Axoni(アクソニ)|株券等貸借取引システムへのブロックチェーン技術導入について

ブロックチェーン

今回は、ゴールドマンサックスやシティグループが出資しているブロックチェーンスタートアップ企業「Axoni」について解説し、株券等貸借取引システムへの最新技術導入の事例について考察していきます。

 

各国では証券業務の効率化に向けて、ブロックチェーンを取引・管理システムに導入する取り組みが行われています。

 

世界銀行やHSBC、サンタンデール銀行といった世界的な金融機関が、ブロックチェーン上で債券の発行・管理を行っており、証券のデジタル化とともに、ブロックチェーンを活用した証券保管振替や決済・カストディ業務の効率化に向けた取り組みが世界では行われています。

 

そのような中で、2020年2月にはゴールドマンサックスとシティグループはAxoniのブロックチェーン「Axcore」を使用してエクイティスワップ取引を実施。

 

取引情報がブロックチェーンによって可視化されることで、配当・金利の金額を照合する時間の短縮に繋がり、将来的には規制当局がブロックチェーンプラットフォームに直接アクセスを行うといった構想も立ち上がっています。

 

エクイティスワップ取引は、配当・金利および株価といった指標の確認・照合に多くの従業員を必要としていたために、ブロックチェーンを活用することで、合意形成の不備による損失を防止でき、業務の効率化が図られます。

 

ブロックチェーンスタートアップ企業「Axoni」について

 

「Axoni」は金融機関へのブロックチェーン導入事業を各金融機関と提携して行っており、シリーズBラウンドでは3,200万ドルの資金調達を行っており(2018年)、JPモルガンやWells Fargoが出資企業として名を連ねています。

 

2016年9月から「Axoni」は、照会情報(リファレンスデータ)管理の実証実験をシティグループや米証券業金融市場協会(SIFMA)と提携して行っており、R3などと共に金融領域においけるブロックチェーンの実用化に向けた取り組みを実施。

 

2017年にはエクイティスワップの実証実験をゴールドマンサックスやシティグループ、JPモルガンと共に6ヶ月にわたって実施しており、株式分割・スワップ契約の修正など成功率は100%とされていました。

 

資金調達額は2018年のシリーズBラウンドにおいてHSBCも含めると、3,600万ドルも及んでおり、全てのラウンドの合計資金は5,900万ドルとなっており、アンドレセンホロウィッツやYコンビネーターなども「Axoni」には出資をしています。

 

2018年には米国の証券保管振替機関「Depository Trust and Clearing Corporation(DTCC)」のクレジット・デリバティブ管理システム

 

「Trade Information Warehouse(TIW)」

 

へのブロックチェーン導入事業をIBMやR3、ゴールドマンサックスなどと共同で行っています。

 

エクイティスワップ市場は、2兆8000億ドル規模とされており、今後もブロックチェーン「Axcore」を活用した大手金融機関との連携など、実用化に向けた取り組みが行われていくと考えられます。

 

The Options Clearing Corporation ストックレンディングシステムへAxCoreブロックチェーンを導入へ

 

The Options Clearing Corporation(OCC)は、1973年に設立された世界最大のデリバティブ取引・清算機関です。

 

米国証券取引委員会(SEC)と米国商品先物取引委員会(CFTC)の管轄下で運営され、現在、19の取引所(プラットフォーム)に中央清算・決済機関(CCP)サービスを提供しています。

 

OCCは、先物・オプション、および貸借取引におけるカウンターパーティーリスクを軽減する清算機能を提供しており、ストックレンディング(株券等貸借取引)インフラへのブロックチェーン技術の導入と実装に向けてAxoniとの協業を発表しました。

 

主な清算機能
・リスク管理(値洗い・市場参加者、業者の監視)
・関係機関の財務健全性の監査
・CFTC(不正防止・取引監視 etc)規制適用の確認

 

Axoniのブロックチェーン「AxCore」を活用し、2020年Q2から開発が始まり、2022年に顧客向けにローンチが予定されています。

 

OCCのストックレンディング(株券等貸借取引)システムへのブロックチェーン技術実装によって下記のようなメリットがあるとされています。

 

・これまでトレーディング調整プロセスを管理するために最大3人の従業員が必要であるとされてきた監査コストの削減(約数十億ドル)
・手作業で行われている業務プロセスの自動化
・カウンターパーティーリスクの軽減

 

まとめ

 

米国では、2019年からストックレンディング(株券等貸借取引)システムへのブロックチェーン技術の導入に関する概念実証(POC)が行われ、監査の必要性を軽減し、決済時間を短縮するとされてきました。

 

モルガン・スタンレー
ステートストリート
シティバンク
クレディスイス
ソシエテジェネラル

 

OCCとAxoniは、将来的に、上記の企業との取引情報の管理・共有をブロックチェーンで行うことで、監査人の必要性を減らすことができるとしています。

 

株券等貸借取引ブロックチェーンシステムは韓国・新韓銀行も開発を進めています。

 

日本ではカブドットコム証券株式会社が株券等貸借取引業務に日立が開発する人工知能技術「Hitachi AI Technology/H」を導入するといった事例もあります。

 

貸株サービスにおける業務効率化のみならず

 

・適切な貸出レートの自動算出
・機会損失防止
・トレーディング環境の最適化

 

などの実現にも大きな注目が寄せられています。

 

・参考文献

 

OCC Deal To Move Billion In Equities To Axcore Blockchain
The Options Clearing Corporation now has billion worth of equities loans outstanding, which in the future will be traded on technology popularized by bitcoi...

 

OCC Selects Axoni to Modernize Securities Lending InfrastructureNew, Innovative Technology Provides Numerous Benefits to Clearing Member Firms
OCC, the world's largest equity derivatives clearing organization, today announced that it has selected Axoni, a technology firm that specializes in multi-party...

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