホテルやコンビニも無人化にむけた取り組みが実施されています。

 

日本でも自動車業界だけでなく様々な技術革新が予想される中で、今回は「自動車業界×ブロックチェーン」について詳しく解説していきます。

 

TOYOTA(日本)

 

TOYOTA(トヨタ)ではブロックチェーンやAIといった最新技術によって自動運転の開発を行っており、「未来のモビリティ社会」の実現にむけた取り組みが行われています。

 

自動運転車の開発には膨大な量の運転データが必要となるため、TOYOTAでは分散型台帳技術を活用して、より効率的にデータ管理や共有を行うことでより精度の高い自動運転車の開発を行えるとしています。

 

また、運転情報の管理・共有だけではなく、カーシェアリングや自動車保険においても煩雑な書類のやり取りや不正を防止できるとしてTOYOTAではブロックチェーン技術の導入が進められています。

 

すでにTOYOTAは「Toyota Research Institute(TRI)」の一環としてMIT〔マサチューセッツ工科大学〕のメディア・ラボの協力のもと、ブロックチェーン技術を活用した自動運転車の開発を進めています。

 

2017年5月にはイーサリアム企業連合に参加し、最近ではデジタル広告の分野でも「Lucidity」の協力によって、効率的なデジタル広告の運用を目指す取り組みをTOYOTAは行っています。

 

BMW(ドイツ)

 

BMWはcarVerticalやVeChain Thorといったブロックチェーン企業との提携を結んでいます。

 

走行距離の管理や商品品質の証明にブロックチェーン技術を活用しており、アプリで生産や流通経路の情報を入手できるなど最先端技術の導入を行っています。

 

今年の4月にはGM(ゼネラルモーターズ)とブロックチェーン技術を活用した自動運転車のデータ共有への取り組みも行っており、自動運転車のさらなる普及を目指しています。

 

ブロックチェーン技術による情報管理・共有に加えて、AI(機械学習)やビックデータの活用によって自動運転はより発展すると考えられますが、自動運転には膨大な走行データが必要となるために多くの企業が様々な取り組みを行っています。

 

BiiLabs、TransIOT(台湾)

 

台湾では自動車保険の開発にブロックチェーン技術を活用しています。

 

自動車保険は走行距離に応じて保険料が決定されるものなど様々な種類の保険があります。

 

ブロックチェーン技術によって走行データの改ざんが不可能になるといった特性を生かして、透明性の高い保険金請求プロセスの実現をBiiLabs とTransIOTは目指しています。

 

Discoperi (スペイン)

 

Discoperiは自動車に搭載されたセンサーが収集したデータを共有・管理するためにブロックチェーン技術の活用を目指しています。

 

この取り組みによってDiscoperiは自動運転車の事故を25%削減するのを目標に掲げており、2020年にはサービスの実用化を予定しています。

ブロックチェーン×投票

 

アメリカではブロックチェーンを活用して不正防止や投票率向上を目指す取り組みをVoatzが行なっています。

 

アメリカ・ユタ州では地方選挙でブロックチェーン技術を活用した投票アプリの試験運用を行うことが明らかになりました。

 

日本では候補者の名前を間違えて投票数に誤差が生じるといった問題が発生しており、スマートコントラクトを活用すればこのような問題も改善できると考えられます。

 

また、投票自体も紙と鉛筆を使用して、投票所まで足を運ばなくてはならないといった時間と手間がかかるのも課題として挙げられ、スマホアプリで投票が可能となれば投票率の向上も期待できます。

 

 

選挙×ブロックチェーンについて

 

日本では参議院選挙が7月21日に投開票を迎えますが、タイでは今年3月に総選挙が行われ、タクシン元首相率いる「タイ貢献党」が第1党となりました。

 

5年前に起こったクーデターによって軍主導の政治になったタイでしたが、「軍政から民政への移管」が大きな争点となり、この選挙は行われました。

 

しかし、一部の地域では投票者数よりも票数が少ないといった不正が行われており、今でも事実上は軍政が続いている状況となっています。

 

このように選挙における不正が横行しているタイでは、ブロックチェーン技術による直接投票のプラットフォーム開発をタイ政府機関(NECTEC)が行なっています。

 

ブロックチェーン技術を活用することで、スマートフォンで投票が可能となり、投票率の向上や開票プロセスの簡略化が期待されています。

 

ブロックチェーンにはスマートコントラクトが実装されているため情報の改ざんが難しく、投票数の水増しなど不正の防止につながることがメリットの一つです。

 

しかし、ブロックチェーン技術による投票を行う際にはKYC(本人確認)やセキュリティなどに不備があった場合には正当性が保証されないことから、どのようにしてKYCチェックを行うのかなど仕組み作りが当面の課題とされています。

 

現在では、日本をはじめとして世界各国でブロックチェーン投票への取り組みは行われており、今回は各国で行われている事例を紹介していきます。

 

Voatz ブロックチェーン技術による投票を実現

 

ブロックチェーン技術はトレーサビリティを中心に広がりを見せており、情報の書き換えといった不正を防止できるとして、多くの企業がその導入に向けた取り組みを進めています。

 

国際物流における書類手続きの効率化や自動運転の情報共有にブロックチェーン技術を活用するなど、すでに実用化されている事例も少なくありません。

 

選挙においては投票率の低下や候補者名の間違いといった課題が存在しますが、その課題を克服するためにブロックチェーン技術が注目を集めています。

 

アメリカではブロックチェーン企業「Voatz」が海外で活動をする軍人にむけてモバイルアプリの提供を行っており、人々の政治参加への意識の高まりといった部分でも高い評価を得ています。

 

日本でもつくば市がブロックチェーン技術による投票の実証実験を行なっていますが、「Voatz」は今年の6月にも700万ドルの資金調達を行うなど、その取り組みには非常に大きな期待が集まっていると言えます。

 

すでに「Voatz」はアメリカ国内で40回以上の実証実験を行なっており、セキュリティについても軍事用に使用されるレベルのシステム構築を施しています。

 

つくば市 VOTE FORとの電子投票の実証実験を実施予定8月下旬

 

日本では若者層の投票率が低く、投票率が高い層へを優遇する政策が行われやすいといった課題が存在していますが、より多くの人々が投票に参加できる仕組みの一つとして投票へのブロックチェーン技術の活用がつくば市では行われています。

 

VOTE FORとともに2019年8月には実証実験を予定しているなど、日本における投票のあり方を変える取り組みを行っているのです。

 

つくば市では2018年5月にも「Society 5.0社会実装トライアル支援事業」の企業選考の際にブロックチェーンに結果を保存するなど、匿名性を保証したネット投票を実現しました。

 

2019年8月の実証実験では、マイナンバーカードと顔認証によってKYC(本人確認)を行う計画を立てており、これにはNECの技術が使われます。

 

また、Hyperledgerブロックチェーンを使ったシステムによって、データの書き込み時間を短縮するなど迅速な投票の実現も目指しています。

 

日本ではアステリア株式会社が株主総会の議決権投票にブロックチェーンを活用する取り組みを実施するなど、より公正な投票の実現を目指しています。

 

ウェストバージニア州 モバイル投票システムにブロックチェーンを活用

 

アメリカ・ウェストバージニア州では2018年11月に行われた中間選挙において海外にいる人でも投票できるモバイル投票システムにブロックチェーンを導入しました。

 

これは2020年の大統領選挙でも活用が予定されるなど「モバイルブロックチェーン投票」がアメリカではすでに行われてます。

 

アメリカでは多くの軍人が国外での活動を行っているため紙ベースでの投票ができないといった課題が存在しました。

 

そのためこの「モバイルブロックチェーン投票」の重要性は高く、社会にとって必要なインフラとして整備が行われていくことが予想されます。

 

データサーバーよりもブロックチェーンの暗号化技術による情報管理の方が「匿名性」が高く保たれるといったことも「モバイルブロックチェーン投票」が導入される理由の一つです。

 

ウェストバージニア州での取り組みは、およそ1000人の在外投票の中で144人が投票を行い、200人以上がアプリをDLといった結果となりましたが、国外で活動中の場合にはアプリにネットワーク上でアクセスできないといった課題が明らかになりました。

 

また、技術提供を行ったVoatz社には「投票のセラノス」といった批判も起こりましたが、情報漏洩についてはセキュリティパッチやアップロードを頻繁に行い対策を施しています。

 

最近では2019年5月にコロラド州デンバーの市議会選挙で、Voatz社の「モバイルブロックチェーン投票」アプリの活用が行われています。

 

アメリカでは海外駐留の軍人の投票率を上げることを目的に「モバイルブロックチェーン投票」への注目が今後も集まると予想されます。

 

スイス・ツーク市 ブロックチェーン技術を活用した電子投票の実証実験

 

スイス・ツーク市はイーサリアムをはじめとした750社以上のブロックチェーン企業が集まり、税率の低さや暗号資産に友好的な都市として知られています。

 

行政・民間のサービスの支払いや市民IDの構築、そして電子投票といった分野でブロックチェーン技術の活用や導入が行われています。

 

2018年6月に行われた実証実験ではアプリ「uPort」を使用し、スマートフォンからブロックチェーン技術を活用した電子投票を行いました。

 

すでにブロックチェーン技術による国民投票についても議論が交わされています。

 

すでに市民には「eID」と呼ばれるデジタルシステムが導入されていることからツーク市では生活の一部としてブロックチェーン技術の活用が進められています。

 

選挙とブロックチェーン投票の将来性

 

日本で実際にブロックチェーンによる投票が行われるのはまだ先のことかと思われますが、海外では導入が進められています。

 

Voatz社の投票アプリでは「顔認証ソフト」によってアプリ内で顔のセルフィー撮影による認証が行われます。

 

政府発行のIDと紐づけが行われ、承認された場合には個人情報は暗号化され、ブロックチェーン上で管理されます。

 

ブロックチェーンによる投票が普及したとしても、紙ベースでの投票がなくなるわけではなく、投票をめぐる課題解決にブロックチェーンを活用する取り組みは今後も行われていくことでしょう。

 

今後は、KYC(本人確認)におけるセキュリティの仕組みづくりによって、どこまで行政が活用を行うかに注目が集まります。

 

日本においては暗号資産の税制をめぐって議論が交わされており、藤巻健史参議院議員が下記の4つを掲げて選挙活動を行なっています。

 

1 税率20%の分離課税へ
2 損失の繰越控除を可能に
3 暗号通貨間の売買を非課税に
4 少額決済を非課税に

 

暗号資産業界の発展のためにも藤巻健史参議院議員の取り組みに注目が集まります。

ブロックチェーン×チケット発券

 

スマートコントラクトを活用したチケット発券によって、不正転売を防止する取り組みが行われています。

チケット販売のデジタル化によって、紙のチケットを発行する経費を削減することができ、発行プロセスの効率化を実現します。

チケット発券の現場では、一部の業者による買い占めや高額転売が問題とされており、その解決策としてチケット購入者にブロックチェーン上で入場権限を与えるシステムの開発が行われています。

転売を防止できるだけでなく、本人確認(KYC)についてもブロックチェーンを活用して行うことができるといったメリットがあり、アメリカチケット販売企業「ticketmaster(チケットマスター)」は、チケット発券市場が62億3000万ドル(約6800億円)まで拡大すると予想しています。(2025年)

スマートコントラクトを採用したチケット発券システムの構築によって、よりシームレスな市場を形成することができると考えられ、チケット発券市場の健全化に向けた取り組みに今後も注目が集まることでしょう。

 

量子スプレマシー×ブロックチェーン

 

現在開発が進められている量子コンピューターは、極低温でしか働かないものと室温で働くものがあり、東京大学などでは室温でどこでも使える量子コンピューターの開発が行われています。

 

また、下記のような分類もされています。

 

量子ゲート:Google、IBMが開発を進めている方式。複雑な配線や量子ビットを増やすことが困難といったデメリットあり(2019年11月現在:50-100量子ビット)
一方向量子計算:東京大学が開発を進めている方式。レーザー光を短い間隔で発し、それを計算の単位とする。「量子もつれ」と呼ばれる関係をレーザー光の1つ1つが持ち、その測定によって計算を行う。

 

一方向量子計算方式の量子コンピューターは、光学機器によって装置が作られており、将来的には「1万量子ビット」のビット数をチップ状にすることが可能とされています。

 

東京大学が開発を進める量子コンピューターは室温で働くことが証明されており、極低温でしか働かない量子コンピューターとは計算方式やビット数に違いがあると言えます。

 

量子スプレマシーとは?

 

量子スプレマシーは「量子超越性」のことで、スーパーコンピューターなどこれまでのコンピューターでは、実現することのできない計算能力を持っていることを示しています。

 

Googleは、量子コンピューターの開発によって、世界で最も早いスーパーコンピューターで1万年かかる計算問題をたった3分20秒で解いたと明らかにしています。

 

量子スプレマシーを達成したとGoogleは語っていますが、IBMはその主張を誤りだと指摘しているなど、様々な方式がある中で、より安定的で膨大なビット数を誇る量子コンピューターの開発が進められることでしょう。

 

また、量子コンピューターは、「量子もつれ」や「量子重ね合わせ」を利用して計算を行なっています。

 

計算を処理する方法が、従来のコンピューターと異なるため、どれだけ性能のいいパソコンでも実現することができない計算能力を量子コンピューターは有しているおり、分子のふるまいなど物理法則のシュミレートを得意とされています。

 

量子コンピューターによる計算は量子の状態によって大きく左右されるため、周囲からの悪影響を受けない環境が必要不可欠であることも特徴の1つです。

 

量子スプレマシーとブロックチェーン

 

現在のブロックチェーン技術は量子コンピューターの計算能力に耐えられようには設計されておらず、暗号化を解読し、取引を偽造することも可能とされています。

 

何よりも量子コンピューターがどれほどの計算能力を有しているのか明らかにされていない現在においては、数学的な対応策を講じる必要があると考えられます。

 

すでに量子コンピューターの計算能力にも耐えられる公開鍵暗号アルゴリズムの提案が米国立標準技術研究所には、80以上も寄せられているなど、様々な研究が行われています。

 

高性能な量子コンピューターの構築によって、現在使用されている公開鍵暗号システムの多くを破壊することも考えられ、インターネットなどデジタル通信のセキュリティの安全性を損なうことにも繋がります。

 

そのため、量子コンピューターと従来のコンピューターの両方に対して安全で、既存の通信プロトコルおよびネットワークと相互運用できる暗号化システムを開発することが重要であると言えます。

 

今後20年ほどで、現在使用されているすべての公開鍵鍵暗号システムを破るのに十分な量子コンピューターが構築されるとも予測されており、量子コンピューティングがいつ開発され、普及するかどうかに関係なく、量子コンピューティングに対抗できる情報セキュリティシステムの準備を開始する必要があると考えられます。

 

中国 ブロックチェーン企業

 

中国では暗号資産取引所の全面禁止を行なっている一方で、公共サービスなどにブロックチェーン技術を導入し、経済の発展を目指しています。

 

人口の多さから病院での診察に時間がかかり、取引情報の改ざんや不正が中国では日常的に行われていました。

 

また、AlipayやWeChatPayといった電子決済サービスが普及しており、キャッシュレス文化が日本よりも発達しています。

 

そのため最近話題に上がっているステーブルコインといったデジタル通貨への取り組みも活発に行われており、中国中央銀行ではCBDC(中央銀行発行デジタル通貨)の発行の発表を行なっています。

 

「第2の深セン」と呼ばれている雄安新区では無人自動運転や無人店舗といった最新テクノロジーの大規模な実証実験が行われており、テンセントなどのハイテク企業が100社以上が雄安新区の取り組みに賛同しています。

 

このように時代に先駆けた取り組みを行なっている中国ですが、ブロックチェーンにも多くの企業が注目をしているようです。

 

中国 暗号資産規制について

 

中国のサイバースペース管理局(CAC)では、中国国内のブロックチェーン企業に対して「匿名性を排除するガイドライン」を2019年2月から施行しています。

 

暗号資産に対して国際的な法規制の整備を進めるFATF(金融活動作業部会)もマネーロンダリング対策の一環として暗号資産交換所に送金人だけでなく、受取人の顧客情報の管理・共有を求める「FATF 勧告15の解釈ノート」を発表しています。

 

このような中国の取り組みを始めとして、世界的には暗号資産の特徴の1つである匿名性を排除する流れが生まれており、既存の金融システムの保護といった観点からも暗号資産業界への規制は今後も強化されることが予想されます。

 

それと同時に暗号資産取引においては交換所を通さない「OTC取引」の増加も予想されており、規制強化を行うほどに法の合間を突いたグレーゾーンは拡大するとも考えられます。

 

現在は中央銀行が発行するデジタル通貨(CBDC)やアメリカの制裁を受けている国々では金や石油価格にペッグされたステーブルコインの発行も行われています。

 

このような取り組みが既存の金融システムの形を変えることも将来的には考えられ、より国際金融の秩序を乱さない方法が模索されていると言えます。

 

中国経済の現状について

 

中国では米中貿易摩擦問題や国内の消費の落ち込みによって第2四半期の国内総生産(GDP)成長率は前年比6.2%となるなど、経済成長が鈍化しています。

 

個人消費の落ち込みに加えて、不動産バブルの終焉といった要因が経済成長を鈍化させているといえますが、貧困からの脱出といった社会流動性が失われつつある中国においては新たな景気刺激策を模索する取り組みが行われています。

 

1990年代に日本のバブル経済が終わりを迎え、30年にも及ぶ経済の停滞を招いたと同様に、中国でも社会システムそのものの見直しが急務とも考えられます。

 

そのような中で、これまでは何時間もかかっていた病院の診察や行政手続きが迅速に行えるとして中国ではブロックチェーン技術の活用が進められています。

 

「ZhongAn Information and Technology Services(衆安在線財産保険)」

 

「ZhongAn (衆案保険)」は2013年にアリババとテンセントによって共同設立され、すでに300種類の保険商品を取り扱うなど急成長を遂げている会社です。

 

その子会社である「ZhongAn Information and Technology Services(衆安在線財産保険)」では保険やダイアモンドの追跡といった分野でブロックチェーン技術を活用した取り組みを行なっています。

 

保険取引プラットフォームへのブロックチェーン技術の導入や医療、資産管理といった分野でも「ZhongAn Information and Technology Services」は市場を先導するビジネスモデルの構築に取り組んでいます。

 

ブロックチェーン技術を活用して新たな商品開発に取り組むだけでなく、AI(人工知能)やビックデータの活用にも取り組むなど中国のブロックチェーンを代表する企業の1つといえます。

 

上海ブロックチェーン開発研究連合(Shanghai Blockchain Industry Development Research Alliance)のプロジェクトにも参加し、最近では東南アジアを中心に利用者が急増している配車アプリ「Grab」との提携を結んでいます。

 

この提携によって「Grab」を通じて保険商品が提供されるようになるといったメリットがあり、仲介業者を介すことなく保険商品の購入が可能となります。

 

「Grab」はシンガポールのドライバーにむけた保険商品を提供しており、もしもドライバーが病気や怪我をした際にも収入面を保険でカバーできる取り組みが進められています。

 

アント・フィナンシャル(蚂蚁金服) 行政手続きプラットフォーム

 

中国の重慶市ではアント・フィナンシャル(蚂蚁金服)がブロックチェーン技術を活用した行政手続きプラットフォームを運用しています。

 

アント・フィナンシャルはAlibabaの金融関連会社であり、Alipayの運営も行なっています。

 

行政手続きは日本においても役所や法務局などに足を運び、書類の発行手続きにも多くの時間を必要とします。

 

また、部署ごとに書類を提出する必要があるといったように非効率な面が長年、課題とされてきました。

 

アント・フィナンシャルによる行政手続きプラットフォームではスマートコントラクトによって各部署での情報共有が可能となります。

 

そのため業務の効率化を図ることができるだけでなく、企業設立の際にも登記にかかる時間も10日前後かかっていたものが最短で3日に短縮されます。

 

中国では公共サービスへのブロックチェーン技術導入が盛んに行われており、アント・フィナンシャル(蚂蚁金服)の取り組みに今後も注目が集まります。

 

今年の5月には上海、浙江省、江蘇省、安徽省が司法手続きにもブロックチェーン技術を活用する取り組みを行なっています。

 

訴訟の際にも被告人の情報や手続きをスマートコントラクトによって管理することで、より効率的な司法手続きの実現を目指しています。

 

杭州インターネット裁判所 司法手続きプラットフォーム

 

中国にはインターネット裁判所が存在します。

 

WeChatを活用することで裁判へのオンラインでの出廷が可能となり、人工知能によって裁判文書の作成も行うことができます。

 

杭州インターネット裁判所は2017年8月に設立され、2018年7月からは北京や広州におけるインターネット裁判所の設立が明らかにされています。

 

Alibabaの技術を活用してプラットフォームは運営されており、正確さよりも効率性を重視する国民性がブロックチェーンの導入を推し進めているとも考えられます。

 

すでに2018年9月には北京インターネット裁判所が設立され、今年4月時点で1万4849件ものケースが取り扱われています。

 

中国市場におけるブロックチェーン投資

 

PANewsの統計によると、2019年には世界中で653件のブロックチェーン関連の資金調達が行われ、総額は約47億米ドル(約329億元)でした。

さらに、2019年には35件のM&Aが各国で行われ、その総額は30億ドルを超えています。

中国と米国は、ブロックチェーン関連の資金調達において他の国をはるかに上回り、世界の60%を占めています。

中国では191件、米国181件、日本3件、韓国9件、インド19件、シンガポール47件といった資金調達の事例が確認されており、世界全体では約47億米ドルがブロックチェーン市場に流入しているとされています。

中国のブロックチェーン市場動向

中国では2019年のブロックチェーンに関連した投資総額が前年度比で40.8%減少し、244.38億元となったことを新華社通信が報じています。

1 2019年のブロックチェーン市場では245件(2018年:604件)の投資および融資が実行されました。

2 シード、アーリー期の企業による資金調達が43.3%を占めており、2019年下半期にはM&Aが増加しました。

3 ブロックチェーン市場に関する情報、暗号資産取引所、ブロックチェーンを活用した金融サービスなど様々なセグメントについて大きな関心が寄せられています。

4 292機関が投資に参加しており、より慎重に投資を行っています。

5 北京と深セン、杭州の企業が投資対象となっているケースが多いですが、その他の都市の企業の取り組みも過小評価することはできません。

上記のような調査報告を金融データプラットフォームを運営するRHIND DATAは明らかにしており、2018年度は「総投資額:412.50億元・総投資件数:604件」であったことと比較すると、投資家の多くはブロックチェーン企業への投資に慎重になっていることがわかります。

また、資金調達のラウンド別に見ていくと「シード:8 エンジェル 46 シリーズA:52」となっています。

中国 ブロックチェーンへの取り組み

中国では、すでに医療における請求書や地下鉄における領収書の発行にブロックチェーンの活用が行われるなど、社会実装が進む中でより健全な市場の発展が見込まれています。

2020年1月1日に暗号法が施行され、デジタル人民元(DECP)発行に向けた取り組みが行われています。

北京では規制のサンドボックス制度を導入し、ブロックチェーンを含めたフィンテックプロジェクトが明らかにされています。

1 工商銀行:トレーサビリティーおよびサプライチェーンファイナンス

2 中国農業銀行:マイクロファイナンス

3 中信銀行・中国銀聯など:中信银行智令产品
→トークン化技術を活用した新しい金融サービスの構築

4 百信銀行:AIBank Inside产品
→人工知能を活用した汎用の金融機能モジュール

5 寧波銀行:快审快贷产品
→ビッグデータ、人工知能を活用した信用照会を最適化し、小規模および零細企業の資金調達の問題を軽減

6 中国銀聯、シャオミ数科、京東数科:手机POS创新应用
→スマートフォンデバイスを安全で信頼性の高いPOS端末にアップグレードし、銀行カードの領収書、バーコード支払いの領収書、商人管理などのサービスを提供。

中国では北京以外でもブロックチェーンに関する取り組みが行われており、海南省では10億元(約155億円)規模のブロックチェーン基金が設立され、海南自由貿易区(FTZ)ブロックチェーン試験区では70社以上の誘致が行われています。

 

コロナウイルス対策としてのブロックチェーン

 

医療機関における書類手続き業務の効率化に向けてブロックチェーンの導入が行われていますが、コロナウイルスが蔓延する中国においては患者の健康情報や医療費請求が高い透明性を持って行えるとして活用が行われています。

 

アリババグループの金融会社「アントフィナンシャル」は医療保障サービス「相互宝」を通じてコロナウイルス患者に向けて最大10万元の一時金を支払うとしています。

 

医療保障サービスを受ける際にはブロックチェーン上でコロナウイルスに感染している証拠書類を提出するため、サービスに関わる関連企業は、改ざんされない正確な情報を手にすることができます。

 

患者への一時金の支払いはAlipay(アリペイ)を通じて行われ、中国ではすでにブロックチェーンを通じて事務的な処理からキャッシュレス決済まで行えるシステムが構築されています。

 

また、一時金の支払いの際にも対面でやり取りすることがないために感染拡大を防止するといった効果も期待できます。

 

アントフィナンシャル以外にもブロックチェーンスタートアップ企業の「ハイパーチェーン」は医療品の不足に悩む医療機関をサポートするためにブロックチェーンを基盤とした「医療品寄付ポータルプラットフォーム」を公開しています。

 

ブロックチェーンを活用することで、寄付金がどのような流れで動いているのか追跡することができ、コロナウイルスの感染拡大によって医療品の不足が大きな社会的課題とされている中国においては大きな役割を担うと考えられます。

 

同プラットフォームはフーシングループ、雄安グループと共同で開発が行われ、寄付金の提供者と受け取る側を繋ぐ、透明性の高い取引が可能となっています。

 

山東省では、「ブロックチェーン新型肺炎情報観測システム」が展開され、山東財経大学に通う学生や職員の健康状態に関するデータをリアルタイムに共有することで、感染の拡大を防止する取り組みが行われています。

 

上記のように中国ではコロナウイルス対策としてブロックチェーンが様々な形で活用されており、信頼性が担保されることで、社会的課題の克服につながっていると言えるでしょう。

 

暗号資産取引所のBinanceHuobiなどはマスクの提供やコロナウイルス対策を支援するための資金提供を行っており、バイドゥ、アリババ、テンセントといった企業もファンドの設立や医療サービスの拡充に向けた取り組みを展開しています。

 

 

ブロックチェーンとはなにか?

 

 

ブロックチェーンとは「ビットコインの中核技術を原型とするデータベースのことで分散型台帳技術(ネットワーク) 」と定義されています。

 

ブロックチェーンは「不動産・物流・医療」といった様々な業界で商用化に向けて取り組みが進んでいます。

 

紙ベースで行われていた手続きが簡略化され取引が迅速に行われるなど、業務効率が上がることから多くの企業が導入にむけた取り組みを進めています。

 

さらにお互いの技術や情報交換を行うプラットフォームが各産業分野で形成されており、IBMやNTTデータなどが主体となって取り組みが進んでいます。

このブロックチェーンはいつどこで誕生し、今のように各分野で応用されるようになったのでしょうか?

 

ブロックチェーンの歴史

 

 

そもそもブロックチェーンは2008年にサトシナカモトがビットコインについての論文を発表したことから始まりました。

 

当時、ビットコインはP2Pネットワークによる電子通貨として開発されたシンプルなものでした。

 

しかし、サイバー攻撃を受けてもP2Pへのダメージがないことから電子通貨以外の用途が検討されるようになったのです。

 

2009年1月の動作開始から今までビットコインは停止したことないことからそのセキュリティ技術の高さは証明されています。

 

そして、ブロックチェーンはビットコイン取引の履歴(トランザクション)を改ざんできないようにする技術として開発されました。

 

このことでビットコインは「サイバー攻撃に強い」「改ざんが難しい」といった特徴を持つようになり、仮想通貨として認知されるようになりました。

 

そして、2014年のマウントゴックス事件をきっかけにビットコインは社会問題となり、ブロックチェーンも広く知れ渡るようになりました。

 

今ではさまざまな分野でブロックチェーン技術を応用しようとする取り組みが進んでおり、将来的には社会基盤となるテクノロジーとして注目を集めています。

 

ブロックチェーンの特徴

ブロックチェーンはP2Pネットワークを採用しており、分散化されたノード(参加者のパソコンやデバイス)で管理されます。

 

取引情報はブロックチェーン上に公開され、参加者全員の合意や検証のもとで正当性が証明されます。

 

取引はノードごとに分散管理されているため、サイバー攻撃による情報の改ざんが行われたとしても、すべてのノードが同時に攻撃されない限りは改ざんは不可能です。

 

このことを「取引の不可逆性」と呼び、ブロックチェーンはサービスが停止することはない「セロダウンタイム」といった特徴を有しています。

 

また、ブロックチェーンには「非中央集権型」「分散型台帳技術」といった特徴があり、下記にてくわしく解説していきます。

 

非中央集権型

 

ビットコインなどの仮想通貨は誰でもインターネットによって参加できるP2Pネットワークとしての特徴を持つため「パブリックブロックチェーン」と呼ばれています。

 

この「パブリックブロックチェーン」は政府や企業といった中央集権を必要としない「非中央集権型」といった特徴を持ちます。

 

データベースでの取引はサーバーといった中央集権型のシステムを採用していたので、書き換えの危険性がありましたが、ブロックチェーン上での取引の改ざんは実質的に不可能になります。

 

この非中央集権型のシステムが誕生した背景には既存の中央集権型システムの非効率性や不信感があり、ブロックチェーンによる産業革新を目指す一つのきっかけにもなっています。

 

分散型台帳技術

 

分散型台帳技術はネットワークの参加者が取引データを共有し、分散して管理する技術です。

 

ブロックチェーンにもこの分散型台帳技術が採用されており、すべての取引をネットワークの参加者全員で共有することができます。

 

参加者全員が1つの台帳に情報を記入し、共有することができるので、情報共有が効率的に行えます。

 

この分散型台帳技術によって、例えば食料品のサプライチェーンをブロックチェーンで管理すること(トレーサビリティ)ができるようになります。

 

消費者は生産時期や農薬の使用の有無などを確認することができるようになり、生産者は店舗での売上数などを確認できるようになります。

 

企業や組織の垣根をこえて情報共有ができ、対等な立場で記録ができるので、非中央集権型システムにとっても重要な技術の一つといえます。

 

スマートコントラクト

 

ブロックチェーン上での取引や決済はスマートコントラクトによって自動で行えるようになります。

 

コストの軽減や不正の防止にもつながるため、各産業分野で効率的な取引や契約を実現できます。

 

取引契約にまつわる詳細をブロックチェーンにプログラムとして書き込むことで自動取引は可能となりますが、定義づけの難しい曖昧な契
約内容の場合には誤った取引が実行されてしまうといったリスクは存在します。

 

ブロックチェーンの種類

 

 

ブロックチェーンは「プライベート型」「コンソーシアム型」「パブリック型」の3種類にわけることができます。

 

「プライベート型」は管理者は存在しますが、参加者も含めて単一の組織に限定されています。そのため合意形成がスムーズに行われるため、取引も迅速に行われるといった特徴があります。

 

「コンソーシアム型」は管理者の権限によって参加できる組織を選ぶことができ、金融機関の決済としての活用が期待されています。

 

ビットコインなどの仮想通貨は「パブリック型」に分類され、誰でも参加でき取引の記録が可能となります。「パブリック型」は管理者が不在で、分散型の管理ができるため強固なシステム構築ができます。

 

ブロックチェーンの仕組み

 

 

取引のデータはトランザクションと呼ばれ、複数のトランザクションはブロックに取り込まれます。

 

このブロックには複数の取引データがまとめられ、承認されていきます。

 

ブロックが新しく生成され、チェーンのように連なっていくことを「ブロックチェーン 」といいます。

 

ブロックの生成にはコンピュータによる計算作業が必要となり、このことを「マイニング」と呼びます。

 

このマイニングには膨大な計算や電力が必要とされるため、企業はマイニング専用マシンの導入などによって大規模なマイニングを行なっています。

 

ブロックチェーンの活用事例

医療

医療分野では健康診断やカルテのデータが病院ごとに管理されているため患者の過去の情報がわからないまま診断が行われています。

 

患者の医療情報を管理・共有することで、過去の病歴を把握した上で診断が行えるといったメリットがあるために医療分野でもブロックチェーンの活用が進んでいます。

 

医療用画像や診断データの改ざんを防止し、予約や支払いも一元管理できるといったことがブロックチェーンで可能となります。

 

アメリカでは違法製造薬による健康被害が社会問題となりました。政府が医療品の流通経路を明確化するように製薬メーカーに求めるといった事態に発展しています。

 

アメリカ大手製薬会社「ファイザー」「アメリソースバーゲン」などは医療品の生産から配送までを追跡するブロックチェーンの開発に取り組んでいます。

 

物流

 

国際物流においては煩雑な書類手続きや仲介手数料をブロックチェーンによって簡略化することができます。

 

配送料金の低料金化や配送までの時間の短縮といったコスト削減が可能となります。

 

企業によって規格が異なることなど問題はありますが、すでに国際的なコンソーシアムによって技術の提供や実証実験が活発に行われています。

 

BiTA(Blockchain in Transport Alliance)

 

BiTA(Blockchain in Transport Alliance)」は2017年8月に設立され、加盟企業は全世界で500社以上。グーグルやマイクロソフトも参加しており、ブロックチェーンの活用に国際的な協力関係を結んでいます。

 

関連記事:BiTAはブロックチェーンで物流を変える?日本での実用事例

 

オープンプラットフォーム「TradeLens」

 

TradeLens」は海運会社(Maersk)×IBMが中心となって、世界234拠点で運用が計画されています。サウジアラビアでは実証実験が政府が協力のもとで行われています。

 

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