【IPO・2021】米国株AI(人工知能)ユニコーン企業3選|Darktrace・DataRobot・ThoughtSpot

2020年のアメリカ新規上場(IPO)市場はSnowflake(スノーフレイク)、Palantir(パランティア)などデータ分析企業が高い評価を集めました。Airbnb(エアビーアンドビー)、DoorDash(ドアダッシュ)は経営危機を乗り切り、2010年代のシェアリングエコノミーを代表する銘柄として上場を果たしています。

 

日本ではヤプリ、ウェルスナビ、Kaizen Platformが同時上場し、3社ともに公募価格を上回るなどDX(デジタルトランスフォーメーション)銘柄の新規上場(IPO)には今後も大きな注目が寄せられます。

 

2021年はAI/機械学習を活用したサイバーセキュリティ・データ分析予測銘柄の新規上場(IPO)が見込まれており、本稿ではDarktrace(ダークトレース)DataRobot(データロボット)ThoughtSpot(ソートスポット)を企業分析しています。

 

>米国株・新規上場(IPO)予定企業の類似銘柄|日本企業との比較

Darktrace(ダークトレース)評価額38億ポンド(目標)/シリーズE

日本では情報漏洩が相次いで確認されており、TEE(Trusted Execution Environment)の利用など改善に向けた取り組みが2021年は本格化することが予想されます。

 

サイバー攻撃の高度化への対応に各企業が迫られる中、Darktrace(ダークトレース)は人間の免疫システムに着想を得たケンブリッジ大学の数学の専門家が開発したAIのアルゴリズムを応用して、Enterprise Immune Systemを開発。

 

Enterprise Immune Systemは、組織内のあらゆるデバイス、ユーザーの生活パターンを常に学習し、ゼロデイ攻撃や内部脅威、ランサムウェアなど65,000を超える未知の脅威をリアルタイムかつ自動的に検知する自己学習型プラットフォームであり、8,000件以上の導入実績を誇っています。

 

オンプレミス、クラウド、IoT、産業用制御システム(ICS)をはじめとしてレガシーシステムや従来の方法ではセキュリティ対策が困難な機器などあらゆる種類・規模のネットワークへのサイバー攻撃を早期に発見するDarktrace(ダークトレース)の技術力は世界44拠点で展開され、日本では東京や大阪にオフィスを構えています。

 

ヨーロッパでは、オンライン食品配送事業Deliveroo、eコマースウェブサイトmusicMagpie、e小売業者Moonpig、レビューサイトTrustpilotが2021年に新規上場(IPO)を予定しているとされ、AIサイバーセキュリティ事業を世界に展開しているDarktrace(ダークトレース)はロンドンでのIPOに向けて38億ポンドの評価額を目指しているとSky Newsは報じています。

 

Crowdstrikeなどサイバーセキュリティ企業は上場直後に株価が急上昇した事例もあり、2021年最も注目すべき新規上場(IPO)銘柄であると考えられます。Darktrace(ダークトレース)は2018年9月のシリーズEラウンドで5,000万ドルを調達し、Invoke Capital、KKR、SummitPartnersなどが株主として名を連ねています。

 

・設立日 2013年 

・創設者 デイブ・パーマー、エミリー・オートン、ジャック・ストックデール、ニコール・イーガン、ポピー・グスタフソン

・総調達資金額:23,050万ドル(投資家数12

>>米国株・2021年に直接上場(ダイレクトリスティング)を検討している企業|資本政策や市場戦略

 

DataRobot(データロボット):評価額27億ドル/シリーズF

DataRobot(データロボット)は高度な機械学習を通じて分析や自動化を実現するプラットフォームの開発・提供を行なっています。自社で機械学習の分析事業を立ち上げるには多くの知見と労力を必要としますが、DataRobot(データロボット)の自動機械学習プラットフォームを導入することで、例えばマーケティング分野では広告運用の最適化、スポーツに携わる事業者の方はこれまで手つかずだったデータの利活用によって新たな価値の創出が期待されます。

 

さまざまな事業領域で分析によるデータの利活用の促進・大量のデータ収集/処理によるコスト削減などの生産性向上を企業にもたらすとしてDataRobot(データロボット)は27億ドルの評価額で3億2,000万ドルをシリーズFで調達。最新では、12月9日にSalesforceベンチャーズ、ヒューレットパッカードエンタープライズ、スノーフレークベンチャーズから5,000万ドルを調達し、戦略的パートナーシップの構築が進んでいます。

 

データサイエンティストを自社に抱えることなく、それぞれをビジネスニーズとIT要件に合わせて自動機械学習(AutoML)、時系列予測分析、MLOpsを実現し、日本でもNTT Dataや日立システムズがサービス紹介を展開。DataRobot(データロボット)は、予測モデル構築/可視化/システム化を担い、実際のビジネスに導入し、業務に利用するまでの行程を一気通貫でプラットフォーム上で行えることから今後も利活用が進むことが期待されます。

 

・設立日 2012年6月1日 

・創設者 ジェレミー・アチン、トーマス・デゴドイ

・総調達資金額:7億5,060万ドル(投資家数32)

M&APaxataParallelM、カーソル、ネクソシス、ニュートニアン

>>これから伸びる注目のスタートアップ企業とは?シリーズD前に1億ドル以上の資金調達に成功したアメリカ・中国企業

ThoughtSpot(ソートスポット)評価額19.5億ドル/シリーズE

ThoughtSpot(ソートスポット)は、ユーザーの企業データへの質問をSQLに変換し、AIによるインサイト(洞察)を提供するデータ分析プラットフォームを開発/提供しています。数十億行に及ぶ膨大なデータから誰もが検索するだけで瞬時にインサイトを取得できるため企業課題の解決に向けた分析業務の高度化をThoughtSpot(ソートスポット)は実現。

 

シリーズEラウンドでは19.5億ドルの評価額で4億4,800万ドルの調達に成功し、2019年6月には日本に法人を設立し、ロンドン、シアトル、インド、バンガロールに拠点を設けるなど、積極的に事業を拡大。今年の9月には「来年のこの時期までに、私はこの会社が公的投資家にふさわしいものになることを望んでいる」とCEOであるSudheeshNair氏は語っていることから2021年秋のIPOを目指した取り組みが水面下では進んでいると考えられます。

 

現在は、年間の経常収益1億ドル(前年比:成長率50%、利益80%以上)となることを目標としており、より大口の顧客獲得に向けて新規上場(IPO)は1つの手段であるとしています。Gartner社はThoughtSpot(ソートスポット)をデータ分析プラットフォームとして高く評価している一方、2020年の新規上場(IPO)市場で成功を収めたSnowflakeとの比較もなされており、今後は顧客獲得の伸び率などが大きな注目を集めることでしょう。

 

最近では新サービス「ThoughtSpot One」を発表し、組織全体を横断したインサイト(洞察)の共有によって体系的な知の探索を実現し、より高度な体験を顧客にもたらしています。

 

・設立日 2012年6月1日 

・創設者 Abhishek Rai、Ajeet Singh、Amit Prakash、Priyendra Deshwal、Priyendra Deshwal、Sanjay Agrawal、Shashank Gupta、Vijay Ganesan

・総調達資金額:7億4,370万ドル(投資家数17)

>>Apache Kafka」開発企業「Confluent(コンフルーエント)」のIPOの可能性について

まとめ

サイバーセキュリティ・データ分析予測はデータエコシステムの利活用を目指す国家運営/企業経営に不可欠な要素であると言え、導入企業数の増加とともに収益の増加が見込まれます。2010年代から実績を積み、3社ともにシリーズE、Fまで資金調達を終えていることから新規上場(IPO)のみならず3、5年後に向けた成長戦略にも大きな注目が集まりそうです。

 

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